人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮文庫)

2009-08-11 05:10:37 | 読書
今年、『愛を読むひと』という映画が公開された。『タイタニック』のケイト・ウ
ィンスレットがアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したものである。本書はその
原作である。原題は「朗読する男」である。


<あらすじ>(ネタばらしはございません。)
1958年のドイツ。15歳のマイケルは21歳年上のハンナとの初めての情事にのめり込
む。ハンナの部屋に足繁く通い、請われるままに始めた本の朗読によって、2人の
時間はいっそう濃密なものになるが、ある日、ハンナはなぜか忽然と姿を消す。

1966年、大学で法律を学ぶマイケルは傍聴した法廷の被告席にハンナを見つける。
裁判に通ううちに彼女が <必死に隠し通してきた秘密> にようやく気づき、衝
撃を受けるのだった。(「映画生活」より一部修正)


すべては <涙の、衝撃のクライマックス> に向けての伏線である。ハンナは 
「弁解を一切しない孤高の女性」 であった。なんといえばいいのだろう。主人公
の切ない胸の痛みなどいろいろな感情が感じられる、小説らしい小説だった。英国
の批評家J.スタイナーはこの本を二度読むように勧めているという。一読、強い事
件が目立つが、二回目にして登場人物の感情の細やかさに目が開かれる--二度と
いわず何度でも読まれるべき本といえるかもしれない。


本書は1995年にドイツで出版された。発売後5年間で20以上の言語に翻訳され、
アメリカでは200万部を超えるミリオンセラーになった。


映画は観ていないが、TSUTAYAで借りたいと思っている。




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