1月10日(月・祝)、第146回慶應ワグネル男声合唱団の定演を聴
く(於東京芸術劇場)。
渋谷から埼京線で池袋へ。埼京線だと渋谷から二駅だ。
東京芸術劇場の1階で、先輩のH野さんとすれ違う。
「あ、ご無沙汰してます。お元気ですか?」
「相変わらず~」
全然お変わりない。
大ホールで三田会幹事の出迎えを受ける(私を待っているわけで
はないが)。
すぐ前に、高校の先輩のT木さんが来ておられた。T木さんは、
いつもどおり表情を崩さず、
「あ、どうも」
ホールロビーでI井田さんを見つけ、録画をお願いした「ブロム
シュテットN響定期」をいただく。お礼にクレンペラーとブーレ
ーズのマーラーのCDをお渡しする。
早めに着いて、プログラムの予習をする。
伊藤公平塾長、高橋宣也部長、澤口雅昭三田会会長のご挨拶を読
む。お三方ともに新任だ。
開演前に、OB合唱団責任者S野さんと会話。
「(新型コロナは)どうなりますかね~」
「そうね~、ウィズ・コロナで行けるのかしらん・・・・・・」
一寸先は闇?
個人的に、「思い出話」として、振り返ってみると、私がワグネ
ルに入ったのは、当時の責任者(4年)の長島さんが「新入生を
迎えて100人にしたい」と言っていた頃だ。私が4年になった時は
70人前後だった(厳密には71人)。
卒業して50年近くなる(数回を除き、定演には通い続けている)
が、それ以前もその間も、メンバーは増減があった(このあたり
は前三田会会長吉川さんが詳しい)。
卒業50年近く!私から見れば、50年の先輩となると、明治生まれ
の方々(おじいさん)ということになるのだから驚きだ。
(私から見た、それほどの先輩は、昭和2年卒のM浦さんになる!?)
当時(往時)のOB合唱団も皆さん若かった!
今回は登録メンバーが51人。
オンステメンバーはステージによって多少違うが、45人前後かし
らん。
<プログラムメンバー>
Top | Sec. | Bari. | Bass | 計 | |
4年 | 3 | 3 | 3 | 2 | 11 |
3年 | 2 | 6 | 6 | 4 | 18 |
2年 | 4 | 2 | 3 | 2 | 11 |
1年 | 3 | 2 | 2 | 4 | 11 |
計 | 12 | 13 | 14 | 12 | 51 |
<プログラム>
慶應義塾塾歌
作詞:富田正文、作曲:信時潔
1.『クレーの絵本 第2集』
作詩:谷川俊太郎、作曲:三善晃
指揮:浜田広志
2.『Cole Porter Song Album』
作詞、作曲:Cole Porter、編曲:前田勝則
指揮:佐藤正浩、Pf.:前田勝則、Sop.:藤谷佳奈枝
3.『Paul Hindemith-A Composer's World in His Works for Male
Chorus-』
作詩:B. Brecht他、作曲:P. Hindemith
指揮:田中裕大(学生指揮者)
--休憩(20分)--
4.<創立120周年記念委嘱初演>
『愛のうた-光太郎・智恵子-』男声合唱とフルート、クラリ
ネット、弦楽オーケストラのために
作詩:高村光太郎、作曲:新実徳英
指揮:佐藤正浩、管弦楽:ザ・オペラ・バンド
以下、いつもながらつたない、私なりの「寸評」を・・・・・・。
5時55分に1ベル(チャイム)、会場が静粛になる。
座席はすべて一つ置きだ(新型コロナ対策として、座席を「一つ
置き」にしたことも、よかったのでは。1階客席の前3列は空席に
している)。
定刻6時に2ベル。
慶應義塾塾歌
作詞:富田正文、作曲:信時潔
6時過ぎに、45人ほどがワグネルブレザー、マスク姿で登場。温
かい拍手で迎えられる。定位置に立った者からマスクをはずす
(このルーティーンは、その後、各ステージとも同じだった)。
ややゆっくりめの「塾歌」。大きな力みもなく、なかなか重厚だ
った。
1.『クレーの絵本 第2集』
作詩:谷川俊太郎、作曲:三善晃
指揮:浜田広志
浜田先生のプロフィール(例)は→こちら。ワグネルでは学生指
揮者の指導でもお世話になっているという。
長身でスマートな体型。指揮棒を持たない、大きな指揮ぶり。
ア・カペラの曲を最初の音取りから、全曲続けて演奏された。
楽譜は見たことはないが、メロディーはそう難しくない。メロディ
ー以外とバランスを取り、ある種の和音を作る「三善晃の世界」
