人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

宇野功芳『名曲とともに』

2008-10-20 05:41:21 | 読書
宇野功芳の声を聴いたのは、ショルティの「ツァラトゥストラはかく語りき」を年
末のFM放送で絶賛していた時であるから、昭和52(1977)年暮れである。R.シュト
ラウスの「ツァラトゥストラ」は昭和49(1974)年にカラヤン盤が『レコード芸
術』の推薦盤となっていたが、宇野さんはシュヴァルベのソロが劣ると言ってい
た。

宇野功芳は、長らく知らなかったのだが、私の大好きだった漫談家牧野周一の長男
である。(それを知った時はビックリした。)昭和5(1930)年生まれ、国立(く
にたち)音大声楽科の出身である。歯に絹を着せない評論にファンが多い。どちら
かといえば、アンチ・カラヤン派である。ただし、カラヤンでもいいものはいい
と、「蝶々婦人」を推薦する。また、合唱の指揮(とくに女声合唱)もライフワー
クとしている。


宇野功芳『名曲とともに』は昭和49(1974)年帰徳書房より初版となった。本書
は、私が宇野さんの声を聴く以前の昭和52(1977)年3月22日に購入している。
私はこの本を繰り返し何度読んだことだろう。単なる分析的な音楽評論ではなく、
著者の「思い入れ」が書かれているところがいい。また、この時の著者の推薦盤
が、現在の、氏のそれと大きく違っていないことがおもしろい。


この後、宇野さんの『たてしな日記』、『モーツァルトとブルックナー』を立て続
けに読んで勉強になった。(いずれも帰徳書房刊)現在は、いずれも学習研究社の
「宇野功芳著作選集」で読むことができる。

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3 コメント

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学研で用意に入手できるのが嬉しいです (trefoglinefan)
2008-10-20 21:57:13
 私は「たてしな日記」が好きです。読んでいる方が恥ずかしくなる表現もありますが、極めて正直に書かれていますので。このようなことを切実なまでに求めることができる、ていいですね。
返信する
Unknown (katsura1125)
2008-10-21 05:50:38
trefoglinefanさん、有難うございます。
はじめまして。『たてしな日記』は本当に初期のもの
ですね。当時の著者の「思い」が盛りだくさん、いい
ですね~。
返信する
名指揮者!バルビローリ (katsura1125)
2008-10-22 20:52:37
「『蝶々夫人』ならカラヤンより絶対バルビローリ」
というメールが自宅に送られてきた。(メールが主語
の受身形か。)

私は未聴だが調べてみたら、なるほどオケのローマ歌
劇場管弦楽団が録音後「できるだけ近いうちに戻って
きてください。マエストロ(=バルビローリ)がお振
りになりたい、いかなるオペラでもやりましょう。リ
ハーサル無制限で」と言った、いわくつきの録音だそ
うである。スコットが初々しく、「まさしく大和撫
子」だそうである。

そういえば、バルビローリが本番を終えたベルリンフ
ィルからもマラ9をぜひレコード録音してほしいと言
われて、それが名演として残っている。
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