小野俊哉『V9巨人のデータ分析』（光文社新書）

巨人（読売ジャイアンツ）のＶ9時代は少なくとも、何を隠そう、巨人の大ファン
だった。ペナント・レース、日本シリーズを通じて、今でも印象に残っているシー
ンが多い。バッキー荒川乱闘事件（S43年）。阪急捕手岡村のブロックをくぐった
名手土井のホームイン（S44年）。阪神のセンター池田の落球事件（S48年）等々。

団塊の世代向けかしらん。『V9巨人のデータ分析－－全1192試合』という本が出
た。著者は、スポーツ評論家と思いきや、味の素、住金のサラリーマンを経て、平
成15（2003）年にスポーツ・アクセス社を設立。スポーツの記録と選手の活躍を分
析、各メディア、メジャー球団に提供している方である。

ＯＮのホームランは勝利に貢献したか？
長嶋はチャンスに強かったか？
巨人は左投手に弱かったか？
などをデータ的に検証している。


V9時代を築いた「闘士」は川上、長嶋、王などは「健在」だが、参謀牧野は早くに
亡くなった。土井正三はすい臓がんの手術を受け、自宅療養中である。（→今年、
1月にＴＶでがんと闘う土井のドキュメンタリーが放送された。ご覧になった方も
おられるでしょう。）