平成17('05)年に読んでおもしろかった本が2冊ある。その内の1冊、松原久子
『驕(おご)れる白人と闘うための日本近代史』が文春文庫から発売された。
(9月1日刊)
本書は松原久子著とあるが、田中敏氏の翻訳である。原書は独語で約20年前の平成
元('89)年にミュンヘンで出版され、大きな話題となったという。
著者略歴には、「1958年国際基督教大学卒業後、米国ペンシルヴェニア州立大学院
舞台芸術科にて修士号取得。1970年西独ゲッティンゲン大学院にて日欧比較文化史
で博士号取得。1987年より米カリフォルニア州に移住」とある。おそらく70歳は超
えておられるだろう。
文藝春秋社はあえて過激なタイトルを付けているが、原題は『宇宙船日本』となっ
ており、「江戸時代の農民は欧州の農奴ではない」といった文明論、比較文化史と
もなっている。
ドイツのテレビで毎週5カ国の代表による討論番組で、著者がレギュラーとして出
演した折、ドイツ代表が、日本軍がアジア諸国で犯した蛮行(それは否定できない
が。)をホロコーストと同一視し、日本を攻撃非難した。著者は応戦し、ホロコー
ストは民族絶滅を目的とした国策であって、戦争とは無関係の殺戮であること、そ
ういう発想は日本人にはないと反論した。
すると番組終了後、ケルン駅で電車を待っていると、ドイツの中年女性が近づいて
きて、「我々のテレビで我々の悪口を言う者は日本へ帰れ」と言うなり、著者の顔
に平手打ちをくらわしたという。
著者は次のテレビ出演の際、平手打ちされたことを話し「ドイツには言論の自由が
ないから、身を守るため沈黙する」と宣言した。すると放送中から多数の電話がか
かり、花束がお見舞いとしてたくさん送られてきたという。「あなたの言うことは
腹立たしい。でも本当だから仕方ない」というカードも付いていたという。
日本人のよさは、謙虚であり、相手の立場を考え、主張も穏やかであるところであ
る。この点はこれからも大切にして行かなければならない。しかし、それはややも
すると短所にもなる。「無礼な者には無礼に」断固として主張しなければ、「泣き
寝入り」となってしまうのである。
『驕(おご)れる白人と闘うための日本近代史』が文春文庫から発売された。
(9月1日刊)
本書は松原久子著とあるが、田中敏氏の翻訳である。原書は独語で約20年前の平成
元('89)年にミュンヘンで出版され、大きな話題となったという。
著者略歴には、「1958年国際基督教大学卒業後、米国ペンシルヴェニア州立大学院
舞台芸術科にて修士号取得。1970年西独ゲッティンゲン大学院にて日欧比較文化史
で博士号取得。1987年より米カリフォルニア州に移住」とある。おそらく70歳は超
えておられるだろう。
文藝春秋社はあえて過激なタイトルを付けているが、原題は『宇宙船日本』となっ
ており、「江戸時代の農民は欧州の農奴ではない」といった文明論、比較文化史と
もなっている。
ドイツのテレビで毎週5カ国の代表による討論番組で、著者がレギュラーとして出
演した折、ドイツ代表が、日本軍がアジア諸国で犯した蛮行(それは否定できない
が。)をホロコーストと同一視し、日本を攻撃非難した。著者は応戦し、ホロコー
ストは民族絶滅を目的とした国策であって、戦争とは無関係の殺戮であること、そ
ういう発想は日本人にはないと反論した。
すると番組終了後、ケルン駅で電車を待っていると、ドイツの中年女性が近づいて
きて、「我々のテレビで我々の悪口を言う者は日本へ帰れ」と言うなり、著者の顔
に平手打ちをくらわしたという。
著者は次のテレビ出演の際、平手打ちされたことを話し「ドイツには言論の自由が
ないから、身を守るため沈黙する」と宣言した。すると放送中から多数の電話がか
かり、花束がお見舞いとしてたくさん送られてきたという。「あなたの言うことは
腹立たしい。でも本当だから仕方ない」というカードも付いていたという。
日本人のよさは、謙虚であり、相手の立場を考え、主張も穏やかであるところであ
る。この点はこれからも大切にして行かなければならない。しかし、それはややも
すると短所にもなる。「無礼な者には無礼に」断固として主張しなければ、「泣き
寝入り」となってしまうのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます