ツンドクが10冊以上溜まっているところへ、T次長から半藤一利『昭和史』を拝借
したので、読書進行中のもの3冊に加え、読んでいる。時間が足りない(笑)。
まず平凡社ライブラリー版になって付け加えられた「昭和天皇・マッカーサー会談
秘話」37ページを一気に読んだ。--昭和20年9月27日の第1回会談から昭和26年4
月の第11回まで数々の史料をもとに、半藤氏は解説している。
昭和天皇は、会談の中身についてはマッカーサーとの約束だからと言って、いっさ
い話さなかった。(それに反して、マッカーサーは回顧録などで言及している。)
しかし、半藤氏が現在までに明らかになっている断片的な事実を積み上げ、分析し
てみると、昭和天皇とマッカーサーは結構突っ込んだやり取りをしていたようだ。
天皇の発言がマッカーサーの政策に多かれ少なかれ影響を与えていたという見方も
とれるようだ。
この戦後篇、15章から成っているが、どのあたりまで私の「実感」と合っているだ
ろうかと、第15章「昭和元禄の“ツケ”」から逆順で読んでいった。明確な「実
感」としては、
昭和45年 大阪万博
昭和44年 東大安田講堂事件
昭和43年 ソンミ村虐殺事件
昭和42年 イスラエル・エジプト6日間戦争
昭和41年 ビートルズ来日
昭和40年 米軍北爆開始
昭和39年 東京オリンピック
昭和38年 ケネディ大統領暗殺
昭和37年 キューバ危機
昭和36年 ソ連ヴォストーク1号、地球一周
昭和35年 日米安保闘争
昭和34年 皇太子ご成婚 「第13章 60年安保闘争のあとに来たもの」
せいぜいこのあたりまでである。
今年79歳になる半藤氏はいろいろな“材料”をもとに昭和史を語っている。--本
書は、75歳当時の聞き書き原稿を編集したもので、この本の<おもしろさ>は、世
相的な部分と半藤さんの「実感」を織り交ぜながら語っていることではないだろう
か。
数ページごとにすべてコメントしたくなるが、スペースと時間の関係でそれができ
ないのが残念である。
p288には昭和25年(?)当時の「共産党の演説大会」徳田球一(とくだきゅうい
ち)の演説を聞くために詰め掛けた大勢の人たちの写真が載っている。一種のブー
ムだったのだろうか?ブームといえば、昭和33年にはロカビリーブームがあった。
私はいつも思うのだが、ブームに熱狂した人はどこへ行ったのだろう。20歳前後で
ロカビリーに熱狂した女性たちは、現在70歳前後でお元気なはずだ。
参考までに目次を下記しておこう。
はじめの章 天皇・マッカーサー会談にはじまる戦後
第一章 無策の政府に突きつけられる苛烈な占領政策
第二章 飢餓で“精神”を喪失した日本人
第三章 憲法改正問題をめぐって右往左往
第四章 人間宣言、公職追放そして戦争放棄
第五章 「自分は象徴でいい」と第二の聖断
第六章 「東京裁判」の判決が下りるまで
第七章 恐るべきGHQの右旋回で・・・・・・
第八章 朝鮮戦争は“神風”であったか
第九章 新しい独立国日本への船出
第十章 混迷する世相・さまざまな事件
第十一章 いわゆる「五五年体制」ができた日
第十二章 「もはや戦後ではない」
第十三章 六〇年安保闘争のあとにきたもの
第十四章 嵐のごとき高度経済成長
第十五章 昭和元禄の“ツケ”
まとめの章 日本のこれからはどうなるのか (--昭和47年以降は現代史)
半藤一利『昭和史 戦後篇』(平凡社)
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