9月30日(日) 時速45kmという速い大型台風が近づく9月末日。午前は池袋
でTopパートのOB練習。午後、台風接近を心配しつつ、しかし意外といい天気
の中、駒場東大前ムジク・ピアフォーヌの後藤友香理(ピアノ曲)レクチャー・コン
サートVol.2 「名曲再発見!」へ。
駒場東大前で降りたのは初めてである。チラシの地図を見ながら、ゆっくり歩く。
会場のムジク・ピアフォーヌは住宅地の中にあった。個人のお宅なのだろうか。
玄関で受付をすませ、地下1階のホールへ入ってビックリ!グランドピアノが2
台!(--スタインウェイとベーゼンドルファー)置かれていた。客席規模は60
人強である。
会場では、同じ会社の同期の(--といっても、厳密にいえば入社したのは別
会社で、しかも1年先輩であったが、定年はなぜかしらん同じ会社・部門で同じ
時期となった。)Yさんとバッタリ。開演前の歓談となった。Yさんは後藤さんのお
父様と同じ課だったことがあった、とか。
<プログラム>14時開演
1.F.リスト 愛の夢~3つのノクターン~
ソプラノ;河原真実
2.L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ第14番 作品27-2「月光」
--休憩--
3.R.シューマン 森の情景 作品82
森の入り口
待ち伏せる狩人
さみしい花たち
呪われた場所
親しげな風景
宿
予言する鳥
狩りの歌
別れ
1.F.リスト 愛の夢~3つのノクターン~
ソプラノ;河原真実
14時3分、拍手に迎えられ、後藤さんが登場。
--今日は台風も心配される中、お越しいただき有難うございます。今日は名
曲を少し違う視点から見てみたいと思います。まずリストの「愛の夢」は有名で
すが、実は「愛の夢」は3曲あった、ということはご存知でしょうか。(知らなかっ
た~!)有名なのは第3番でして、第1番、2番、3番とも、最初は歌曲として発
表されています。今日はソプラノの河原さんに来ていただきました(拍手)ので、
歌曲との聴き比べをお楽しみください。(後藤さん)
第1番「高貴な愛」(詩;L.ウーラント)
第2番「私は死んでしまった」(詩;L.ウーラント)
1番、2番とも歌曲のあとにピアノの演奏が行われた。解説いただいたように、
歌曲はシンプルであるのに対して、ピアノ独奏曲(編曲版)はよりロマンチック、
ドラマチックになっている。(--歌曲では歌詩による表現?)河原さんは、そ
の対比が分かるようにかしらん、ロマン的な歌唱を控え、楽譜に真摯な歌唱を
聴かせてくれた。
第3番「おお、愛し得る限り愛せ」(詩;F.フライリヒラート)
ここではピアノ独奏が先に、後から歌曲版が演奏された。歌曲版は、畑中良輔
先生が指揮されたワグネルの男声合唱版を聴いている。知らなかったが、ピア
ノ版と歌曲版はまったくの別物と考えた方がいいほど、ピアノ版は「はなやかさ」
(後藤さん)のある楽譜、編曲だった。
リストはピアノの天才だったから、ピアノ版の「編曲」も即興的なものであったの
かもしれないなどと考えながら聴いていた。
2.L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ第14番 作品27-2「月光」
--「月光」という名前はベートーヴェンが付けたものではありません。(へ~、
そうだった?)ドイツの詩人ルートヴィッヒ・レルシュタープが第1楽章について
「湖の月光の波にゆらぐ小舟のように」といったことから来ています。ベートー
ヴェン自身は「幻想曲風ソナタ」といっていました。
ここで一般的なソナタの形式と「月光」ソナタの形式について詳しい説明があり、
なるほど~と合点!(プログラムに掲載された図が勉強になった。)この後、後
藤さんの演奏が行われた。
第1楽章は深い呼吸というのかしらん、これしかないというテンポですばらしかっ