がやや難しいのかしらん。--一般に、歌う方は聴く方より「勉
強」している。
すべて、若々しく、いい発声ということもあるだろうが、言葉さ
ばきよろしく、言葉がよく聴き取れた。
2.『Cole Porter Song Album』
作詞、作曲:Cole Porter、編曲:前田勝則
指揮:佐藤正浩、Pf.:前田勝則、Sop.:藤谷佳奈枝
ピアノが中央へ。お二人の先生は黒のシャツに黒ズボンスタイル
で登場。コール・ポーター(1891-1964)は、アメリカのミュー
ジカル、映画音楽の作曲家。今回は前田先生の編曲によるものだ。
佐藤先生は指揮棒を使った大きな指揮。
英語の歌詞はさほど難しくなく、編曲も凝り過ぎず、発音も「雰
囲気」もよく、「音符に書けない表現」もすばらしかった。
3曲目「Night & Day」、4曲目「Love for Sale」には赤いドレスの
藤谷さんがソリストとして登場。表情たっぷりに身体が動く。ホ
ールに響き渡る声量だ。
終曲では前田先生が細かな音符で活躍。終曲が終わると同時に、
佐藤先生が指揮台を上手方向に飛び降りた。
3.『Paul Hindemith-A Composer's World in His Works for Male
Chorus-』
作詩:B. Brecht他、作曲:P. Hindemith
指揮:田中裕大(学生指揮者)
長身の学生指揮者田中さんによる、ヒンデミット(1895-1953)
の男声合唱曲。ヒンデミットは、第一次世界大戦後の登場、新即
物主義の音楽だ。したがって、反ロマン主義、反ワーグナーとい
うことになる。
ここまで来て、P.クレー、C.ポーター、P.ヒンデミットは、20世紀
前半のほぼ同じ「時代」を生きたことに気づいた。
私はヒンデミットの男声合唱曲を聴くのが初めてだった(CDも
ほとんどない?)が、興味深く鑑賞した。
新即物主義だから、楽譜どおりにきっちり演奏すればいいのかし
らん。
因みにヒンデミットはナチスに排斥され、国外へ脱出したが、非
ユダヤ人だ(1934年ヒンデミット事件)。
田中さんのややおどおどしたステージマナーが学生らしく、微笑
ましかった。
--休憩(20分)--
休憩で昔の仲間とマスク姿で談笑。昔の仲間と会うと、いつもくだらない冗談を
言ってしまい、後で反省しきりである。
トイレでH池先輩の肩を叩いたら、「しゃべらないっ」と一言言って、消えてし
まった。
I東ご夫妻は名古屋からそろって上京(それだけの価値あり)。
4.<創立120周年記念委嘱初演>
『愛のうた-光太郎・智恵子-』男声合唱とフルート、クラリ
ネット、弦楽オーケストラのために
作詩:高村光太郎、作曲:新実徳英
指揮:佐藤正浩、管弦楽:ザ・オペラ・バンド
創立120周年記念の委嘱作品であり、むろん初演である。オケ付き
の男声合唱は画期的なことと言えるかしらん。
(新実先生の『祈りの虹』は、畑中先生と佐藤先生のワグネルで聴いている。)
事前にオケの規模、編成に興味を持っていたが、8型の弦楽五部
(8-6-4-6-3)にフルート1、クラリネット1という編成。
合唱とのバランスも、(いささか心配したが)よく、歌詩も大変
よく聴き取れた。
ざっと数えて48人くらいかしらん、ほぼフルメンバー、多くの人
がオンステしていた。
タイトルは「愛のうた」だが、ちょっと想像したロマンチックな、
甘いものではなく(想像するのが間違い?)、光太郎と智恵子の、
「純粋な愛」と「悲しみ」の曲だ。フルートとクラリネットも哀
愁を誘う。
30分を超える大曲だが、さほど長いとは感じなかった。
参考:アバウトなタイミング、ちょっとしたメモランダムなど
(1)「山麓の二人」6分。弦楽五部による伴奏。出だしから暗い。
(2)「千鳥と遊ぶ智恵子」6分。フルート、クラリネットが加わる。
「うしろ姿が ぽつんと見える」にハッとした。
(3)「値ひがたき智恵子」3分。弦のトレモロ(これ以外にもさまざ
まな奏法が織り込まれている)。歌詩がよく聴き取れる。
間奏曲-悲しみの淵へ-4分。歌詩がなく、後半に突然のヴォーカ
リーズ。
(4)「レモン哀歌」8分。悲しい詩と曲。
(5)「元素智恵子」6分。最後の歌詩:「元素智恵子は今でもなほ
わたくしの肉に居てわたくしに笑ふ」がとくに印象的だった。
計34分
プログラムのp.13、歌詩ページ「Ⅴ.元素千恵子」は誤植?
