人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

新日本フィル定期第494回 etc.

2012-05-21 05:00:00 | 音楽

5月19日(土) 快晴。初夏の暑さ。新日本フィルの定期へ。一ヶ月がたつのは早
い。東京メトロ錦糸町駅に12時57分着。錦糸町までは乗り換えなしで行けるの
で便利!

<プログラム>
A.ドボルジャーク 交響詩「金の紡ぎ糸」
G.マーラー 嘆きの歌(初稿版)
 1.森のメルヒェン
 2.吟遊詩人
 3.婚礼の出来事
指揮;C.アルミンク
ソプラノ;天羽明恵
アルト;A.ペーボ
テノール;望月哲也
バリトン;I.コヴァーチ
ボーイ・ソプラノ;高坂祐人、田代新(東京少年少女合唱隊)
ボーイ・アルト;小林雪音、高坂幸代(東京少年少女合唱隊)
合唱;栗友会

年度初めは、(私も)何かと忙しい。毎年この頃のことだが、疲れ気味である。
そこへもってきて、今回のプログラムは、いずれも(生まれて)初めて聴く曲であ
る。勉強不足のままに、聴くのがぶっつけ本番となった。

13:30アルミンクのプレトークがあった。アルミンクはブルー系のシャツにチノ
パン、ブレザーというカジュアルルック。
「嘆きの歌」第1部~第3部の内容説明が行われた。
--コーラスも独唱も、ある特定の役をするものではなく、進行役です。少年少
女4人が唯一決まった役(=殺された弟)を歌います。舞台裏、バンダはおおが
かりなものです。
ここで合唱指揮の栗山先生が登場。
--今回の合唱は「地唄」の役割だと思います。この合唱は待っている時間が
長いので、気持ちを持っていくのが難しいですね。
最後に、またアルミンク。
--昨日(トリフォニー第1日)はマーラーの101回目の命日でしたが、これは
単なる偶然です。
1階の客席はやや空いていた。プレトーク後、アルミンクは15分で正装に着替
える。

A.ドボルジャーク 交響詩「金の紡ぎ糸」
ドボルジャーク「金の紡ぎ糸」は、1895年アメリカからチェコへ帰国した後の作
品である。ドヴォルジャークがアメリカからチェコに帰国したとは知らなかった。
人間の、いや私の知識などその程度かもしれない。それはともかく、この曲はメ
ルヘンチックであり、ロマンチックなものだった。(--テーマは血塗られたメル
ヒェンだが。)ドヴォルジャークの交響詩を聴いてみるのもおもしろそうだ。

アルミンクがいったん退場後、カーテンコールに登場、ソロパートを弾いたコンマ
スの崔さんを立たせたが、1stヴァイオリンの堀内さんもいっしょに立ってしまい、
堀内さんは苦笑い。


G.マーラー 嘆きの歌(初稿版)
最近、ある本を読んでいたら、
「鑑賞や批評は、ただなんとなく感じたことを言えばよいのだというのは誤りで、
文を十分に理解した上でないとできないことである」
とあった。

メイン・プロのマーラー「嘆きの歌」は、栗友会の合唱である。栗友会というのは、
栗山文昭さん(武蔵野音楽大学教授)が指揮する合唱団15団体で構成されて
いる。この曲を演奏するのには、おそらく週1回ペースで半年くらいは練習する
だろう。
一方では聴く方もそれくらい理解した上で聴けば、多少なりとも深い感想が言え
るだろうが、「ぶっつけ本番」では単なる印象になってしまうかもしれない。

合唱団は、女声75人、男声55人程度の大合唱団。今回の栗友会(--男女と
もに蝶ネクタイだった。)の平均年齢は若いようだった。平均年齢は30代かしら
ん。 
ソリストは、天羽さんと望月さんが日本人、アルトのペーポさんがエストニア、バ
リトンのコヴァーチさんがハンガリー。ドイツ語歌唱にもかかわらず、ドイツ人は
いなかった。ソリストはアルトとバリトンが180cm近い長身だった。天羽さんは
157cmくらいかしらん。(--どうでもいいことだが。)

マーラー「嘆きの歌」についてはウィキペディアが参考になる。→こちら
新日本フィルのちらしから引用すると・・・・・・
のちにマーラー自身が「僕が自分を『マーラー』として見出した最初の作品」と語
る重要作であり、ベヒシュタインとグリムの童話を下敷きに、マーラー自身も作
詞もし、独唱・合唱・巨大な管弦楽を要する対策に仕上げた。
第1部:森のメルヒェン
 王女と結婚するため、赤い花を探して兄弟は森へ入り、兄は弟を殺す
第2部:吟遊詩人
 弟の骨から吟遊詩人は笛をつくり、笛は世にも悲しい物語を奏でる
第3部:婚礼の出来事
 王女の婚礼では笛は真相を明らかにし、城は廃墟と化す

この曲はウィーン楽友協会の作曲コンクール「ベートーヴェン賞」の応募作品だっ
たが、ブラームスなどの審査員にはアピールせず、落選となった、というのは少
しは知られているかしらん。

ソリストはステージ前列に並んだ4人のほかに、合唱団の中に8人が入っていた。
それら8人はいずれも芸大の大学院生だった。
4人の優れたソリストの中では、声量といいドイツ語といい、とくにアルトがよか
ったかな。