た。第3楽章はリストらしい超絶技巧。インテンポの中にもわずかな緩急のある
演奏にひきつかれれた。あらためてじっくり「月光」を聴き、テンポの遅い第1楽
章はシンプルな難しさがあることに思いがいたった。
--休憩--
3.R.シューマン 森の情景 作品82
森の入り口
待ち伏せる狩人
さみしい花たち
呪われた場所
親しげな風景
宿
予言する鳥
狩りの歌
別れ
--後半はシューマンの「森の情景」です。知らない方が多いかもしれません
が、9曲からなる小さな組曲です。この中では「予言する鳥」が有名です。
ロマン派の時代は、神秘的なもの、不思議なものや遠い遥かなものへの憧れ
(--Sehnsuchtだったかしらん?)がありました。深い森は、得体の知れな
い奥深いものというイメージがあり、「白雪姫」や「ヘンゼルとグレーテル」など
のおとぎ話にも登場します。森には人の力が及ばない、魔法などが宿ってい
ると考えられていました。前半はスタインウェイで演奏しましたが、後半のシュ
ーマンは、オーナーさんのご厚意で、ベーゼンドルファーでおおくりします。
この曲は、私自身は初めて聴いたが、いかにもシューマンといおうかロマン派
といおうか、ほどよいアゴーギクのある演奏だった。第8曲「狩りの歌」(難曲)
では、シューマンの男声合唱曲「狩りの歌」を思い出し、思わず拍手をしそう
になった。
終曲「別れ」が余韻をもって終わると、名残惜しそうにいつまでも拍手が続いた。
--本日は台風迫る中、お越しいただき有難うございました。第1回のレクチャ
ーコンサートではアンコールを用意していたのですが、アンコールムードもなく、
終わってしまいました(笑)。で、今日はアンコール曲を用意していなかったの
ですが、(多くの拍手をいただいたので)第7曲の「予言する鳥」を、スタインウェ
イでおおくりします。
スタインウェイで演奏された「予言する鳥」は、組曲の中のそれとはまた違った、
クローズアップされた印象だった。
今回のレクチャーは、大変におもしろく、勉強になった。Vol.3があればぜひま
た聴きに行きたい。終演15:45.
<プロフィール>
後藤友香理さん
桐朋女子高校音楽科、桐朋学園大学、東京藝術大学大学院修士課程を経て、
同大学院博士後期課程修了。シューマンのピアノ曲に関する研究で博士号を
取得。
ロゼ・ピアノコンクール学生の部、優勝。第12回コンセール・マロニエ21ピアノ
部門入選。ウィーン国立音楽大学マスタークラス参加、同マスタークラス内ディ
ヒラー・コンクールで第1位。
これまでにピアノを市村光子、紅林こずえ、御木本澄子、植田克己の各氏に師
事。現在、東京藝術大学、埼玉学園大学非常勤講師。
河原真実さん
桐朋学園大学音楽学部演奏学科声楽専攻卒業、同大学研究科3年修了。第
53期二期会オペラ研修所マスタークラス終了。中丸三千繪、塚田佳男、瀬山
詠子、フィオレンツァ・コソット、各氏の特別レッスン受講。三塚至、三塚直美、
後藤寿子、木村俊光、各氏に師事。アンサンブルグループ「レガーロ東京」、
「オリーブ」メンバー。捜信女学校非常勤講師。
8:44 自宅を出発する時はこんなにいい天気
12:10 OB練習後、池袋のスープストックにて
12:46 渋谷ハチ公前もこんなにいい天気
12:52 渋谷スタバにて一服
12:52 スターバックス店内
13:31 井の頭線駒場東大前
13:34
13:36
13:38 住宅地を進む
13:38
13:39
13:42 今回のコンサート会場 ムジク・ピアフォーヌ
13:45 左スタインウェイ、右ベーゼンドルファー
16:07 帰りの渋谷 既に傘をさしている
17:09 一番上の写真と同じ場所から 台風が急接近
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