まったくの余談だが:プログラム冊子を作るのは、原稿依頼から校正まで大変な
作業だ。予算等いろいろな事情があるのはよく理解できるが、p14~16の先生の
プロフィールのページなど、客観的に言って、フォントが小さすぎたかもしれな
い・・・・・・(笑)。(プロフィールのページを増やすとか、フォントを全体で統一
するとかとか、工夫が必要かな?)。
演奏が終わり、佐藤先生から2階席の新実先生のご紹介。
立ち上がった新実先生は、大拍手の中、両手でガッツポーズ。
私も澤口さんと、両手を挙げて大拍手だった。
<アンコール>
佐藤先生は、一度はR.ワーグナーを歌って卒業させてあげたいと、
オケ伴のR.ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」より「夢」。
オリジナルも管弦楽伴奏版?
新実先生と佐藤先生のトーク(7分間)。
新実先生:「もう一度ワグネルの諸君に拍手を」(大きな拍手)
と同時に、マスク姿で再入場。
浜田先生。
『Tonerna』
作詩:Erik Gustaf Geijer、作曲:Carl Leopold Sjöberg
編曲:浜田広志
初めて聴く曲。予備知識もなく、北欧系の言葉かと思って聴いて
いた(帰りの電車でF川さんにそう話した)。終結部が美しい。
学生指揮者田中さん。
『ゆうやけの歌』
作詩:川崎 洋、作曲:湯山 昭
11分間!、デュナーミクの大きな演奏。学生ピアニストも上手。
よく「声」が残っているものだ。
ピアノを下手に下げる間(3分間)も手拍子が続く。
定番のカレッジソング。
1.若き血
2.我ぞ覇者
3.丘の上 2番は最前列の4年生11人が、今年も肩を組まずに。
--4年生は何を思う?4年間、本当にお疲れ様(!)でした。
今年も見事にバトンをつないだ、というか、クレッシェンドして
終えたと言えるだろう。
私が「すばらしい演奏(会)だった」と言っても、私自身、まっ
たく恥ずかしくないものだった。
最後は、再びマスクをして退場に会場から温かい拍手が送られた。
早速、「ワグネル男声」のHPからCDを申し込んだ。
プログラム
プログラム対談「『愛のうた』とワグネルの未来』(新実先生、
佐藤先生ほか)がおもしろかった。
16:09 この日は成人式!おめでとうございます。
16:14 あざみ野
16:26
16:38
16:41 旧東横百貨店
16:42
16:43 少し改装された。
16:47
16:59
17:03 池袋駅南口
17:06 東京芸術劇場は左へ
17:06
17:08 この手前でH野さんとバッタリ
17:09
17:11 大ホール入口
17:12 三田会幹事がお迎え
17:14
17:17
17:38
19:27 休憩中 ドリンクコーナーなしは寂しい。
打ち上げパーティーがないのも残念だが・・・・・・。
20:57 お開き 退場
20:59 分散退場
21:02
21:03
21:09 池袋 帰りは副都心線で
21:22 渋谷
21:31
21:55 あざみ野着
21:57 久しぶりに10時に
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