先日の「コバケンが振る稲門グリー演奏会」に刺激され、G.マー
ラーの「さすらう若人の歌」をいくつか聴いた。
G.マーラー(1860-1911)の「さすらう若人の歌」は、言うまで
もなく、失恋の歌だ。
マーラーは、カッセル歌劇場のアシスタント時代の失恋経験をも
とに、この曲を作詩、作曲した(24歳の時)。
失恋した(片思い?)歌手の名前は--ソプラノのヨハンナ・リ
ヒター(1858-1943)だ(リヒターさんも知らぬ間にこの曲を作
られて、もしかしたらいい迷惑だった?)。
マーラーより年長であった。
左から
1.D.フィッシャー=ディースカウ/フルトヴェングラー/フィルハーモニア管弦楽団(1952)
「名盤中の名盤」。D.F=Dは録音時27歳。発声よし、発音よし、歌い方よし。
フルトヴェングラーとの一期一会。
2.D.フィッシャー=ディースカウ/L.バーンスタイン(pf.)(1968)
バーンスタインのピアノがすばらしい。D.F=Dは43歳と脂が乗っている。
3.アンネ・ソフィー・フォン・オッター/J.E.ガーディナー/北ドイツ放送交響楽団(1993)
ガーディナーとともにどちらかというと理知的、知性的な演奏。好む人もいるだろう。
4.クリスティアン・ゲルハーヘル/G.フーバー(pf.)(2009)
「現代の名盤」。フーバーは伴奏らしい伴奏?
5.小松英典/C.ガーベン/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団(1995)
小松さん40代の名唱。持っていてもソンはしない。
6.畑中良輔/三浦洋一/慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(1974)
福永陽一郎先生の男声合唱編曲版。
ワグネル男声第99回定演プログラム(1974)への畑中先生の寄稿
<卒業生たちへ>(抜粋)
卒業する君たちは、一応「音楽する」ことから離れるだろう。しかし、この四
年間に培って来た「音楽する心」は、消えはしない。いや、消してはならない
ものだ。また数年で消えるようには、ぼくは君たちを指導しなかったつもりだ。
・・・・・・日常性への埋没が、やがて君たちを待ち受けている。しかし、ワグネリ
アンは、そこに埋没してしまってはワグネリアンではないのだ。
畑中先生には、定演後のパーティーで、サインをいただこうと、プログラムを
差し出した私を一瞥し、万年筆でさらさらと書いていただいた。
・・・君
五年!!心からの音楽を作って来ましたね。
君にはいろいろお世話になりました。
畑中良輔 定演の日
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