人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

浅利慶太『時の光の中で』(文春文庫)

2009-03-09 05:28:47 | 読書
私は浅利慶太のファンではない。浅利慶太がどんな人だかも知らない。しかし、こ
の本はおもしろかった!文庫版は今年1月の初刊である。



副題にあるとおり「劇団四季主宰者の戦後史」を綴(つづ)っている。
あまりに古く昭和37(1962)年の「小澤征爾」VS「N響」事件も知る人が少なく
なっているが、これを読むと小澤とN響団員の感情論とNHKの官僚体質が入り混
じった事件だったのではないだろうか。

また昭和38(1963)年、日生劇場の杮(こけら)落としにベルリン・ドイツ・オペ
ラ(BDO)を招聘し、カール・ベーム指揮のBDOが「フィデリオ」の名演を聴
かせたことは無論知っていたが、浅利が一役買っていたとは知らなかった。

三島由紀夫との関わりも興味深かった!!三島-芝居-浅利のつながりである。

また母音発声というものを初めて知った。明晰な日本語は芝居も歌も共通な課題
だ。

第1章 小澤征爾ボイコット事件
第2章 昭和天皇とベルリン・オペラ来日
第3章 佐藤栄作の日中秘密交渉
第4章 『ウエストサイド物語』と田中角栄
第5章 新劇史のなかの三島由紀夫
第6章 寺山修二と日本語
第7章 日生劇場解任の前後
第8章 広告マンたちの戦い
第9章 『キャッツ』全国を往く
第10章 スカラ座の『マダム・バタフライ』
第11章 新劇団の季節
最終章 中曽根康弘の忘れ得ぬ夜




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