1月15日(日) 北村協一メモリアルコンサートMISSION(すみだトリフォニーホ
ール)の日。前日、関学OBのMさんにメールを入れたら、オンステしないがちょう
ど上京するとのこと。演奏会前に昼食をご一緒する(つばめグリルでロールキャ
ベツのおじや)。
関学グリーは2月26日に兵庫県立芸術文化センターでリサイタルを開催するが、
2,000席のチケットはすでに完売だそうだ。さすが関学グリー!である。Mさんに
よれば、全日本合唱コンクール金賞が大きいらしい。関西という合唱風土もある
のではないかしらん。
北村協一メモリアルコンサートMISSION
<プログラム>
1.新月会(関学グリーOB)
Spirituals 指揮;山田真也
2.上智グリーOB
多田武彦作品集~委嘱作品から~ 指揮;篠崎新一
3.同志社グリーOB
「水のいのち」から #1、#4、#5
4.立教グリーOB 指揮;前川和之
ブラームス「哀悼歌Op.82」
5.合同演奏
デュオーパ「MESSE SOLENNELLE-荘厳ミサ-」 指揮;太田 務
新日本フィルでは1階が指定席だが、当日は3F-3-1で聴いた。(--このホ
ールは客席の3階に行くにはエレベータで「5階」に行かなければならない。階段
で上がると登山の気分。)この席はなかなか音がよかった。合唱には1F後ろより
いいかもしれない。
開演直前、3階10列目くらいで「ピー」という音が発生。ご婦人の携帯電話か防犯
ベルか、鳴りだしたら止まらない。刻々と開演が迫る。係員が飛んできても止まら
ない。とうとう係員が3人集まってきて、ご婦人と携帯電話(?)を外へ退出させた。
<若干の感想> 【 】内は概算人数
1.新月会(関学グリーOB) 【50人】
Spirituals 指揮;山田真也
昨年8月のOB四連(大阪開催)とほぼ同じ曲。ここでも「さすが関学!」、歌うフォ
ームも決まって、本当に上手かった。上手過ぎるとさえいえるかしらん。
指揮の山田さんは関学らしい折り目正しいおじぎをするスマートな方。
2.上智グリーOB 【35人】
多田武彦作品集~委嘱作品から~ 指揮;篠崎新一
個人的には「老雪」(堀口大学)、「遠き山見ゆ」(三好達治)の深い呼吸にひきつ
けられた。
3.同志社グリーOB 【35人】
「水のいのち」から #1、#4、#5
これもOB四連と同じ曲。オーソドックスな、ややゆっくりした演奏で、なかなかよ
かった。
4.立教グリーOB 【30人】
ブラームス「哀悼歌Op.82」
いろいろな意味で難しい曲。人数も少なく、選曲がちょっと「高望み」かなと思った
が、(一部を除き)暗譜でよく歌っていた。
--休憩--
5.合同演奏 【150~160人】
デュオーパ「MESSE SOLENNELLE-荘厳ミサ-」 指揮;太田 務
最初にMCから「北村先生は6年前にお亡くなりになられました。ご存命であれば
傘寿を迎えられます。今日は北村先生のお席をご用意しました。心を込めて歌い
ます」との、お上手なというか、なかなかまねのできない挨拶があった。どなただ
ったのかしらん。
デュオーパのミサ曲全曲。太田氏は暗譜による大きな、ミサらしい、キッチリした
指揮。確信を持って振っていた。MISSION系4大学(*)というバックボーンのあ
る、40分間にわたる演奏は、(譜面持ちではあったが)滅多に聴けないほどに、
本当にすばらしかった。私は真っ先に3階からブラボーを叫んだ。
(*)MISSION系四大学のグリーは協力し合ってネというのが北村協一先生の
「遺言」らしい。ちなみに、私の父と娘は立教出身である。
大きな拍手が続く・・・・・・太田さんが再び構えて・・・・・・アンコール(『遥かな友に』)
が始まった・・・・・・最初の1小節を聴き、こんなにもすばらしい演奏(!)の後に、な
ぜ『遥かな友に』なのかしらん--関西弁でいえば「ナンデヤネン?」という想い
を抱いた。(*)
2番のハミングになると、会場に「ガピー」という、耳をつんざくような大きな音。そ
の後、「みなさん、今日は有難う・・・」という北村先生の(テープの)声が流れた。
「ガピー」という大きな音は音量調節のミスだったのだろうか。
(*)昔、伊藤京子独唱会の演奏会評で畑中良輔先生が「(すばらしい独唱会の
