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人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

後藤田正晴『情と理』(講談社α文庫)★★★★

2010-02-13 05:07:01 | 読書
「時事放談」の進行役をしている御厨(みくりや)貴さんが、亡き後藤田正晴氏に
長時間インタビューしたものである。一種のオーラル・ヒストリーで、なかなかお
もしろい。

後藤田さんは絶対にしゃべらないことも無論あるだろうが、相手が御厨さんという
学者からか、結構思い切ったことを言っている。
例えば、岸信介については、
 僕は個人的には、戦犯容疑で囚われておった人が日本の内閣の首班になると
いうのは一体どうしたことかという率直な疑問を持ちました。文字通り経済統制の
総本山の方ですよね。そして中央集権的な行政のあり方、政治の主張、これを
色濃く持っている方ですから。私はたまさか、あの人の幹事長時代にお会いした
ことがありまして、大変素晴らしい能力の方だという印象を持つとともに、率直な
ところ、いま言ったような気持ちを持っていました。これは、戦争に対する反省が
ないからです。それが、いまにいたるまでいろいろな面で尾を引いている。
 しかし、・・・・・・。 (本書p191)
と言っている。


40年前はマスコミで「保守」対「革新」ということが盛んに言われたが、そういった
レッテル貼りがいかにおろかなことか。「保守」にもいろいろあり、「革新」もさまざ
まなのである。



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