人生ブンダバー

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長谷川慶太郎『中国は民主化する』 & 宮崎紀秀『習近平vs.中国人』

2020-06-11 05:00:00 | 読書

比較的新刊の「中国本」を二冊読む。
一冊は、昨年亡くなった長谷川慶太郎の『中国は民主化する』(SB
クリエイティブ2020/3刊)であり、もう一冊は宮崎紀秀『習近平vs.
中国人』(新潮新書2020/3刊)だ。

最近思い出したことだが、高校時代、杉野という漢文の先生が「本
を買う時は、本のどこを見るか」を教えてくださった。

「まずは、本を手に取って、1にタイトルと筆者(これは誰でも見
る?)。2に奥付(おくづけ)、これを見ることによって、発行日、
刷数などを知ることができる。刷数が多ければ、その本の人気が分
かる。最後に目次を見る。目次を見ることによって大体の内容を知
ることができる」
というものだった。

目次には、親切なというか詳しいものがあるので、内容把握には便
利だ。

両書ともかなり詳しい目次だが、ここでは参考までに大きな目次だ
け書いて、その後、内容の一部を紹介しよう。


長谷川慶太郎『中国は民主化する』
(オーバーにいえば)日本の新聞はいくら読んでも世界情勢は分か
らない。長谷川慶太郎は何を情報源としているのかについては、し
ばらく置くとして、日本の新聞には書かれていないことをはっきり
書いている。

<目次>
1.なぜ習近平は権力を集中させるのか
2.共産主義は人類を幸せにしない
3.中国は民主化する
4.中国は北朝鮮を捨てる
5.私の予言が当たるわけ

1.なぜ習近平は権力を集中させるのか
 2018年の全人代において、汚職摘発で手柄を立てた王岐山中央規律検査委員会
 書記は国家副主席となりました。そして習近平と王岐山の二人に任期はなくな
 りました。なぜ習近平は権力を集中させて、自分の方針に従わない権力者を汚
 職撲滅という「武器」を使って排除してきたのか。その答えは実は「中国の民
 主化」にあります。

2.共産主義は人類を幸せにしない
 共産主義国家である中国当局が発表するここ数年のGDP統計はインチキだとい
 うことです。

 日本の新聞やテレビでは報じられていませんが、中国の企業はいきなり工場を
 閉鎖して、労働者を締め出し、クビにすることがしばしばあります。・・・・・・現
 在、中国の「一帯一路」政策で、海外でのインフラ整備工事に農民工が大量に
 派遣されていますが、これは中国に何億人もいる失業者を少しでも減らしたい
 ためです。

3.中国は民主化する
 私はそう遠くない時期に、中国共産党による一党独裁体制は崩壊するのだろう
 と考えております。

4.中国は北朝鮮を捨てる
 中国にとっての北朝鮮とは、民主主義国家との緩衝地帯です。ですので、中国
 が共産主義国家でなくなればいらなくなります。民主化を成し遂げれば中国は、
 不要になった北朝鮮を切り捨てるでしょう。・・・・・・北朝鮮の崩壊は一瞬です。
 それだけに衝撃は大きくなります。

5.私の予言が当たるわけ
 マスコミを賑わせている評論家、専門家、あるいはジャーナリストは、怠慢だ
 ということです。たとえば自分で取材して確認する人が少なくなったような気
 がします。


はたして、たとえば3年内に北朝鮮は崩壊し、5年内に中国は民主化
するか--楽しみに見極めたい。

長谷川先生は「自信満々」だが、・・・・・・。
--自信満々が一番怖い??

もっとも最近の動きを見ていると北朝鮮の崩壊は近いかな?

ちなみに、長谷川はソ連崩壊をその6年前に「予言」している。


「ジニ係数」という経済指標がある。→こちら
所得格差、貧富の差を示す指標であり、0.4(以上)は騒乱警戒レ
ベルであり、0.5を超えると慢性的に暴動が起こりやすいという。

欧州は総じて低く、スウェーデンは0.23、EU平均は0.31だ。
日本は0.38だが、米国は0.45、中国は0.47(?)と推計されている。
香港は0.54だ。

米国や香港は、デモが暴徒化しやすいが、こんなところにも原因が
あるのかもしれない。
中国も今は抑えられているが、暴動が起きるのかもしれないし、一
部では既に起きているという。


長谷川慶太郎『中国は民主化する』(SBクリエイティブ)



宮崎紀秀『習近平vs.中国人』
元日テレ社員であり、現NNN中国総局特約記者の宮崎氏による中国
レポートだ。
日本の新聞には載らない話が多いが、話が具体的であり、「おそら
く」(maybe so)本当なのだろう。

一つ例を挙げれば、中国では、長年の一人っ子政策で、農村では男
児不足のため、子供の誘拐が大変多いという。
そういえば、私が子供の頃、世田谷区に住んでいたが、その頃の日
本も「人さらい」が多かった。
以前、イタリア旅行した時、イタリアも子供の誘拐が多く、必ず保
護者が送り迎えしているということだった。

<目次>
1.腐敗官僚と暴露愛人
2.無罪でも死刑にされる国
3.平凡な日常も命がけ
4.色と金と憎しみと
5.それでも「六・四」の火は消えず
6.ある日、夫が消えた


宮崎紀秀『習近平VS.中国人』(新潮新書)


<Memo>
6/7(日)午後、溝の口から千年バス停下車、子母口富士見台へ。



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2 コメント

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長谷川慶太郎 (sho)
2020-06-11 13:54:13
中国は「民主化する」よりは「崩壊する」と書いた方が本は売れるようです。後5年は生きねばなりませんね。本棚の著者、渡部昇一、長谷川慶太郎、岡崎久彦、梅原猛、堺屋太一、皆さんお亡くなりになりました。でも古典となって将来も生き残る本だと思います。
返信する
Unknown (katsura1125)
2020-06-11 16:59:43
shoさん、早速のコメント有難うございます。

最近、書店に並んでいる本を手に取ると、昭和50(1975)年生まれの著者が散見されます。昭和50年生まれというとわれわれの学生時代に生まれた方ですが、いまや45歳と壮年バリバリなんですね~(笑)。
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