人生ブンダバー

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第62回東西四大学合唱演奏会(四連) 小山由美「憧れを知る者のみが」

2013-07-08 05:00:00 | 音楽

6月30日(日)晴。最高28℃で暑い。午前中はブログ作り。以前書いたが、
「魔の3連チャン」最終日である。

午後、現役諸君の東西四大学合唱演奏会(いわゆる四連)にでかけた。
(--錦糸町 すみだトリフォニーホール 16時開演)
15時半ごろ、ロビーでプログラムの予習をしていると、「先日はどうもお疲れ
さまでした」とOB四連にオンステしたAさんが現れ、ひとしきり談笑する。

私は、希望どおり2階最前列通路寄りの席(2F-1-23)が取れたので開演
近くに着席した。
2階最前列の前は低くて少し怖い--「物を落とさないようご注意ください。
危険ですので身を乗り出さないようご注意ください。特にお子様はご注意く
ださい」と書かれている。
ステージには山台が8段に組まれている。緞帳はない。

<プログラム>
エール交歓
・関学グリー
・早稲田グリー
・同志社グリー
・慶應ワグネル

1.関学グリー
 『永久ニ』 作詩・作曲;鈴木憲夫 
 指揮;広瀬康夫 ピアノ;大山まゆみ、渡辺麿奈
2.早稲田グリー
 『ことばそびうたⅡ』 作詩;谷川俊太郎 作曲;新実徳英
 指揮;樋本英一 ピアノ;小林 功
3.同志社グリー
 『風に鳴る笛』 作詩;谷川俊太郎 作曲;高嶋みどり
 指揮;伊東恵司 ピアノ;萩原吉樹
4.慶應ワグネル
 『ふなたび』 作詩;宮本益光 作曲;加藤昌則
 指揮;佐藤正浩 ピアノ;前田勝則
5.合同ステージ
 『おらしょ』カクレキリシタン3つの歌 作曲;千原英喜
 指揮;辻 博之

(以下、私のつたない感想にご容赦を)

エール交歓
・関学グリー
 人数が多いのにビックリ!70人以上?私の思ったよりテンポが速かった。
・早稲田グリー
 50人?このところ、2番の恣意的な歌い方が気になる。(OB四連の「都の
 西北」はよかった。注;「都の西北」は正式名称ではない。)エールはオーソ
 ドックスの方がいい・・・・・・カナ?
・同志社グリー
 50人?こちらも思ったより速めのテンポだった。行進曲風かしらん。
・慶應ワグネル
 40人強?やや遅めのテンポ。1番のみ。なかなかよかった。
2階前列席は、1階後方より音がいいようだ。エール交歓が終わると、会場に
はざわざわとしたおしゃべりがあった。

1.関学グリー
 『永久ニ(とこしなニ)』 作詩・作曲;鈴木憲夫 
 指揮;広瀬康夫 ピアノ;大山まゆみ、渡辺麿奈
 作詩、作曲は今年生誕99年となる伊福部昭さんのお弟子さんである鈴木
 憲夫さん。この曲(男声版)は今年3月、四国で初演されたばかりという。作
 曲者の言を借りれば、古代をテーマにした曲で、生命の讃歌でもある。組曲
 というより3楽章制の合唱曲だった。(原曲は混声版)

 広瀬さんがピアニスト2人とともに入場。譜めくりの人もおじぎをするのはお
 かしいなと思ったら、譜めくりの人ではなく、連弾だった。(--どうもそそっ
 かしい。)広瀬さんは暗譜の指揮。
 ズシーッとくる音楽を関学らしいうまさで歌い上げた。連弾はオーケストラの
 伴奏のようだ。広瀬さんは日本語の撥音の処理が、やりすぎず、お上手。


