OB四連について、6月22日(土)がたっぷりの直前練習、23日(日)が本番
だったことはすでに書いた。実は22日(土)は、会員である新日本フィルの
定期公演(トリフォニー第2夜)で、D.ハーディング指揮のマーラー6番「悲劇
的」という魅力的なプログラムだった。(実際、名演だったようだ。)
21日(金)第1夜に振替しようかと考えたが、それも体力的にキツイ。
プログラムが変わってしまうが、やむなく28日(金)のサントリー定期に振替し
てもらった。その結果、今週は、音楽評論家並みの、演奏会「魔の3連チャン」
となってしまった。感想をまとめるのに一苦労(笑)。
振替席は2F LA-1-10・・・・・・ステージ左横(下手寄り)、指揮台まで7、
8mの、指揮者の顔がよく見える席だった。
<プログラム>
1.J.シベリウス 交響曲第5番 変ホ長調
2.ヴィトマン トイフェル・アモール--シラーに交響的頌歌(日本初演)
3.R.シューマン 交響曲第3番 変ホ長調「ライン」
指揮;D.ハーディング
コンサートマスター;崔文洙
2は、昨年4月、A.パッパーノ指揮ウィーン・フィルによって初演されたばかり
の曲で、むろん聴くのは初めてだが、シベリウスの5番も生で聴くのは初めて
ではないかしらん。
この日は1と3に変ホ長調の曲を並べた。変ホ長調は、いうまでもなくベートー
ヴェン交響曲第3番「英雄」の調である。
1.J.シベリウス 交響曲第5番 変ホ長調
19:19、D.ハーディングが登場。ハーディングは外国人にしては小柄かし
らん、身長は170cmあるかないか、身体も細身である。
私は、第1楽章出だしに注目していたが、ホルン、木管で始まる曲(北欧を
彷彿とさせる。)を、しばらく指揮台の譜面を見ないままに、指揮しながらペ
ージをめくっていった。
総じて、緊張感の中にデリカシーあふれる指揮だった。シベリウスの5番は
派手さのない、つまりは渋く、内省的な音楽で、カーッと熱狂するような部分
はない。しかし、曲が終わると、ブラーボッとブラボーが聴こえ、大きな拍手
となった。(お客様は知っている。)カーテンコールではホルン群が立たされ
た。
2.ヴィトマン トイフェル・アモール--シラーに交響的頌歌(日本初演)
伝統的なクラシックの調性にとらわれない現代曲。ハーディングは譜面に目
を落としつつ、ポイントごとに顔をあげて指示を出す。音響的には夢幻な世
界が広がる。このステージでは、ハーディングの指揮(--それは指揮法の
練習のようだ。)ばかり見ていた。その指揮から、どこからか金管の音なしフ
ッフッなどいろいろな「音」が生まれてきた。
この手の曲は、以前書いたかもしれないが、おもしろいっちゃおもしろい、つ
まらないっちゃつまらない。しかし、終わるとブラボー、ブラボー。客席の拍手
も多い。私の右隣の女性(他人)は演奏中うつらうつらしていたが、終わると
狂ったように(という表現はよかったかしらん。)拍手した。ハーディングは指
揮台のスコアを持って、それにおじぎをさせ、笑いを誘っていた。
3.R.シューマン 交響曲第3番 変ホ長調「ライン」
ハーディングは指揮譜面台に置かれたスコアを最初から最後まで閉じたま
ま、暗譜で振り切った。(--小澤征爾方式かしらん)。一般に、指揮は右手
で拍子、左手で表情を表すものだが、ハーディングは、左右の手を交互に
使って、拍子と表情を同時に表していた。
この曲はハーディングの「レパートリー」なのだろう。音楽はもたれず、前へ
前へと流れる。ハーディングの集中(没入)した顔が続く。ハー、ガーという、
呼吸の音が聞こえる。ロマン派の香りあふれる、これまたデリカシーの音楽
だった。
最近の演奏会はブルックナーとマーラーが演奏されることが多いが、たまの
R.シューマンもいいものだ。R.シューマンがおもしろくなった。サヴァリッシュ
の名盤を購入したくなった。
終演後、中年女性どうしの会話--
「昨日もあのへんに座ってたでしょ~?」
「昨日から4連チャンなのよ」
上には上がいるモンですね~(笑)。
自宅最寄り駅からの、バスでの、お隣の会話(私の知らない人)--
「いま新日本フィルを聴いてきたんですよ」
「ダニエル・ハーディングでしょ。彼はうまいよね」
世間は狭いですね~。
この日の夕食は大戸屋で「四元豚とたっぷり野菜の蒸し鍋定食」(900円)
サントリーホール
休憩中 2Fの喫茶コーナー
6月のダニエル・ハーディングと7月の大和和士
6月29日(土)東京交響楽団川崎定期(18時開演)に出かける。「3連チャン」
の2日目である。
この日の指揮者D.キタエンコはロシアの名匠、1940年8月生まれの72歳。
長らくモスクワ・フィルを振り、そのほかにはベルリン・フィルなど世界一流の
オーケストラを指揮している。前日のD.ハーディングといい、この日のD.キ
タエンコといい、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルを振る、超一流の指揮者を
いながらにして、接することができるのはすばらしい。
私の指定席は4階C 4列29番。3階まではエスカレーターがあるが、それ以
