10月22日(金)14時、ミューザ川崎にて、小林研一郎/読響の
チャイコフスキープログラムを聴く(スポットで購入)。
この日は、南武線が一時運転見合わせのため、横浜まわりで川崎
へ。横浜からあやうく横須賀線に乗るところだった(横須賀線で
は川崎ではなく、新川崎に行ってしまう)。
個人的には初めて平日のマチネーで、人は入るのかしらんと行っ
てみたら、高齢者を中心に多くの人が詰めかけていた。
ある高齢者は、案内係に「ここは何回来てもフロアーが分からな
くて・・・・・・」とつぶやいていた。
14時、アナウンス:「演奏の最後に指揮者のタクトが下りるまで、
拍手をお控えください」等々。
<プログラム> チャイコフスキー
1.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35*
--休憩--
2.交響曲第5番 ホ短調 op.64
指揮:小林研一郎
ヴァイオリン:服部百音*
コンサートマスター:小森谷巧
以下、いつもながら、つたない寸評を・・・・・・
以前書いたが、私の聴いた初期の演奏会は、岩城宏之/N響の
チャイコフスキープログラムであり、ソリストは前橋汀子だった。
ちなみに、この時の交響曲は第4番。
1.ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
チューニングを終えた読響が静かに待つ中、銀色系ドレス、長身
の服部さんと、マスク姿の小林さんが登場(以下敬称略)。
指揮台は斜めに置かれている。弦楽5部は12型(12-10-6-8-4)。
(1)オケの序奏部から服部のヴァイオリンへ。はたして大胆な
デュナーミクというか、繊細にして大きな演奏だ。
小林は、服部のソロに対して、暗譜と右手による小さな振りでオ
ケをコントロール。オケによるfの全奏になるや、両手を万歳ポ
ーズ。オケは放たれたかのように伸び伸びとした強奏だ。
小林が指揮棒を左脇に収めると、服部のカデンツは入魂の超絶技
巧(--こんな調子で書いていくとキリがない)。
(2)管楽器による序奏は、クラリネット、ファゴットが大きめ
だ。服部のソロは一転して、大変繊細に奏でる。デリカシーの極
みである。
(3)attaccaによる第3楽章。服部のソロからは、よりコンセン
トレーションの高まりが伝わってくる。小林もfはより大きく、
pはより小さく、デュナーミクの大きな演奏だ。木管の掛け合い
もチャイコフスキーらしく、すばらしい。
小林の指揮は何回やってもほとんど変わらないのではないかしら
ん。
余談だが、終盤のいい所でガタンと手荷物を落とされた方がいた。
服部は、小林と肘タッチ。小林から「コンマスにもどうぞ」とう
ながされて、ほほえましく、コンマスとも。
何回ものカーテンコールに応え、小林から「やるの?どうぞ」と
いう感じで、超絶技巧のアンコール。バッハではなく、パガニー
ニでもなく、と思ったら、クライスラー「レチタティーヴォとス
ケルツォ・カプリース」であった。
最後は、止まない拍手の中、前後の客席に90度の最敬礼で退場し
た。
2.交響曲第5番 ホ短調 op.64
小林の十八番チャイ5は、CD(2枚)で聴き込んでいる。LIVEで
も、別のオケとの演奏で聴いている。テンポの変化、アゴーギク
も手の内だ。
今回は、オケも読響ということで期待たっぷり。弦楽5部は14型と
一回り大きくなる。
指揮台は通常どおり正面を向く。むろん譜面台はない。
(1)小林の音楽は、序奏から、中腰の前かがみで、思い切った
アゴーギク。オケも見事にピタリとつける。わずかに長い「間」
(休止)がすばらしい。自家薬籠中の物とはこのことを言うのか
しらん。
全奏のfでは、小林の「思いっきり行きましょう」という声が聞
こえるかのようだ。メリハリが効いている。
(2)ここでもテンポの変化が大いに楽しめる。ホルンのソロで
は、いつもこちらが緊張する。フルトヴェングラー的な長い「間」
にゾクゾク。その他弦のピッツィカート伴奏による第1ヴァイオリ
ンが美しい。後半のrit.で、小林は大きくのけぞり、「土俵際の粘
り」だ。
(3)小林は、3拍子を一拍に、ほとんど振らないワルツだが、
rit.で大きく振り分ける。中間部はここという所で大きく腰を落と
す。身体の動きと音楽が一体となり、歌舞伎の型のようだ。
(4)休みも短く、最終楽章へ。「運命のテーマ」の音楽。ここ
でも、fはより大きく、pはより小さく、まことにデュナーミク
の大きい音楽だ。クレッシェンド、デクレッシェンドも効いてい
る。
一転して、Allegro vivaceは驚くほど猛烈な速さに。弦がコンマス
と一緒に揺れる。小林は集中力の中腰だ。fffでは単なる強い
音ではなく、何かが起きている世界に入る。
いくつもの場面転換があってCodaへ。最後の最後は、パンパンパ
ンパンと、大変にゆっくり念押しした。
コロナでなければ、ブラボーを叫んでいただろう。大拍手の中、
コンマスと肘タッチ。まずホルンを立たせ、木管席に近づき、ク
ラリネット、フルートというように順に立たせていった。
P席では「ブラボー・タオル」を掲げる女性も出現。
最後はマイクを片手に登場--ステージマナーよろしく、「土日
でもないのに、コロナの中、皆さん大勢のオーラをいただき、至
福の時に有難うございます。すっかり疲れちゃったのでアンコー
ルもなしにしたいところでございますが(拍手)、(終楽章)最
後の部分だけ、もう一度、1分半ほどを演奏させていただきます」。
ただちに、今度は指揮棒なしを使わない指揮で締めくくった。
はたして服部、小林、読響に大満足の演奏会であった。
小林のチャイコフスキー(と指揮)は音楽もさることながら、オ
ーバーに言えば、一種の「芸」に達しているのではないかしらん。
当日のプログラム冊子
12:01 大場町 小雨
12:13
12:14 あざみ野駅前 菅、高市来たる。
12:15 横浜市営地下鉄へ
12:16 あざみ野
12:49
12:51 JR線へ
12:52
12:53 おっと、横須賀線に乗りそうに
12:58
12:59 東海道線
13:09 川崎着
13:12 川崎市長選もやっている。
13:14 丸善に少々顔を出す。
13:22
13:23 選挙演説真っ盛り
13:24 演奏会に向かう人々
13:26
13:28 大勢のお客さま
13:28 まずは手指の消毒
13:29 プログラムをピックアップ
13:31
13:33 座席より
13:35 喫茶コーナーはずっと休み
14:55 休憩中
14:57
16:01 お開き 分散退場に
16:03 3階は「そのままお待ちください」
16:05
16:08
16:08
入場時、鍵を抜くのを忘れていたが、なくなっていなかった。
16:09
16:12 読響のメンバーも家路に
16:13
16:13 帰りは南武線で
16:36 武蔵溝ノ口
16:42 溝の口
16:51 鷺沼
16:57 あざみ野着
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この日(10/22)午前中は散髪。すっかり「床屋談義」で盛り上
がる。
9:30
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