人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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山本七平『「空気」の研究』(文春文庫)

2009-06-04 05:16:02 | 読書
日本では「あらゆる議論は最後には『空気』できめられる」。(本書、文庫版p
16)こういう著者がこの「空気」について研究した名著である。「『空気』できめ
られる」の前に「なんとなく」を付け加えるとより分かりやすい。

イザヤ・ベンダサンという名前で『日本人とユダヤ人』を書いた山本七平は、出版
の仕事の傍ら、終生「日本人とは何か」とテーマを追いかけた。


文庫の裏表紙には次の説明が掲載されている。
 昭和期以前の人びとには「その場の空気に左右される」ことを「恥」と考える一
 面があった。しかし、現代の日本では「空気」はある種の「絶対権威」のように
 驚くべき力をふるっている。


「空気」は「論理的な分析と思考」の敵である。日露戦争までの指導者には冷静な
分析、戦略があった。マスコミとて「空気」や「風潮」から自由ではないのが日本
である。
日本人の行動は、結局「和をもって貴(とうと)しとなす」という集団主義であ
る。「和をもって貴しとなす」という聖徳太子の思想は大変危険なものなのであ
る。



本書の帯には、サッカーの「日本代表岡野監督が熟読!この一冊がフランスW杯出
場を決めた」とあった。



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