演出家鵜山仁(うやまひとし)さんとの「お付き合い」は、鵜山さんが慶應・文学
部に合格し、ワグネルのTopテノールに入部して以来だからもう41年になるの
かしらん。
私は観劇についてはさほど熱心なファンではないが、それでも鵜山さんの演出
したものについてはいくつか鑑賞しており、オペラ等を含め、思いつくままに数え
上げれば、両手の指を折ることができるだろう。(注)
(注)『オズの魔法使い』、『おばかさんの夕食会』(1999)、 『オスカー』(2002/
12)、『缶詰』、『父と暮せば』、『ラ・ボエーム』(2006/2)、『ナクソス島のアリア
ドネ』(2008/6)、『オットーと呼ばれる日本人』(2008/6)、『兄おとうと』(2009
/8)、『ヘンリー六世』(2009/11)、『鹿鳴館』(2010/6)、 『イロアセル』(2011
/11) 書き漏れはないかな~。
11月16日(金) 下北沢の本多劇場で鵜山さん演出の『バカのカベ』を観た。下
北沢は会社から約30分。家内と待ち合わせ、夕食後本多劇場へ。
定食屋さん 松菊
キンキの煮つけで夕食 おいしかった~
プログラムを読んで知ったが、原作は『おばかさんの夕食会』(陣内孝則主演)
と同じだった。『おばかさんの夕食会』は、私がインターフェロン治療をしていた、
10年以上前にワグネルの友人と観たもので細部は忘れてしまっていたが、と
にかく大笑いしたことを覚えている。今回は加藤健一事務所が風間杜夫、加
藤健一30年ぶりの共演と銘打ち、同じく鵜山さんの訳・演出で公演することに
なった。
本多劇場入口
原作『LE DINER DE CONS』は1998年に舞台劇として書かれた。1999
年に映画化され、ヨーロッパ全土で1000万人以上の観客を動員している。日
本でも邦題『奇人たちの晩餐会』として公開された。
午後7時、下手の客席で女性(--加藤健一事務所の人かな?)がご挨拶、
プログラムの販売案内、携帯電話等のご注意など。間と滑舌が大変よかった。
プログラム500円
配役
ピエール(出版社経営);風間杜夫
フランソワ(招待客、国税庁勤務);加藤健一
ルブラン(ピエールの友人);新井康弘
シュバル(国税庁査察官);清水明彦(文学座)
アルシャンボー(接骨医);西川浩幸(演劇集団キャラメルボックス)
クリスティーヌ(ピエールの妻);日下由美
マルレーヌ(ピエールの浮気相手);加藤 忍
(声の出演)平田 満
作;フランシス・ヴェベール
訳・演出;鵜山 仁
製作;加藤健一事務所
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(以下チラシより)
風間杜夫と加藤健一が30年振りに共演!!
プラス、声だけの出演ながら、平田満も登場!
それに加えて、個性豊かな共演者達がずら--っと勢揃い。
カトケンワールドが自信を持っておおくりする、
今年最後の大爆笑コメディ!!どうぞご期待下さい。
風間杜夫と加藤健一が舞台で激突!
演出は今、最高に脂がのっている鵜山仁!!
このチームなら、面白くないワケがないっ!!
STORY [ ]内は私の補足
パリのおしゃれなマンションに暮らすピエール(風間杜夫)には、一風変わった
習慣があった。
週に一度、これぞ!!と思う「バカ」をパーティーに連れて来て、その本人には
主旨を秘密にして、友人たちと「バカ」を笑い者にして楽しむという、かなり悪~
い趣味だ。
今夜のパーティーのゲストは、フランソワ(加藤健一)という、超ド級の税務署
勤めの変り者。しかし、パーティーを前にして、ピエールが突然ギックリ腰にな
ってしまい、家から出られない事態に・・・・。
[ピエールの妻は、そんなパーティーを開くピエールににあきれて家を出て行っ
てしまう。]
そこへやって来たフランソワは、ピエールの窮地を助けようと試みるが、やる
ことなすこと、すべてが裏目に出てしまい--。
[ピエールの浮気相手、友人、国税庁査察官もからみ、フランソワの行為にド
タバタとなる。]
----------------------------------------------
最後の最後になってしんみりとした場面になり、ジ~ンとさせられるのだが
・・・・・・。
リクツなしに抱腹絶倒、それでいて何か考えさせられるお芝居だった。電話を
かけるシーンでは、スピーカー機能で平田満さんの声(だけ)が登場した。
風間さんと加藤さんは、私の一つ上の丑年の生まれ、ともに63歳である。お
二人とも若い時からつかこうへい事務所の作品に出演していただけあって、
息がピッタリだった。
脇を固める人たちも役になりきる演技を見せてくれた。クラシックの歌手の世
界では30代はまだまだ若手であるが、演劇の世界でも永年コツコツと努力さ
れた方が活躍されているのではないかしらん。
休憩時間には鵜山ご夫妻と世間話。お互いの、それなりの元気を確認した時
間だった。
--プログラムの鵜山さんの言葉--
選りすぐりのバカをゲストに呼んで、そいつをみんなでバカにするという「火
曜日の夕食会」。そこに招待される資格の第一は、人並み外れて風変わりな
趣味を持ち、またその趣味に対して人並みはずれた執着を持つことらしい。
この「趣味」という言葉を「仕事」、あるいは「人生」という言葉に置き換える
と、実は我々、誰でもこの夕食会に招かれる可能性があるんじゃないかと思
えてくる。
(中略)
笑っている方だって、笑われている方に負けない「バカ」なのだから。
鵜山さんは常に、観念的な言葉を使わず、やさしいそれで「生き方をちょっと
見直す」ことを教えてくれる。
風間さん、加藤さんへのお花
上演期間;2012年11月15日(木)~12月2日(日)
※11月18日付「産経新聞」p10にも記事として取り上げられている。
鵜山さん演出の今後の公演
2013/1/30~2/11 下北沢OFF・OFFシアター
2013/3/8~24 下北沢・本多劇場
2013/4/4~28 赤坂RED/THEATER
* * * *
11月15日(木) 62回目の誕生日。会社での会話--社員のお父さんより
10歳年上だと知ってショックを受ける。私の父は61歳6か月で心筋梗塞で
亡くなったので、それより長生きしたことになる。
たまプラーザのスペイン居酒屋 La prendo でバースデー・ディナー。(お店
で「ハッピーバースデイ」を歌われなくてよかった。)お値段はリーズナブルな
り。ちなみに11月15日は坂本竜馬の誕生日であり、命日でもある(旧暦)。
魚介のマリネ エビのアヒージョ(オリーブオイル煮)
ボージョレ・ヌーボーの解禁日だった。
「ボージョレの白」を注文してしまった(笑)。おばかさんの夕食会?
パエリアのおにぎり
11月18日(日) ザルツブルク旅行でご一緒したTさんからお便りとともに市民
農園でお作りになった野菜(下の写真)が送られてきた。その後もお元気なよう
で何よりだ。農作物は毎日手入れをしないといけないから大変でしたでしょう。
有難うございました。
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