2.早稲田グリー
 『ことばそびうたⅡ』 作詩;谷川俊太郎 作曲;新実徳英
 指揮;樋本英一 ピアノ;小林 功
 樋本さんは、早稲田グリー同様白いブレザーに蝶ネクタイ。指揮棒を持たず、
 膝を使い、躍動するような、そして音楽の表情を視覚化したような見事な指
 揮。(--昔の小澤征爾のようだ。)
 これがワセグリ?と思うような、デリカシーあふれる音楽をピアノ伴奏ととも
 に作り上げていた。
 個人的にはとくに3.「たそがれ」の「みずながれ みずながれ」にひきつけら
 れた。この組曲の山だったかしらん。曲が終わるや、樋本さんは指揮台から
 上手方向にピョンと跳ねた。


3.同志社グリー
 『風に鳴る笛』 作詩;谷川俊太郎 作曲;高嶋みどり
 指揮;伊東恵司 ピアノ;萩原吉樹
 曲は2013年版、同志社グリー用の新アレンジだそうだ。
 伊東さんはいつものように楽譜をご自分で持っての登場。ピアノの萩原さん
 は長身。伊東さんは40歳半ばを超えられたかしらん。脂が乗っている。
 ジャズ的な伴奏に乗って、緩急ある、難しそうな曲だったが、言葉さばきもよ
 く、音色もそろい、すばらしかった。とくに私の席(2F最前列)からは言葉がよ
 く聴き取れた。1階後列より音はいいカモ。


4.慶應ワグネル
 『ふなたび』 作詩;宮本益光 作曲;加藤昌則
 指揮;佐藤正浩 ピアノ;前田勝則
 昨年、台本が宮本益光さん、作曲が加藤昌則さんというオペラ『白虎』が福
 島で初演された(*)。来年、東京で再演されるのかしらん。
 (*)辛口の(??)東条さんが絶賛→こちら

 ワグネルが、その宮本さんと加藤さんに委嘱した作品が初演を迎えた。
 少し長くなってしまうが--

 ワグネルは42人(うち1年生が12人)が山台を使って、3列に並んだ。佐藤
 先生、前田先生とも黒の上下で登場。いきなりの暗転(会場が真っ暗に)。
 1.「フナトのわらべうた」ソリストにスポットが当たり「きのうがきょうに かわっ
 たが きょうはどこから はじまった」というワラベウタから始まった。明転なっ
 て合唱に移るが、ソロの部分でまた暗転し、スポットが当たる。これが不思
 議な効果。

 2.「フナトは元気な男の子」、3.「フナトの四季」というように音楽が切れずに
 続いていく。ふとわれに返ったら5.「川底の星」まで来ていた。佐藤先生の長
 い指揮棒による、大きな指揮に、若者の歌を大人の声で歌っていく。6.「小
 さなフナに寄せる歌」ア・カペラ部分では集中力を見せた。佐藤先生もがに
 股スタイルで、熱が入る。7.「川底の星」はピアノ伴奏がきれい。8.「そのと
 き」はまさしく「そのとき」らしき音楽。9.「鎮魂歌」の葬送行進曲では、思わ
 ずグッときた。

 10.「きのうのきょうは どこいった」のワラベウタは10人が円陣を組み、暗
 転のスポットの中で歌った。11.「ふなたび」は随所にスケール大きい音楽。
 「ごらん 永久に進みゆく光の方舟(はこぶね)を」。「そして いのちは また
 めぐる まいにちきょうを くりかえす」--日常性の大切さ!12.「納口上」
 では手拍子、足踏みも飛び出し(よく間違いませんね~。)、会場のすべて
 をひきつけた。

 演奏が終わるとブラボーが二つ三つ・・・・・・と飛び出した。私もはた迷惑に
 ならない程度にブラボーを叫んだ。ゾリが紹介され、佐藤先生と前田先生が
 下手に下がる時、握手をかわした。

 11/17(日)の定期演奏会(昭和女子大学人見記念講堂)でも再演されるよ
 うだ。ワグネルファンならずとも、多少交通費を奮発してさえ、一人でも多く
 の方に聴いていただきたいと願う。

 何十年ぶりの委嘱作品にチャレンジした現役諸君に心から拍手を送りたい。
 定演に向けてさらなるクレッシェンド(木下先生いわゆるセンプレ・クレッシェン
 ド)を期待しましょう。