少年少女合唱も栗友会も、むろん譜面持ちであったが、よく歌っていた。私の席
(1-28-1)ではやや子音が聴こえにくいかもしれないのだが・・・・・・。

客席のほとんどは、私同様初めて聴く曲だろう。プログラムに対訳が載っていた
が、それを見ている人は20人に一人もいなかった。歌詩や言葉を理解して聴い
ている人はほとんどいないだろう。演奏している人に申し訳ないくらい。字幕を用
意してもよかったかもしれない。お隣のご婦人(赤の他人)はよく寝ておられた。

初稿はマーラー20歳に完成した作品だが、その音楽は、ベートーヴェンでも、ブ
ラームスでもワーグナーでもなく、すでにマーラーだった。

演奏が終わり、客席の拍手が始まると、アルミンクはまず正面2階の少年少女
4人に拍手。次に指揮台を降り、コンマスの崔さんと抱き合った。2階席だろうか
ブラボーが飛んだ。カーテンコールでは4人のソリストがそれぞれ少年たちと手
をつないで登場。アルミンクも栗山さんと手をつないでの登場だった。


珍しい曲。録音していたから、CDが発売になるのカモ。一聴の値があるだろう。
いつもながらアルミンクのチャレンジ精神には拍手を送りたい。





錦糸町駅前 「北斎通り」というとは知らなかった


錦糸町駅前 エクセルシオールカフェ


すみだトリフォニーホール正面


座席より 開演前のステージ


この日の東京スカイツリー

        *        *        *        *

NHK TV(Eテレ)の「団塊スタイル」(金曜20時)を時々みる。司会は、国井雅比
古アナウンサー(63、私の2学年上である。)と風吹ジュン(60)。国井さんは東
大卒、現在はNHKの嘱託である。風吹ジュンは懐かしい。
5/18の放送で国井さんは、歳をとればとるほど知らなかったこと、分からないこ
とが増えてきますね~と言っていた。知らないこと、分からないことがたくさんあ
ることを自覚するのだろうか。あいまいな知識ばかりなのかもしれない。つくづく
同感である。

腹式呼吸でブレスを吐く時、お腹をへっこませるようにするのか?、それとも自
然のままにへっこませるのか?できるだけへこませないようにするのか?いまだ
にどうも分からない。
吸うときもしっかり吸う方がいいという考え方とあまり吸い過ぎない方がいいと人
があるようだ。


「鑑賞や批評は、ただなんとなく感じたことを言えばよいのだというのは誤りで、
文を十分に理解した上でないとできないことである」
--歌曲などを歌うにしても聴くにしても、歌詩を行間まで読まなければならな
い。木下(保)先生は、日本歌曲の歌詩は縦書きの詩をなんども声に出して読
みなさいと言っておられた。凡人にはなかなか難しいことである。


5月18日(金)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウが亡くなった。86歳だった。
真に偉大な歌手だった。
今月8日(火)には大谷洌子さんが93歳で亡くなっている。


5月20日(日) OB合唱団の強化練習。社会人合唱団の練習は、週1回プラ
ス時々の強化練習(または合宿)が標準かしらん。
10時から2時間、ファリャ(スペイン語)のパト練習。午後は1時から5時までみ
っちり「尾崎喜八の詩から」とファリャを練習した。

「尾崎喜八~」では、いつものように仲光さんが暗譜の指揮--そうではなく、
こうして、そうです、忘れないで、と壁塗りを繰り返した。次回5/21にはすでにフォ
ーメーションを決めるという。マラソンのごとく、本番では練習以上のものはでき
ない。
パト練の効果が出たのか、ファリャの「NANA子守歌」では5/17の練習より「長
足の進歩」--パートがぴったりそろい、パトリは歓喜せり。須田さんの「それじゃ
まるで~ですよ」というタトエも好調だった。
午前10時から午後5時までの練習に耐えられるか不安だったが、終わってみれ
ばあっという間だった。--声はまったく枯れてしまったが。

帰りは都立大学から自由ヶ丘、そして急行を乗り継ぎ、30分弱で着いてしまった。

土日に予定が入ると、ブログをまとめるのがキツイ(hard)。


午後、(午後の)練習会場のある都立大学へ


都立大学には肉のハナマサがあった





午後の練習会場ノアスタジオ


練習前のラジオ体操風景 ラジオ体操は意外とキツイ





自宅の近所 けやきの新緑がすごい


カリタス女子短大の掲示版 6~7月は「横浜フランス月間」が開催される





自宅の近所のお花屋さん 
近所に多いのは、花屋さん、美容院、歯医者さんである



近所で見つけたバラの花


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2 コメント

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ありがとうございました (KD(H1卒))
2012-05-22 20:17:47
この度はご厚情ありがとうございました。
久しぶりにトリフォニーで新日フィルを堪能致しました。
会場でお探ししたのですが、お会いできず残念でした。お礼がこの場となり申し訳ありません。
ドヴォルジャークは思いのほか牧歌的でしたね。
「嘆きの歌」は少年少女の独唱が素晴らしく、印象的でした。四人のソリストにも負けない歌唱だったと思います。
余韻に浸りつつコーヒーでも飲もうとしたら、柏市断水の情報が入りそれどころでは無くなってしまいました。こちらは「嘆き節」です…つまらないオチですみません。
取り急ぎ、御礼まで。
返信する
Re;ありがとうございました (katsura1125)
2012-05-22 20:18:40
KDさん、ご丁寧に有難うございました。
私も、休憩時にお席を見にいったり、喫茶に行ったり、ロビーに行ったりしたのですが、お会いできませんでしたね~(笑)。
C.アルミンクもいよいよ最後のシーズン。企画性のあるプログラムも一区切りでしょうか。
返信する

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