人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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半藤一利『十二月八日と八月十五日』(文春文庫)

2016-01-22 05:00:00 | 近現代史

戦後70年の昨年、6月10日、文春文庫オリジナルで、半藤一利『十二月
八日と八月十五日』が出版された。--帯には「日記や手記をもとに『青
天の霹靂の二日』を再現する!」とある。

この歳になると少々わかることだが、「回想録」というものは必ずしも
真実を書いているとは限らない。

真珠湾攻撃の報を聞いて、イギリスのチャーチルは「(これで)勝った!」
と回想しているとのことだが、回想していることは事実としても、はたし
て「その時」にそうだったのかは若干疑ってかからなければならないので
はないかしらん。

これと同様、本書によれば、朝日新聞の田中政経部長(当時)も「(開
戦と知って)日本は負けたっ」と叫んだ、と戦後に回想しているらしいが、
これも「その時の事実」だったのかしらん。

それはそれとして、昭和16年12月8日と昭和20年8月15日、あるいは
その頃に、日記等に何を書き残していたのかを知ることはおもしろい。

以前書いたドナルド・キーンの『日本人の戦争』(→こちら)と合わせ参照
するのもおもしろいだろう。
いずれも時々読み返したいものだ。


ところで・・・・・・あの戦争は正しかったとしても(if any)、日本が「総力戦」
に負けたという事実は変わらない。負けたから占領があり、東京裁判があり、
次に講和条約があった。


半藤一利『十二月八日と八月十五日』(文春文庫)



半藤一利『十二月八日と八月十五日』とドナルド・キーン『日本人の戦争』


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