降4階の指定席までは階段を41段上らなければならない。お年寄りにはキツ
イかしらん。
開演前、お隣のご夫婦の会話--
「それ何時ごろだったの?」(奥様)
「言えない。時計見てなかったから」(ご主人)
<プログラム>
1.プロコフィエフ 交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番)*
2.ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調
指揮;ドミトリー・キタエンコ
チェロ;イェンス=ペーター・マインツ*
コンサートマスター;水谷 晃
1.プロコフィエフ 交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番)*
ソリストのマインツ(ドイツ)は長身、190cmはあるだろうか。キタエンコも大
柄、90kg以上はあるだろう。
この曲の初演は、1952年(決定稿は1954年)ソリストはロストロポーヴィチ
だったが、私は生まれて初めて聴く曲だけあって、初演を聴いているような
気持だった。3楽章制。第3楽章がおもしろかった。
アンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲第3番よりサラバンド。
2.ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調
この曲も、もしかすると、生を聴くのは初めてかもしれない。作曲は1906~
07年というからマーラーの時代である。当時マーラー(1860年生まれ)は
有名な指揮者だったが、ラフマニノフ(1873年生まれ)はもともとピアニスト
として著名だった。モスクワ音楽院(ピアノ科)卒業時には、金メダルを受賞
している。同時期、スクリャービンも僅差の金メダルだったようだ。
いま詳しく記述する時間がないが、演奏はすばらしく、この曲のCDを買いたく
なった。キタエンコ恐るべし。演奏が終わるとブラボーが続き、気がつくと私も
ブラボーを叫んでいた。オーケストラも大拍手の中、キタエンコは腰が悪いの
か(?)ほとんどおじぎをせずに、うなずきながら大拍手に応えていた。
ミューザ川崎4階で聴くオーケストラは、ブレンドした、実にいい音がする。
JR川崎駅南武線ホーム
混雑の中、上りと下りの指定された階段を無視しないで並んでいる。皆さん
マナーがいいですね~。
ミューザ川崎
7/28~8/11 オーケストラの夏が帰ってきた!!
開場したばかり
ミューザ川崎オープニングコンサート
秋山和慶/東響 マーラー交響曲第8番
喫茶コーナー
4F C-4-29より
岡本太郎作
後半のステージ
下の写真がキタエンコ
終演後
JR武蔵溝ノ口駅前のパフォーマンス もう少し揃(そろ)うと満点かな
田園都市線溝の口駅構内
ヴィドフランスでオレンジ・ワッサンを購入 ホント、おいしい!
6月30日(日) 現役学生諸君の東西四大学合唱演奏会(於すみだトリフォニ
ーホール)。佐藤正浩先生は2週連続してワグネル(OBと現役)を振る。
1.関西学院大学グリー
「永久ニ」鈴木憲夫作詩・作曲 指揮;広瀬康夫
2.早稲田グリー
「ことばあそびうたⅡ」谷川俊太郎作詩、新実徳英作曲
指揮;樋本英一 ピアノ;小林 功
3.同志社グリー
「風に鳴る笛」谷川俊太郎作詩、高嶋みどり作曲
指揮;伊東恵司 ピアノ;萩原吉樹
4.慶應ワグネル
「ふなたび」宮本益光作詩、加藤昌則作曲
指揮;佐藤正浩 ピアノ;前田勝則
合同演奏
「オラショ」千原英喜作曲 指揮;辻 博之
いずれ劣らぬ熱演に、「満腹感」でいっぱいとなった。
詳しくは次回の「人生ブンダバー」にて。
* * * *
週間フォト日誌
6月24日(月)
アジサイ三様
6月26日(木) 今週のOB練習は、演奏会の翌週で休み。
ベローチェにて 今週の一冊『新聞記者 司馬遼太郎』を読む。
産経新聞社『新聞記者 司馬遼太郎』(文春文庫)★★★★★
私の母は司馬遼太郎と同じく大正12年生まれ。今年は生誕90年である。
本書には昭和20~30年代の「福田定一」が記録されている。私が司馬遼
太郎を知った時、彼は40代だった。
メモをしながら読む。
6月28日(金) 午前、井上眼科クリニック。午後、虎の門病院で定期検診。
3/8以来の井上眼科クリニック
いつもどおり19階で待っていると、近くで看護師さんから「~さん、20階で呼
び出ししていますよ~」といわれている老婦人がいた。念のため、と思って、
自分の受診票を見たら、いつもと違って「20階でお待ちください」と書かれて
いた(笑)。(上の写真)
新御茶の水ビル19Fより
東京医科歯科大学病院
19階から見たニコライ堂
1991年郵便事業創業120年記念ポスト
金刀比羅宮
昼食 黄鶴楼 冷やし中華
杏仁豆腐付き
この日のGOT、GPTは、51と87。(前回5/24は53、95)。No.1368。
「横ばいでしたので薬は見合わせにしましょう。今はいい飲み薬ができてい
ますよ~」(鈴木先生)。鈴木先生とは15年以上のお付き合い。
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