ちょうど10年前、東京オペラシティコンサートホールで関学グリー100周年記念リ
サイタルを聴いた。学生指揮者のほか林雄一郎、北村協一、広瀬康夫、太田務先生
による感動的なステージだった。林先生のはんなりとした「ペーチカ」は忘れられ
ない。
2月11日(木・祝)、大田区民ホール・アプリコ大ホールで関学グリーリサイタルを聴
いた。今回も10年前と同様、チケットは関学グリーOBのMさんにお世話になった。あ
れから「もう」10年である。その間、関学グリーは平成16(2004)年には林先生、平成
18(2006)年には北村先生をなくした。いずれもつい先日のことのように思われる。
大田区民ホール・アプリコは平成10(1998)年に竣工した、定員1500人弱のクラシッ
ク・ホールである。たしかここで聴くのは初めてではないかしらん。
<プログラム>
1.「吹雪の街を」(学生指揮;隈 寛昭)
2.ミュージカル「南太平洋」(指揮;広瀬康夫、ピアノ;細見真理子)
3.「いつからか野に立って」(指揮;本山秀毅--客演)
4.E.Desderi「戦時のミサ」(指揮;広瀬康夫)(新月会合同ステージ)
午後2時過ぎ、緞帳(どんちょう)のないステージ、下手から一列にメンバーが入場し
てきた。寒い中の遠征、ようこそ東京へ!温かい拍手で迎えられる。4段、55人(以
上)による「A Song for Kwansei」から始まった。関学グリーも一時メンバーが40人
くらいになったことがあったが、「A Song for Kwansei」は柔らかな曲だけに55人い
るとハーモニーの厚みがあってよかった。メンバーが増えつつあり、今後が楽しみだ。
ちなみに「A Song for Kwansei」は昭和24(1949)年学院創立60周年を記念して作ら
れた校歌である。
1.「吹雪の街を」(学生指揮;隈 寛昭)
学生指揮者によるステージ。「吹雪の街を」は伊藤整作詩、多田武彦作曲。同じ伊
藤作詩多田作曲の「雪明りの路」から20年後、小樽商大グリークラブ創部60周年
記念に委嘱されたものである。第1曲「忍路」から終曲「吹雪の街を」まで、20歳前
後の思い出が春夏秋冬に並べられている。
第1ステージということもあって、第1曲は一瞬硬くなった入りかと思ったが、すぐに
練習のペースを取り戻したようだった。1曲目と2曲目は一瞬のポーズの後、アタッ
カで続けられた。第3曲「夏になれば」のソロはやや疲れ気味(?)の声だったが、
明るい発声で歌い上げ、拍手が起きた。
指揮者の隈さんは、3回生から指揮していたようだが、さすが関学、「夜の霰(あら
れ)」などのリズム感もよく、安定した(--反面パッションはやや抑えた。)見事な
曲作りだった。
抒情的な詩に抒情的な曲--(どちらかといえば)シンプルな生活を目指す今の私
には、涙が出そうになるほど大変「甘く」感じた。また伊藤整を読んでみよう。文学
者は「複雑」な心情の持ち主である。(--それが詩となって現れる。)
2.ミュージカル「南太平洋」(指揮;広瀬康夫、ピアノ;細見真理子)
ステージ中央に置かれた1台のピアノ。広瀬さんと細見さんに譜めくりの3人。前奏
とともに水兵帽(?)をかぶったカジュアル・ルックのグリーメンが登場。北村先生の
名編曲「南太平洋」のナンバーを次々と歌っていく。「南太平洋」は1949(昭24)年
の作品である。終戦後にこのような物語(ミュージカル)が生まれていた。広瀬さん
の指揮はよりメロディーに重点を置いたもの、幾人かのソロにも温かい拍手が送ら
れた。
3.「いつからか野に立って」(指揮;本山秀毅--客演)
本山さんは京都市立芸大音楽科卒業。バッハの「専門家」として知られている。今
指揮に審査員に引っ張りだこのようだ。長身で折り目正しいステージマナー。拍を
振らない、やや膝を使った、見事な指揮振りである。ハーモニーの作り方がうまい
のは関西の伝統なのであろう。バッハでいえば、リヒターというよりはリリングで
あろうか。(リリンクは本山さんの先生でもある。)
アンコールには「心の四季」より第1曲「風が」がカラヤンばりの美しいレガート奏法
で歌われた。(--俗にいえば全国コンクール入賞間違いなし。)本当にうまい。し
かし、私にはそれ以上のものであってほしかった。(このあたりもロマン派よりもバッ
ハに近いのかしらん。)
4.E.Desderi「戦時のミサ」(指揮;広瀬康夫)(新月会合同ステージ)
現役、OBが入りまじって入場。左右5段、中央6段、100人を超えていよう。アタッカ
で、地味だが、玄人好みかキッチリと歌い上げられた。クレッシェンド、デクレッシェン
ドはいつ聴いてもすばらしい。
プログラムp8ミサ曲の説明(--どなたも読まない?(笑))は、分かりやすく大変
勉強になった!
アンコールは、英語の宗教曲?一言でいって大変よかった。ブラーボッ!なんとい
う曲かしらん?
学生指揮者にバトンタッチされた「ウ・ボイ」はこれぞ関学。リズム感たっぷり、何回
聴いてもうまい!
