人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

『レコード芸術 月評特選盤』、『文藝春秋 新年特別号』、イタリア(ン)

2010-12-27 05:07:24 | 読書
『レコード芸術 月評特選盤1980-2010 交響曲編』
昔、『レコード芸術』を毎月購入していたが、読み切れない(言いかえれば時間が
たりない)こともあり、また保存スペースを取られることもあり、現在は定期購入
せず、図書館で「交響曲」と「声楽曲」の月評に目を通す程度である。もっとも毎
年1月号だけは、1年間の「レコード・アカデミー賞」を確認するため、続けて購入
している。(--今年のレコード・アカデミー賞大賞はアーノンクール指揮、ブラ
ームス『ドイツ・レクイエム』だった。)

今月、音楽之友社創立70周年記念として、その『レコード芸術』の『月評特選盤 
交響曲編』が発売された。月評が2人制になった1980年から今年2010年までに両者
が「推薦」すなわち「特選盤」とした評文を原則として原文のままに再録したもの
である。

30年間の評者は、担当年順に大木正興、小石忠男、門馬直美、諸井誠、樋口隆一、
平野昭、石田一志、宇野功芳、金子建志、諸石幸生の各氏。

中では、大木正興さんの長文が懐かしい。1980年8月号の特選盤、テンシュテット
のマーラー;交響曲第9番の評では
 (前略)といったようなことを思ったのは、実はこの第九交響曲の演奏をきい
 てもちろんいままでの彼のマーラーにきかされてきたきわめて敏感な音響感覚
 と清澄な抒情の根強さとをここでも徹底的にきかされ、その意味ではどう隠し
 てもこれがほかならぬテンシュテットの独自の新しいマーラーであることを絶
 対にききちがえることのありえない、きわめてユニークな美しさにみちた演奏
 なのだが、この第九番に関しては指揮者の思いのなかに表現主義的なきわどく
 鋭い方向を志向するものとたっぷりの情感を含有しきっての音楽の膨張感がた
 がいに顔をのぞかせながら、かなりはっきりと各所で交叉しあっているのがみ
 られ、それだけのことが複雑にきかれるのである。
と書いておられる。一般に、読みやすい文章は一つの文が40字以内で、一つの文
章に一つのことが書かれているものだといわれているが、上記の大木さんの文章
は実に299字(句読点を含む。)で、形容詞、関係代名詞を駆使した英文を和訳し
たような長文で、なかなか書けるものではない。

『レコード芸術』の月評を昔は漠然と読んでいたが、あらためて集中的に読んで
みると、それをより理解するには最低限の西洋音楽史の知識が求められるようで
ある。遅まきながら勉強である。



     *     *     *     *


『文藝春秋 新年特別号』
この3年間で私の直属の上司だった方、同僚だった人、学生時代の1年先輩と3人を
相次いで失った。すべて、61歳でかつ死因は肺がんだった。本号にある近藤誠氏
(慶應大学医学部講師)の「抗がん剤は効かない」は集中力をもって読んだ。

私の直属の上司だった方は、自覚症状がまったくない時期に肺がんと診断を受け、
「5年後の生存率は3%と(医者から)いわれたよ」と語っておられたが、(手術は
できず)抗がん剤と格闘の末、2年で亡くなられた。
亡くなられる2ヶ月ちょっと前には、ひょっこり会社に現れ、「去年は、ホスピス
の準備をしなさいなどと(医者に)だいぶ驚かされたよ」と笑っておられたのだ
が・・・・・・・。



     *     *     *     *

年末の押し詰まった某日、イタリア(ン)に行ってきた。
時節柄か、夫婦連れが多かった。


いかにもイタリア風


ランチ・メニューBコースをオーダー






ブイヤベースのパスタ これはうまかった!!ブンダバー!


アイスクリームにエスプレッソをかけるのもなかなかうまい!


イタリアから5分でフランスに移動。パンのPAULがあった。


今週で今年も終わる。今年もご愛読、有難うございました。皆様にはよい年を迎え
られますようにお祈り申し上げます。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Re:その先輩は (katsura1125)
2010-12-28 21:34:33
和地村さん 有難うございます。

肉体滅びるとも (偉大な)魂は死なず ですね~。

木下保先生にしても その魂は (われわれの)心の内に生きていますね~。

来年も 引き続きコメントをお願い申し上げます。
返信する
その先輩は、 (和地村 藤村)
2010-12-27 21:12:17
学生時代の先輩は亡くなる3週間前に「世話になった」「皆によろしく」「合唱を頼む」とつぶやいたように聞えました。一度は3月の合宿に参加されたのに信じられません。

八木重吉 ひびくたましい

ことさら かつぜんとして
秋がゆうぐれをひろげるとき
たましいは 街を ひたはしりに はしりぬいて
西へ 西へと うちひびいてゆく

来年の演奏会で歌います。レクイエムです。魂が走り去ったようです。
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