勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

僕と世界の方程式 / X + Y

2017年01月28日 | 洋画(イギリス系)
ずば抜けた数学の能力示す少年が、金メダルを目指して国際数学オリンピックに出場する姿を描いた作品。

“gifted”の少年ですね、ネイサンは。親がその能力に気付かないと、子供は可哀想なことになるんですが、幸いネイサンの場合、親がネイサンの能力に気付いた事で、彼の能力は更に(多分)伸びる事になります。結果それが、国際数学オリンピックへの出場につながります。言い方的には自閉症ということになるんでしょうけど、そんなネイサンをエイサ・バターフィールドは上手く演じていました。

国際数学オリンピックで出会う中国代表の少女がチャン・メイ。彼女のセリフに「台湾が羨ましい」と言う趣旨の言葉が出てきたのにはビックリ。本当の中国人、あるいは香港人は言えないセリフだよなぁと思ったら、演じていたジョー・ヤン(焦陽)は中国系イギリス人でした。プロフィールによれば、生まれは中国ですが、8歳からロンドンで育ったようです。その後、北京電影学院卒業し、中国の映画作品にも出演していたようです。でも、あんなセリフを言ったら、もう中国には行けないよね。

見終わって思ったのは、この作品は青春映画ですね。ネイサンの将来に光あれ。

タイトル 僕と世界の方程式 / 原題 X + Y (A Brilliant Young Mind)

日本公開年 2017年
製作年/製作国 2014年/イギリス
監督 モーガン・マシューズ
出演 エイサ・バターフィールド(ネイサン・エリス)、レイフ・スポール(マーティン・ハンフリーズ/数学教師)、サリー・ホーキンス(ジュリー・エリス/ネイサンの母)、エディ・マーサン(リチャード・グリーブ/マーティンの知人、数学オリンピック事務局員)、ジョー・ヤン(チャン・メイ/数学オリンピック中国代表)、マーティン・マッキャン(マイケル・エリス/ネイサンの父)、エドワード・ベイカー=クローズ(ネイサン・エリス(9歳))

奇蹟がくれた数式 / The Man Who Knew Infinity

2016年10月23日 | 洋画(イギリス系)
インドの天才数学者ラマヌジャンと、彼を見出したG・H・ハーディとの交流の実話を描いた作品。

本当に、ラマヌジャンとハーディの交流しか描かれていません(笑)。そう言う意味では、ラマヌジャンが、なぜ数学に興味をもったのかと言う事が判らないので、突然現れた天才と言う風にしか感じません。でも、色々と調べてみると、彼は、数学に熱中するあまりに途中退学となってしまって卒業はしていませんが、大学に入学はしているんですね。でも、そう言う背景がなくても、ラマヌジャンとハーディの人と人の交流という観点を描いている物語なので、特に障害にはなりません。

何と言っても、ジェレミー・アイアンズかなぁ。こう言う学者のような役が似合いますねぇ。彼は、その昔『ダイ・ハード3』でテロリストを演じたりもしていますが、そのテロリストも、どこかしか知性を感じさせるものだったことを思い出しました。

ラマヌジャンを演じたデーブ・パテルですが、彼は『スラムドッグ$ミリオネア』で、主演の少年を演じていたんですね。って言うか、『スラムドッグ$ミリオネア』も天才的な才能を示した人物を演じていたので、そう言う天才の役に彼は縁があるんですね。って言うか、デーブ・パテル、『チャッピー』にも出ていたか。

数学の話は、XX問題とか言うように、その命題は出てきますが、何かを計算するなどは出てきませんので、数学が苦手でも大丈夫です(笑)。上記に記したように、子弟あるいは同じ数学を志す友人同士の交流を描いた作品です。中々、面白かったです。

タイトル 奇蹟がくれた数式 / 原題 The Man Who Knew Infinity

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 マシュー・ブラウン
出演 デーブ・パテル(シュリニヴァーサ・ラマヌジャン)、ジェレミー・アイアンズ(G・H・ハーディ)、デビカ・ビセ(ジャナキ)、トビー・ジョーンズ(ジョン・リトルウッド)、スティーブン・フライ(サー・フランシス・スプリング)