後)どうして(アンコールで)『雪の降るまちを』を歌ったのですか」と書かれた
ことを、突如思い出した。
演奏会は「ピー」で始まり、「ガピー」で終わった。
ちらしとプログラム
すみだトリフォニーホール
3階座席から見たステージ
新日本フィル定期演奏会(第487回)
1月21日(土) 大寒。雨、寒い。新日本フィル第487回定期(すみだトリフォニー
ホール)へ。トリフォニー・シリーズ第2日である。
1時に錦糸町に着き、20分ほどドトールで思索(一服)。1時25分、会場入り。当
日はダニエル・ハーディング登場ということで1階もほぼ満席だった。(一般的に
はC席は完売するが、S、A席は売れ残ることが多いようだ。)
この日のプログラムはマーラーの9番だけ。会場入りすると休憩がないことを盛
んにPRしていた。
私の隣の席はいつも女性のご老人だが、この日は男性のご老人だった。奥様が
風邪をひいてピンチヒッターで来られたのかななどと想像してしまう。
掲示にも出ていたが、係員が携帯電話の電源をお切りくださいと繰り返し呼び掛
けていた。アラン・ギルバート/NYフィルのマーラー9番最終楽章では聴衆の携
帯電話が鳴りだし、とうとう演奏がストップしている(1月10日)。
ステージに目をやると、1stヴァイオリンが下手側、2ndヴァイオリンが上手側の
明らかな対向配置。中央にティンパニが2台。コントラバス、ホルンは下手寄り、
ハープ2台が上手寄りである。
さて、古典的な交響曲(ハイドン、モーツァルト時代)は第1楽章ソナタ形式、第2
楽章緩徐楽章、第3楽章メヌエット、第4楽章ソナタ形式(またはロンド形式)だっ
たが、それは時代とともに「発展」していく。
マーラー(1860年生)はブルックナー(1824年生)の次の世代(年齢差は36歳
違い)である。ブルックナーはワーグナーの影響を受けていたわけだから、ワー
グナー→ブルックナー→マーラーと考えれば、少しは理解しやすいのかもしれな
い。
マーラーの9番にいたっては、第1楽章は自由なソナタ形式、第2楽章レントラー、
第3楽章ロンド形式(ABABCA)、第4楽章Adagioとなっている。--「緩-急-
急-緩」という構成。
<プログラム>
マーラー 交響曲第9番
指揮;ダニエル・ハーディング
コンサートマスター;豊嶋泰嗣
新日本フィルハーモニー交響楽団
第1楽章身長170cmくらいで細身なハーディングは譜面を見つつ、その楽器の出
だしに応じて右を向いたり左を向いたり、こまかく振っていく。--ベートーヴェンの
5番のようなトゥッティーではなく、対位法的な動き。細かなデュナーミクと4拍目の
粘りがすごい。井手さんのホルンが活躍。後半ではテューブラー・ベル(伊藤優さ
ん)という珍しいものも出現する。
第2楽章日本人は2拍子ということは畑中先生に教わったが、農民の踊りであるレ
ントラーは(本来は)ゆっくりした3拍子。(クレンペラーで聴くといかにも「ゆったり」。)
マーラーには伝統として伝わっていたのかしらん。このあたりは調べるとおもしろい
のかもしれない。ハ長調、ホ長調、ヘ長調3つのレントラーが、つまり転調して出て
くる。木管とホルンが活躍だ。
第3楽章にぎやかなアレグロ。マーラーがもがいているようだ。先ほどの伊藤さん、
今度はグロッケン・シュピール(鉄琴)を叩いていた。
第4楽章見事な弦合奏--対向配置のおもしろさを味わった。途中ではなんとか
明るく生きたいという想いも感じられる。じわじわ感動。
最後は死んでいくようにpppで終わったが、いつ終わったのか、見ていても聴いて
いても分からない。ハーディングと弦は、黙とうでもしているかのように終わったか
なと思われる時から1分ほどかたまっていた。ハーディングがそっと手を下すとパ
チパチと拍手が起こり、ブラボーと大きな拍手がどっと来た。
隣のおじいさんから「いや~、これで終わったんだよね」と話しかけられ、「あ、そう
ですね」。1階のお客さまほとんどが珍しく手を頭より高く上げて拍手している。一
人の男性がスタンディング・オベーションとばかり立ち上がったが、後は続かない。
ブラボーが盛んにかかる。そのうち2回は私のもの。ハーディングは真っ先にホル
ンの井手さんを立たせた。木管群、とくにイングリッシュ・ホルンの森さん等も立た
