人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

『これからの「正義」の話をしよう』  『さよなら!僕らのソニー』  『拍手のルール』 etc.

2012-10-29 05:00:00 | 読書

読んだ本がたまってきたので、先週に引き続き、「読書」をテーマに。


マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう」(ハヤカワ文庫)★★★★★
帯には「熱く、生きた哲学がここにある。日本中が熱狂した国民的ベストセラー」
とある。「ベストセラーは読まない」という人がいるが、ベストセラーにはそれにな
るような「何か」があるのではないかしらん。「人が集まるところ『何か』ある」。

何が正義か?--これは紀元前のギリシャ哲学者などによって既に論議されて
いるのかもしれない。
(余談だが、私は学生時代「ギリシャ語」を選択したことがあった。なぜギリシャ語
を選択したのかしらん(笑)。)

マイケル・サンデルはハーバード大学の人気教授。アメリカ人らしく具体的な例
をひいて「正義」について議論している。私が今までに教わってきた先生にもそ
のようなタイプがおられたが、M.サンデルはみずから「答」をいわない。

大変おもしろかったが、内容的には結構難しかった。
なお本の題名は『これから「正義」の・・・・・・』ではなく、『これからの「正義」の・・・・・・』
と和訳されている。

原題は What's the Right Thing to Do? である。




立石泰則『さよなら!僕らのソニー』(文春新書)★★★★
立石氏はノンフィクション作家・ジャーナリスト。私と同い年である。
初版発行は平成23年11月。筆者が初めてソニーを取材したのは17年前のよ
うだが、それ以来ずっとソニーをウォッチしてきた現時点のインサイダー・ストー
リーといっていいのかもしれない。
現在、日本の電機メーカー(--ソニーは単なる電機メーカーではないと思う
が。)は大変難しいかじ取りを迫られている。ソニーばかりではなく、パナソニッ
クもそうだし、シャープにいたっては危機的な状況に陥っている。リストラ(リス
トラクション)も単なる人員整理どころか人材流出になりがちである。これは、リ
ーマン・ショック、そして円高、台湾、韓国の躍進等々の環境変化による、ある
程度の必然性によるものだろうか。(*)

筆者は最後に、
「けっしてストリンガー体制のソニーに以前のような輝きを期待してはいけない。
いまのソニーは、私たちに『夢』をあたえてくれた、ソニースピリットあふれる私た
ちの知るソニーではないからだ。
いまの私たちに出来ることは、未来への『希望』を与えてくれた「SONY」に感謝
の言葉を捧げるとともに、こう言うだけである。
『さよなら!僕らのソニー!』」
と締めくくっているが、はたしてどうだろうか。

(*)10/27(土)21:00NHKスペシャル「メードインジャパン逆襲のシナリオ①」
 で「岐路に立つ日の丸家電独占密着!ソニー改革なぜ苦境に?復活は?当
 事者語る」は久しぶりにおもしろかった。




茂木大輔『拍手のルール』(中公文庫)★★★★
茂木さんは知る人ぞ知る、N響の首席オーボエである。15年ほど前に読んだ
『オーケストラは素敵だ』はおもしろかった!
作家など文筆を生業としている人は、普通の人が一行ですませてしまうこと
で何行も書けるものではないかしらん、と常々考えているが、茂木さんもクラ
シック演奏会の拍手をテーマに取り上げ、曲目と拍手の関係について書いて
いる。軽いタッチで、すらすら読めた。文庫化がはやかった。





10月27日(土) いつ以来かしらん、きつ~い、音楽会のレンチャンとなった。
その感想は次回またゆっくりと。
14時開演  新日本フィルハーモニー第500回[記念]定期 
 ドミンゴ・インドヤン(*)指揮 ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」等
 (*)急病ヴォルフ=ディーター・ハウシルトに代わって。
    インドヤンはベネズエラの新鋭である。
18時開演  読売日本交響楽団第519回定期 -創立50周年記念-
 シルヴァン・カンブルラン指揮 細川俊夫 「ヒロシマ・声なき声」等

10月28日(日) 午前は散髪。午後はワグネルOB合唱団の強化練習。
(於東京芸術劇場)OB定期演奏会まであと2週間である。


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