人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

筒井清忠『二・二六事件とその時代』(ちくま文庫)

2008-11-17 05:00:00 | 読書

これはいい本だ。著者は昭和23(1948)年生、京大文学部卒。京大
教授を経て、現在帝京大文学部教授。

大学受験浪人時代に『昭和史』(遠山茂樹他、岩波文庫)を読み、そ
の後も昭和史に関する本を読んでもいまひとつ釈然としなかったが、
この本の「第3章昭和のエリート」を読むとだいぶすっきりする。著者
によればこの分野の研究は遅れていたとのこと。
第3章40ページを一気に読んでしまった。

二・二六事件の前に五・一五事件が起きている。五・一五事件の時
は、裁判で青年将校が滔滔(とうとう)と自説を主張、それによって国
中から減刑嘆願書が送られてきたという。
したがって刑も比較的軽くなり、それが二・二六事件の引き金になっ
たと考えられている。


シヴィリアン・コントロールということは、文民統制と訳されているが、
文民=国民である。
日頃からきっちりチェック&バランスを行うことが大切だろう。


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2 コメント

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昭和史のこと (Ke)
2008-11-18 21:20:08
1遠山茂樹「昭和史」は、岩波文庫でなく岩波新書です。
高校生の頃、ベストセラーでした。丁度、明治100年とか、吉田茂の国葬とか、数年後に控えた安保改正(いわゆる70年安保)とか、戦後20年とかいったことが次から次へと起こって、昭和という時代をきちんと知りたいという機運があったからでしょうか。今読み返してもとてもよくまとまっていい本だけれど、いささか左よりか。
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訂正します (katsura1125)
2008-11-19 21:12:05
Keさん、初コメント有難うございます。

おっしゃるとおり岩波新書です。新書と書いて
いるつもりで文庫と書いているところが怖いで
すね(笑)

遠山・今井・藤原の『昭和史』は、「階級闘
争」等々の用語により唯物史観の立場から書か
れています。

昭和20年8月ソ連の対日参戦については、「連合
国の求めにより戦争の終了を促進するためとの
理由で、対日宣戦を布告し」とソ連の代弁が書
かれており(同書p239)、「日ソ中立条約違
反」とは書かれていません。
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