この日は、いずれのステージも、日本語の曲で、かつピアノ伴奏付き。客席の
作曲者等の方々も演奏後に拍手が送られた。各校とも、さすが、水準の高い
演奏を聴かせてくれた。


5.合同ステージ
 『おらしょ』カクレキリシタン3つの歌 作曲;千原英喜
 指揮;辻 博之
 下手と上手、両側から四大学のメンバーが続々登場。200人以上の合同
 演奏である。辻さんは下手より左手をあげながらの入場。指揮台で深々と
 おじぎ。
 全員暗譜の演奏。大合唱(大人数)を生かしたデュナーミクの大きい音楽。
 とくに200人以上による ppp がすばらしかった。録音が難しいだろう。

 演奏が終わると辻さんは指揮台で深々とおじぎした。合唱に高々と手をあ
 げる。

 合同のアンコールは「しあわせの時はありがとう 苦しい時は力をください」
 という、瀬戸内寂聴作詩、千原英喜作曲「寂庵の祈り」がベタハモりで演奏
 された。


暗転後は、それっとばかり学校別に並びかわって、ステージストームへ。

・関学グリー 関学にしかできない、一味違う「ウ・ボイ」。
・早稲田グリー これこそワセグリという「斎太郎節」。あまりにもテンポが速い。
・同志社グリー 二グロ・スピリチュアル。これもいかにも同志社らしい。
・慶應ワグネル 「八木節」の男声合唱版。初めて聴いたかな?おもしろかった。

19:13 終演


この日の最寄り駅前 清掃中


錦糸町のTOBUBOOKS


参院選間近


墨田区内循環バス すみだ百景 すみまるくん


この日の東京スカイツリー


15:00just すみだトリフォニーホール入口 「ただいまより開場でございます」








こちらは土曜日休店


先程のTOBUBOOKSで買った『司馬遼太郎 全仕事』(文春文庫)
コーヒーは220円


2階席より 開演30分前 すみだトリフォニー 大ホール


富嶽三十六景 「相州江ノ島」 写真パネルがホール内に展示されている


にぎわう休憩風景 各校のCD、DVDを販売している。


合同演奏


ステージストーム 上手寄りワグネルが「八木節」を演奏中
(消音シャッター撮影)


当日のプログラム



<OB四連余話(6/23)>
○暗譜
「チャイコフスキー歌曲集」は、当初原則譜面持ちという話だったが、仕上が
り状態もよく、途中から原則暗譜になった。最初からロシア語の暗譜といわ
れたらオンステしない人も出たかもしれない。

○結末
オペラでも同じだけれど、曲なども途中では「結末」が分からないように歌わ
ないといけない。やる方は何回も練習して、「結末」をすでに知ってしまって
いるのだけれど、それであっても、という佐藤正浩先生の言葉にハッとした。

--昔、現役時代、ドイツ語の歌詩、一つひとつの言葉の意味を知って歌わ
なければいけないのッ。たとえ聴く人は意味が分からなくても、とブル先生に
いわれ、ハッとしたことを思い出す。

○音とり
控室にて 
「いまさらナンだけど、(合同の)あの曲、(音とりはピッチパイプで)何の音
とってるのん?」
「ウン?・・・・・・勘やで、勘で行けるやろ」

○本番直前
本番直前、当日の練習では、筆舌に尽くしがたい緊張感に包まれる。指揮者
と一人ひとりが直結される緊張感といえばいいのだろうか。自然、口数は少
なくなる。

○左です
ワグネルステージの入場は、下手よりフォーメーション後列から出て、終わっ
たら上手に前列から出る形。したがって、入場する時、私は最前列のもっと
も下手寄りだったので、一番最後から出ればいいし、退場する時も、難しいこ
とを考えず、左隣(客席から見れば右)の人についていけばいい。

ところが本番、曲も終わり、退場時、私の左隣の人が右側の私の方を見るの
で、「左です」とひと言いってあげた。その人は、なぜ私が出ていかないのだ
ろうと思っていたらしい。

