人生ブンダバー

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ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』 再び ダークダックス

2020-05-17 05:00:00 | 読書

暇に飽かして部屋を整理しつつ、久しぶりにミルトン・フリードマ
ン(1912-2006)『資本主義と自由』を読む。

「資本主義と自由」の精神を考える本だ。

M.フリードマンもまたポール・サミュエルソン(1915-2009)同様、
天才の一人である。

M.フリードマンとP.サミュエルソンの共通点は?
 ・アメリカの経済学者である。
 ・ユダヤ人(ユダヤ系)
 ・ノーベル経済学賞の受賞者(サミュエルソンは第2回1970年/
  フリードマンは第8回1976年)
  (注)ノーベル経済学賞(第1回は1969年)はサミュエルソンのためにできた
   というウワサが?

 ・長命--ともに94歳まで生きた。


以下、興味深い所を少しく抜粋すれば・・・・・・

 IN A MUCH QUOTED PASSAGE in his inaugural address, President Kennedy said,
 "Ask not what your country can do for you--ask what you can do for your country.
 " It is a striking sign of the temper of our times that the controversy about this pass-
 age centered on its origin and not on its content.

 ケネディ大統領はよく引用される就任演説の一節で言った。「あなた方のために
 国は何をしてくれるかを問わないで、国のためにあなた方は何をなしうるかを問
 うてほしい」と。この一節をめぐる論議がその内容にではなくて起源に集中した
 ということは、われわれの時代の気風を示すきわだったしるしである。
 (注)ケネディ大統領の就任演説は1961年。

 Neither half of the statement expresses a relation between the citizen and his gover-
 nment that is worthy of the ideals of free men in a free society. The paternalistic
 "what your country can do for you" implies that government is the patron, the citizen
 the ward, a view that is at odds with the free man's belief in his own responsibility for
 his destiny. The organismic, "what you can do for your country" implies that governー
 ment is the master or the deity, the citizen, the servant or the votary.

 この言明の前半も後半も、自由社会における自由人の理想の名に値するような国
 民とその政府との関係を表現してはいない。「あなた方のために国は何をしてく
 れるのかという温情主義的な句は、政府が保護者で国民は被後見人であることを
 意味し、自分の運命には自分自身が責任をとるという自由人の信念と相容れない
 見解である。「国のためにあなた方は何をなしうるか」という有機体説的な句は、
 政府が主人もしくは神であり、国民はしもべもしくは奉仕者であることを意味す
 る。



 To the free man, the country is the collection of individuals who compose it, not
 sometheng over and avove them.

 自由人にとって国とはそれを構成する個人の集まりであって、個人以上の何もの
 かではない。


 The power to do good is also the power to do harm; those who control the power
 today may not tomorrow; and, more important, what one man regards as good, anー
 other may regard as harm.

 善いことをするための権力は、悪いことをするための権力でもある。いま権力を
 握っている者たちが、明日もそうであるとは限らない。


 It is a mark of the political freedom of a capitalist society that men can openly adー
 vocate and work for socialism. Equally, political freedom in socialist society would
 require that men be free to advocate the introduction of capitalism.
 How could the freedom to advocate capitalism be preserved and protected in a s
 ocialist society?

 人びとが公然と社会主義を主張し、そのための運動をすることができるのは、資
 本主義社会の政治的自由のしるしである。それと等しく、社会主義社会における
 政治的自由は、人びとが資本主義の導入を提唱するのに自由であるべきことを要
 求するであろう。
 資本主義を提唱する自由は、社会主義社会のなかでどのようにして維持され保存
 されうるであろうか。


 Those of us who believe in freedom must believe also in the freedom of individuals
 to make their own mistakes.  If a man knowingly prefers to live for today, to use his
 resources for current enjoyment, deliberately choosing a penurious old age, by what
 right do we prevent him from doing so? We may argue with him, seek to persuade
 him that he is wrong, but are we entitled to use coercion to prevent him form doing
 what he chooses to do? Is there not always the possibility that he is right and that we
 are wrong? Humility is the distinguishing virtue of the believer in freedom;arrogance,
 of the paternalist.

 われわれのうち自由を信奉する者は、個人は自分の過ちを犯す自由をも信奉しな
 ければならない。もし人が知っていながらその日暮らしの方を好み、故意に貧乏
 な老後を選択して、自分の資力を現在の享楽に使うほうを好むならば、どんな権
 利によってわれわれは彼がそうするのを妨げるのか。われわれは彼と議論して、
 彼が間違っていることを納得させようとしてもよいが、しかしわれわれは強制を
 用いて、彼が自ら選んでしようとすることをさせないようにする権利があるだろ
 うか。彼が正しくて、われわれが間違っているという可能性がいつでも存在する
 のではないか。謙遜が自由の信奉者を特徴づける美徳であり、傲慢が温情的干渉
 主義者のそれである。



<目次>
序章
第1章 経済的自由と政治的自由の関係
第2章 自由社会における政府の役割
第3章 貨幣の管理
第4章 国際金融・貿易制度
第5章 財政政策
第6章 教育における政府の役割
第7章 資本主義と差別
第8章 独占と企業および労働組合の社会的責任
第9章 職業免許制度
第10章 所得の分配
第11章 社会福祉政策
第12章 貧困の軽減
第13章 結論


原書


熊谷尚夫・西山千秋・白井孝昌共訳
現在は、村井章子訳が出ている(→こちら)。


話は<少し>離れるかもしれないが、アメリカもドイツも連邦制だ。
今さらだが、都道府県知事の権限はどうなっているかしらん。
--新型コロナ対策で思う??

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ラジオ体操第一 「元気かい」もお休みなので自主的に(笑)。


<今日のおすすめの一枚>
『ダークダックス ゴールデンベスト』
「銀色の道」~「故郷」22曲

ダークダックスの歌は、ス~ッと入ってくる。例えば→こちら


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