終演後、関学グリーOBのMさんは「あれっ、オンステしなかったの?」と声を掛けられ
ていた。
大田区民ホール・アプリコ
大ホールのステージ
サイタルを聴いた。学生指揮者のほか林雄一郎、北村協一、広瀬康夫、太田務先生
による感動的なステージだった。林先生のはんなりとした「ペーチカ」は忘れられ
ない。
2月11日(木・祝)、大田区民ホール・アプリコ大ホールで関学グリーリサイタルを聴
いた。今回も10年前と同様、チケットは関学グリーOBのMさんにお世話になった。あ
れから「もう」10年である。その間、関学グリーは平成16(2004)年には林先生、平成
18(2006)年には北村先生をなくした。いずれもつい先日のことのように思われる。
大田区民ホール・アプリコは平成10(1998)年に竣工した、定員1500人弱のクラシッ
ク・ホールである。たしかここで聴くのは初めてではないかしらん。
<プログラム>
1.「吹雪の街を」(学生指揮;隈 寛昭)
2.ミュージカル「南太平洋」(指揮;広瀬康夫、ピアノ;細見真理子)
3.「いつからか野に立って」(指揮;本山秀毅--客演)
4.E.Desderi「戦時のミサ」(指揮;広瀬康夫)(新月会合同ステージ)
午後2時過ぎ、緞帳(どんちょう)のないステージ、下手から一列にメンバーが入場し
てきた。寒い中の遠征、ようこそ東京へ!温かい拍手で迎えられる。4段、55人(以
上)による「A Song for Kwansei」から始まった。関学グリーも一時メンバーが40人
くらいになったことがあったが、「A Song for Kwansei」は柔らかな曲だけに55人い
るとハーモニーの厚みがあってよかった。メンバーが増えつつあり、今後が楽しみだ。
ちなみに「A Song for Kwansei」は昭和24(1949)年学院創立60周年を記念して作ら
れた校歌である。
1.「吹雪の街を」(学生指揮;隈 寛昭)
学生指揮者によるステージ。「吹雪の街を」は伊藤整作詩、多田武彦作曲。同じ伊
藤作詩多田作曲の「雪明りの路」から20年後、小樽商大グリークラブ創部60周年
記念に委嘱されたものである。第1曲「忍路」から終曲「吹雪の街を」まで、20歳前
後の思い出が春夏秋冬に並べられている。
第1ステージということもあって、第1曲は一瞬硬くなった入りかと思ったが、すぐに
練習のペースを取り戻したようだった。1曲目と2曲目は一瞬のポーズの後、アタッ
カで続けられた。第3曲「夏になれば」のソロはやや疲れ気味(?)の声だったが、
明るい発声で歌い上げ、拍手が起きた。
指揮者の隈さんは、3回生から指揮していたようだが、さすが関学、「夜の霰(あら
れ)」などのリズム感もよく、安定した(--反面パッションはやや抑えた。)見事な
曲作りだった。
抒情的な詩に抒情的な曲--(どちらかといえば)シンプルな生活を目指す今の私
には、涙が出そうになるほど大変「甘く」感じた。また伊藤整を読んでみよう。文学
者は「複雑」な心情の持ち主である。(--それが詩となって現れる。)
2.ミュージカル「南太平洋」(指揮;広瀬康夫、ピアノ;細見真理子)
ステージ中央に置かれた1台のピアノ。広瀬さんと細見さんに譜めくりの3人。前奏
とともに水兵帽(?)をかぶったカジュアル・ルックのグリーメンが登場。北村先生の
名編曲「南太平洋」のナンバーを次々と歌っていく。「南太平洋」は1949(昭24)年
の作品である。終戦後にこのような物語(ミュージカル)が生まれていた。広瀬さん
の指揮はよりメロディーに重点を置いたもの、幾人かのソロにも温かい拍手が送ら
れた。
3.「いつからか野に立って」(指揮;本山秀毅--客演)
本山さんは京都市立芸大音楽科卒業。バッハの「専門家」として知られている。今
指揮に審査員に引っ張りだこのようだ。長身で折り目正しいステージマナー。拍を
振らない、やや膝を使った、見事な指揮振りである。ハーモニーの作り方がうまい
のは関西の伝統なのであろう。バッハでいえば、リヒターというよりはリリングで
あろうか。(リリンクは本山さんの先生でもある。)
アンコールには「心の四季」より第1曲「風が」がカラヤンばりの美しいレガート奏法
で歌われた。(--俗にいえば全国コンクール入賞間違いなし。)本当にうまい。し
かし、私にはそれ以上のものであってほしかった。(このあたりもロマン派よりもバッ
ハに近いのかしらん。)
4.E.Desderi「戦時のミサ」(指揮;広瀬康夫)(新月会合同ステージ)
現役、OBが入りまじって入場。左右5段、中央6段、100人を超えていよう。アタッカ
で、地味だが、玄人好みかキッチリと歌い上げられた。クレッシェンド、デクレッシェン
ドはいつ聴いてもすばらしい。
プログラムp8ミサ曲の説明(--どなたも読まない?(笑))は、分かりやすく大変
勉強になった!
アンコールは、英語の宗教曲?一言でいって大変よかった。ブラーボッ!なんとい
う曲かしらん?
学生指揮者にバトンタッチされた「ウ・ボイ」はこれぞ関学。リズム感たっぷり、何回
聴いてもうまい!
終演後、関学グリーOBのMさんは「あれっ、オンステしなかったの?」と声を掛けられ
ていた。
大田区民ホール・アプリコ
大ホールのステージ
「夏になれば」のテナーソロはどなたなんでしょう?とろけそうに甘い声です。(平成4年-1992年の録音)
人数はどうしても80人はほしいですね~。
大学合唱団--①なぜW大グリー(男声)は人数が多いのか?②なぜR大やH大の混声は人数が多いのか?③なぜオーケストラは人数が多いのか?④付属校からの入部率はどうなのか?等々多面的に原因分析をブレーンストーミングする必要があるでしょう。
それにしても、今の大学生はずいぶん勉強する(させられる)ようですね~。
OBMSANにつられて真面目なコメントになってしまいました(笑)。