○伸びる
「チャイコフスキー歌曲集」本番では本番のアドレナリンが出て、先生の指揮
のもと、テヌートが伸びたようだ。さすがOB?破綻もなく、指揮によくついてい
た。

○新月会
新月会はいわずと知れた関学グリーのOB団体である。ステージに登場すると
直立不動といってもいいほど両足もそろえて整列する。そして指揮者の合図で
いっせいに楽な歌う姿勢になる。これも関学の伝統のひとつである。

○「水のいのち」
「水のいのち」は(「も」というべきか。)指揮者によってまったく違う音楽になる。
コバケン先生の「水のいのち」はいかにも、熱く、ロマン的で、ある意味ではコ
バケン先生が振ればこうなるという分かりやすいものだった。変拍子の指揮も
さすがにお上手だった。
田三郎さんは、譜面をすべて音楽に現したもの(音楽を譜面にした?)だっ
たし、木下保先生の演奏は、バックハウスのごとく、虚飾を排した、けれん味
ない表現がすばらしかった。畑中良輔先生のは誰にもまねができない解釈だ
った。

○客席その1
演奏中、客席の明るさがほどよく、とくに1階のお客様の顔がよく見えた。
知っているお顔が見えるのは嬉しい。演奏中はむろん指揮に注目していて
いるが。

○客席その2
後半、楽屋からチケットを持って、客席へ出たが、座席(2RB-J-1)が分か
らない。案内係に訊いたら、
「こちらでございます。・・・・・・お客様、このチケットどうされましたか?」
切符もぎりを通っていなかったので不審に思われたらしい。
「あ、ごめんなさい。いま楽屋から出てきたモンで」
と半券を自分でちぎって案内係に渡したおいた。

○練習会場新宿村スタジオの男性用トイレ 何事にもユーモアが必要かな?






        *        *        *        *

週間フォト日誌

7月1日(月) 朝のベローチェ。『司馬遼太郎 全仕事』(文春文庫)より「わが
小説のはじまり」を読む。
明智光秀はノイローゼ状態だった。ノイローゼは小説の対象にはならない、と
いう話がおもしろかった。








7月2日(火)







7月3日(水) 最近、(伊藤園の)野菜ジュースにはまっている。




7月4日(木) 2週間ぶりのOB練習。(池袋 東京芸術劇場地下)






ワグネル/ガラコンの合同曲「草野心平の詩から」をおさらい--1番(30分)、
2番(20分)、3番(20分)、4番10分)。
(「草野心平~」の)「新メンバー」4人(T1;1、T2;1、B1;2人)の自己紹介が
あった。この日のTopパートは計11人。

OBルートで注文した小山由美さんのCD「ロシア歌曲集」が届いた。


小山由美「憧れを知る者のみが」(ピアノ;佐藤正浩)(6/20発売)

グリンカからショスタコーヴィチまでロシアの作曲家7人の歌曲が並んでいる。
ダルゴムィシスキー(1813-69)という作曲家の名前は知らなかったが、ひ
と言でいえば魅力的な曲だ。
「ロシア歌曲集(ロマンス)」のCDは意外と少ないので貴重だ。Mezzoの音
色も18曲に合っているようだ。ピアノ伴奏も色彩的ですばらしい。


7月6日(土) 関東甲信地方は梅雨明け。館林市では37.4℃を記録。
今週2回目のすみだトリフォニー。新日本フィル定期に大野和士が「ブル7」で
登場。この模様は7/11(木)臨時増刊にて。(ご期待ください)。

これよりしばらく音楽会の予定はない。



7/6(土)21:00よりテレビ東京「出没!アド街ック天国」のお知らせ
(会場ロビーにて)

21時 テレビ東京「出没!アド街ック天国 (錦糸町)」を視る。
すみだトリフォニーホールは第5位だった。
1位錦糸公園
2位アルカタワーズ(東武ホテル)
3位魚寅(鮨)


7月7日(日) 猛暑の七夕。1年前は畑中先生のお別れ会だった。→こちら


*誤字、脱字if anyはおって訂正します。


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