われらが背きし者 / Our Kind of Traitor

2016年10月23日 | 洋画(イギリス系)
ネタバレあり。

ジョン・ル・カレの小説『われらが背きし者』の映画化。

原作が2010年の出版なので、最近の世界情勢をある程度反映しています。ジョン・ル・カレと言えば、『寒い国から帰ってきたスパイ』や『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』などが有名ですが、『寒い国から帰ってきたスパイ』は1963年、『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』が1974年と、冷戦華やかなりし頃の出版なので、冷戦が集結し、国と国の正規戦ではなくなりテロとの戦いになり、中国が台頭してきている今の時代とは乖離を感じますが、それを感じさせ無かったのは、そう言う事なんですね。まぁ、それら冷戦の頃の作品も、「冷戦のころは、そうだったんだなぁ」と思えば、特に違和感は無いですけどね。

う~ん、ユアン・マクレガーが大学教授ですか・・・。残念ながら、あんまりそう言うイメージじゃないですねぇ。なんか軽い・・・。ちょっとそこが残念かな。ナオミ・ハリスの弁護士には、それほど違和感は無かったんですけどね。

原作がジョン・ル・カレなので、アクションよりは抑えたリアリティと言うところでしょうか。エスピオナージなので、少し派手なアクションを期待していると、外されます。

タイトル われらが背きし者 / 原題 Our Kind of Traitor

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/イギリス
監督 スザンナ・ホワイト
原作 ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』
出演 ユアン・マクレガー(ペリー)、ステラン・スカルスガルド(ディマ)、ダミアン・ルイス(ヘクター)、ナオミ・ハリス(ゲイル)、ジェレミー・ノーサム(オーブリー・ロングリッグ)、ハリド・アブダラ(ルーク)、マーク・ゲイティス(ビリー・マットロック)

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years / The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years

2016年10月01日 | 洋画(イギリス系)
オノ・ヨーコやポール・マッカートニー、リンゴ・スターの協力の下に制作された、ザ・ビートルズの公式ドキュメント映画。

ビートルズのヒットナンバー満載ですよ。って言うか、わたしが生まれる前の出来事のはずなのに、出て来る曲の殆どが判るというのはどういう事なんでしょうね?やっぱりビートルズは、50年の時を経てまで影響力が有る、唯一無二で空前絶後のグループだったということなんでしょうね。

公式ドキュメント映画なので、ネガティブなことについてはあまり触れられていません。その一つが、“5人目のビートルズ”の事。メジャーデビュー前に居たはずのメンバーに全く触れていません。そうなっちゃうのかな。

それと、後に『ビートルズを解散させた女』と非難される事にもなるオノ・ヨーコについても、全く触れていません。彼女に関しては、この作品の制作に協力しているので当然なのかもしれませんが、それでも、ビートルズの後半の活動に関しては大きな影響があったと思うんで、なにがしら触れても良かったんじゃないかと思いますがね。

この作品で描かれているのは、メジャーデビューの頃から、ライブ活動を止めてしまうまでの頃で、ライブ活動終了後から解散までの活動についてはほとんど描かれていません。唯一とも言っていい映像は、『ルーフトップ・コンサート』と言われるアップル社の屋上での映像のみ。あれを見ると「彼らは本当は自由に音楽を奏でたいんだな」と言う気持ちになりますね。束縛なく演奏している彼らは楽しそうでした。

それと思ったのは、ビートルズだけではなく、多くのバンドやグループ、歌手に当てはまることだと思うんですが、デビューしたての頃は、只々音楽が楽しくて、みんなに自分の音を聞いてもらうのが楽しくているんですが、商業的に成功すると、業界の様々なしきたりや、群がってくる有象無象から、いろんなプレッシャーを受けたり、自分自身でしがらみを感じたり、あるいは、音楽性に迷ってしまったりするんだなぁと。ビートルズの場合も、始めの頃は本当に楽しそうに演奏しているんですが、後半のライブ活動を止める頃になってくると、なんか苦しそうに演奏しているように見えました。

本編終了後、1965年のニューヨーク、シェイ・スタジアム公演の映像が流れますので、本当に最後になるまで席を立ってはいけません。

いやぁ、でも、数々のヒットナンバーを聞いて気分が高揚してしまいました。ビートルズファン必見です。

タイトル ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years / 原題 The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/イギリス
監督 ロン・ハワード
出演 ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、ブライアン・エプスタイン、シガニー・ウィーバー、ウーピー・ゴールドバーグ、エルビス・コステロ、浅井慎平