された。
ハーディングは、オーケストラからも盛大な拍手、そして正面を向いて、大きな拍手
を受けたが、どうだ、すごいだろうという「どや顔」をしない。「実るほど頭を垂れる
稲穂かな」という言葉を思い出した。
今年の(私の)ベスト5に入るのは間違いないと思われる、すばらしい演奏だった。
「取材ノート」片手に一服 開演前に心を落ち着ける
すみだトリフォニー正面
「電源 OFF!」の掲示 階段を上ったところに「1階席です」とある
東京スカイツリー 天気が悪いと上は見えない
* * * *
1月17日(火) 友人が撮影した動画を You Tube に投稿したが、もしかしたら肖
像権の侵害にあたるのではと問題になった。肖像権はすなわち「プライバシー」の
問題だ。
それはそれとして、他人のブログ等にリンクを張るのはどうなんだろう?ブログをや
っていて心配になった。--調べたら、コピーしたら著作権に触れるだろうが、リン
クを張るのは問題ないようだ。
1月18日(水) 会社の先輩からしばらくメールが来ないと思っていたら、ウィーン
に行っておられたとのこと。ウィーン・フィルのNYコンサートを聴かれたそうだ。ビ
デオを確認したら、確かに映っていた。肖像権は大丈夫カナ?
1月19日(木) ワグネルOB合唱団の練習に顔を出す。会費3,000円を支払う。
K先輩から「今月は2回しか練習ないけれど、ごめんなさい」といわれ恐縮。「尾
崎喜八の詩から」を練習。すでにOB四連で歌われたものなので、みなさんは思
い出す程度だが、私はまったく初めてで、リズムがとれない、音程が決まらない、
声が出ない等々ついていけるか心配になる。第1曲「冬野」のリズムが難しい。
コールユーブンゲン33番からやり直しである。
練習後、久しぶり(OB六連の「シベリウス」以来)ということで前で挨拶させられた
--「体力的にも音楽的にも自信がありませんが、よろしくお願いします」。
帰宅は(午後)10時20分となった。いつもなら寝ている時間だ。
1月20日(金) 雪が降りそうに寒い。朝、こんな日に電車が止まらなければいい
ね、といいつつ出勤、駅まで行ったら、田園都市線が宮前平の人身事故でストッ
プ。
怒っても仕方ない。ハイハイ、ソウデスカと、迷わず振替輸送の切符をもらい、新
百合ヶ丘へバスで向かう。新百合ヶ丘7時40分綾瀬行き準急に乗る。運よく成城
学園前で座れた。会社に8時45分に到着でグッタリ~。しかし、ボスはもともとお
休みで、管理職は私しかおらず仕事をしないわけにはいかなかった。
* * * *
先日のワグネル(男声)定演打ち上げの折、ソリストの小貫岩夫さんがボイス・ト
レーナーに就任されることを聞いた。
小貫さんについては「中勘助の詩から」の独唱で初めて聴き(*)、まさしくタミー
ノ、「感心」もしたし、感動もした(→こちら)。
小貫さんは二期会に入られておられるので、そのHPにも時々登場する。こんな
インタビュー記事を見つけたのでリンクしておこう。(→こちら)
(*)二期会創立50周年記念「ニュルンベルクのマイスタージンガー」ではダー
フィットを歌っておられたが、私は、福井敬さんがヴァルターをやった別の日を聴
いたので、このダーフィットは聴いていない。
今年はドビュッシー生誕150年。生誕100年は?と調べていたら、指揮者ではチェ
リビダッケ、ショルティ、ヴァント、ザンデルリンク(*)、ラインスドルフと錚々たるメン
バーがそろっている。
(*)ザンデルリンクは、昨年白寿の1日前に亡くなった。
この中で、生を聴いたのはラインスドルフである。昭和53(1978)年、バーンスタ
インのピンチヒッターとしてNYフィルと来日。私は普門館で「新世界より」を聴いた。
速いテンポのザッハリッヒな演奏ではなかったかしらん。お辞儀の仕方もそっけな
く、あまり格好を付けず、ハイ代役デスという感じだったように記憶している。当時
は知らなかったが、アメリカへ亡命したオーストリアのユダヤ人(ユダヤ系)だった
ようだ。
ちなみに100年前の1912年は明治45年であり、大正元年でもある。(今年は大
正101年)。
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