シェークスピアは16世紀後半から17世紀初期の人である。それは、日本ではだいた
い信長、秀吉、家康の時代にあたる。そのシェークスピアが15世紀の英国--つま
りシェークスピアが生きた時からざっと100年前の時代を背景に描いた史劇が『ヘ
ンリー六世』である。第1部「百年戦争」、第2部「敗北と混乱」、第3部「薔薇戦
争」の三部作からなる。
三部作すべてを上演すると9時間になるという大作が、今新国立劇場中劇場で鵜山
仁の演出の下上演中である。三部作一挙上演は、日本では昭和56(1981)年以来28
年ぶりになるという。10月には新聞各紙で取り上げられていたので、お読みになら
れた方もあっただろう。
鵜山さんはブログでも「鵜山紀行」としてこの劇を紹介しておられる。→こちら
10月29日(木)、『ヘンリー六世』第3部「薔薇戦争」の初日を観た。私自身は、
今までシェークスピア原作のオペラ(--『マクベス』など)は観たことはあった
が、シェークスピア劇を観たのは初めてである。
『ヘンリー六世』(翻訳)は無論読んだことはなかった。あらすじを読んで臨んだ
が、それだけではいまひとつピンと来なかったものの、実際に劇を観ているうちに
シェークスピアの世界にどんどん引き込まれていった。
俳優では、ヘンリー六世の浦井健治、マーガレットの中嶋朋子、リチャードの岡本
健一等々いい味をだしていた。後から気づいたのだが、おもしろいのは、全キャス
トが三部すべてに出演する。すなわち第2部で死んでしまう配役でも、第3部でなん
らかの(目立たない役で)出演するのである。これによって、俳優は第1部から第3
部まで出演し、自ら通しの流れを体験できるのではないかしらん。
休憩中のは、ロビーで「演出家」と(そして奥様と別々に)お会いしたが、業界風
の方とお話されていたので、遠慮して手だけあげておいた。(こういうときは私人
としてどうも遠慮してしまう。)
開演は6:30(実際は6:35)、休憩15分をはさみ終演は9:55。ワーグナーのオペラ並
みの長さで、終わっても別世界にいるようだった。
公演は、11/23(月・祝)まで。(当日は通し公演)
オペラシティのCASAにて
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