人生ブンダバー

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東響 東京オペラシティシリーズ第50回

2009-07-11 08:02:32 | 音楽
7月5日(日)、2ヶ月に一度開催の東響、東京オペラシティシリーズが2時から開催
された。会場の入りは90%弱(1階がすいているのはどこも同じ傾向)。
2時4分オーケストラが入場。最後の当日のコンサート・マスター大谷康子氏が拍手
に迎えられて入った。


<プログラム>
1.チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
--休憩--
2.ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
3.R.シュトラウス 「ばらの騎士」組曲
指揮;サッシャ・ゲッツェル
ピアノ;アレクサンダー・カヴリリュク

指揮者S.ゲッツェルはウィーン生まれ。ウィーン・フィルのヴァイオリン奏者から
指揮者に転向。推定30代の若手指揮者である。長髪のすそが巻き上げてあった。

ピアニストのA.ガヴリリュクはウクライナ生れの25歳。16歳で浜松国際ピアノコン
クール優勝、「20世紀後半最高の16歳」と絶賛されている。指揮者ともに身長は
175cm超。


1.
この日は、ガヴリリュクのチャイ・コンが圧巻だった。
第1楽章、おなじみホルンの強奏からして何か起きる予感がただよう。ガウリリュ
クのピアノが入ってくるや、楽譜に書けない、その「響きと粘り」にたちまちにし
てひきつけられる。曲想が次々に変化する中、入魂の演奏が続く。
第2楽章の前半アンダンティーノも、ガウリリュクの表情がゆがみ、微妙に「伸び
たり縮んだり」がなんともいえずロマンティーク。フルート、チェロ、オーボエな
どのソロも好調。
そしてアレグロ・コン・フォーコの第3楽章。最後になだれ込んだアレグロ・ヴィ
ヴォのコーダは、ピアノが先かオケが先か両者無我夢中の中、極限まで盛り上が
り、終わるやいなや、ガウリリュクが飛び跳ねてゲッツェルに抱き付き、二人はし
っかと抱き合った。その瞬間、興奮した会場からは一斉にブラボーが沸き起こっ
た。私も大きなブラボーを叫んだことはいうまでもない。東響を聴き始めて1年以
上になるが、ここまでの「ブラボーの嵐」は初めてだった。コン・マスの大谷さん
も大喜びで片手の拍手。このような演奏に出会えるのは本当にしあわせである。
ガウリリュクが、何回目のコールののち、ピアノに向かうと一瞬にして静寂に。超
絶技巧のアンコール(「くまんばちの飛行」)が演奏された。

2.
「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲」と「愛の死」もよかった。前奏曲におけ
るいわゆるトリスタン和声--半音階と不協和音、無限旋律のすばらしさ!(C.ク
ライバー/ドレスデンを聴こう!)深い呼吸だった。「愛の死」に入り、終盤の、
徐々に徐々にクレッシェンドする部分には、なんと表現したらいいのだろう、ひき
つけられた。dim.に乗ったハープも美しかった!

3.
「ばらの騎士」組曲は、ゲッツェルが入場するやさっと始まった。始まって10秒も
しないうちにR.シュトラウスの世界が広がる。銀のばらを献呈する場面、愛の二重
唱、ワルツが続くウィーン情緒。ひっかかる三拍子。ゲッツェルはいい意味でやり
たい放題。ライヴらしい(--おかしな表現だが。)演奏だった。終演後は、ホル
ン、オーボエ、フルート・・・・・・と立たされた。

拍手が続く中、これでおしまいと思ったら、定期演奏会には珍しく、アンコールが
演奏された。ゲッツェルいわく「アナザー・シュトラウス。ドント・ウォリー」。
ヨゼフ・シュトラウス「憂いもなく」が演奏された。ゲッツェルの十八番かしら
ん、暗譜で指揮台を動き回っていた。(終演;4:05)






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