ダーク・プレイス / Dark Places

2016年06月25日 | 洋画(イギリス系)
『ゴーン・ガール』の原作者の新たな小説の映画化。

なるほど~。そう来ますか。

この手の作品は、最後に所謂“衝撃の結末”が待ち受けている訳ですが、これも、意外と言えば意外な結末で、しかも、色んな出来事が絡んでいたということなんですね。とは言っても、メインの事件の“犯人”がアレなのは、ミステリーと言うかサスペンスとしては、禁じ手ではないかと?もう一つの出来事と絡んできたので、そんなに酷い感じとは思いませんでしたが、そっちの出来事がなければ、かなり酷い結末だったかも。だってさぁ、犯人が・・・(以下自粛)

この作品で、シャーリーズ・セロンのいいところ、出ていましたかね?正直言って、表現力が必要とされるような感情の発露のシーンが有るわけでもなく、比較的淡々と進んでいったと言うと言い過ぎでしょうか。そう言う意味で、主演がシャーリーズ・セロンであった理由がよくわかりません。

それと、所謂“殺人クラブ”が、この一家惨殺事件解決を計ろうとしていたわけですが、殺人クラブが出てくるのは最初だけで、あとは、シャーリーズ・セロンが自分で色々と調べごとを進めていった感じですよね。そう言う意味で、殺人クラブの設定が甘かったのではないかと思います。

などと、結構キツイことを書いていますが、サスペンスとしては、まぁまぁ面白い作品だと思います。悪くはないです。

タイトル ダーク・プレイス / 原題 Dark Places

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス・フランス・アメリカ
監督 ジル・パケ=ブレネール
出演 シャーリーズ・セロン(リビー・デイ)、スターリング・ジェリンズ(若き日のリビー)、ニコラス・ホルト(ライル・ワース)、クロエ・グレース・モレッツ(若き日のディオンドラ)、クリスティーナ・ヘンドリックス(パティ・デイ/リビーの母)、コリー・ストール(ベン・デイ/リビーの兄)、タイ・シェリダン(若き日のベン)、アンドレア・ロス(ディアンドラ)、シャノン・コック(若き日のトレイ・テーパノ)、J.ラローズ(トレイ・テーパノ)、ドレア・デ・マッテオ(クリッシー・ケイツ)、アディ・ミラー(若き日のクリッシー・ケイツ)

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 / A Royal Night Out

2016年06月04日 | 洋画(イギリス系)
第2次世界大戦で、連合国がナチス・ドイツを打ち破った1945年5月8日。後にエリザベス2世として即位する若きエリザベス王女が、戦勝を喜ぶロンドンの街なかにお忍びで外出した一夜を描いた物語。

“リアル・ローマの休日”ですね~。当時、王位継承者だったエリザベスが、VE DAYにお忍びでお城の外に出たのはどうやら本当らしいのですが、ここまでの冒険が行われたかどうかは・・・?まぁ、無いでしょうね。

でも、この作品、長女として王位継承者として規律を守ろうとするエリザベスと、次女で、自由奔放なマーガレットの性格が上手く描かれていて、その対比と、マーガレットの奔放な行いで騒動が引き起こされる件なんかは、物語的に上手く行っていると思います。

また、外出を始める頃は、まだ自覚が足りない王位継承者だったエリザベスが、一般国民に交わって、様々な経験をしながら、その言葉を直に聞くことで、徐々に王位継承者としての自覚を強めていく描写も良かったですね。

そして何と言っても、そのエリザベス王女を演じたサラ・ガドンが中々の美形。エリザベス2世の戦時中の頃の写真を見てみると、似ていなくも無いかも?

それにしてもちょっと不思議に思ったのが、王位継承者の顔をみんな覚えていないんでしょうかね?日本では、皇太子さまや秋篠宮さまとかの顔は何となく覚えていますが、悠仁さまがどうかと言われると・・・なので、そう言うもんなんでしょうかね?

・・・と、ここまで書いて気が付きました。よく考えてみると、この時代まだテレビが無いので、お姿を見ると言う機会が今と比べると圧倒的に少ないですよね。当然、新聞の写真に写ることは有るかもしれませんが、テレビの広がりに比べるとね。それに、新聞だと当然国王がメインですから、王位継承者とは言え、エリザベスや、ましてマーガレットの姿を知る人は数少なかったでしょうね。まぁ、そう言う時代背景を考えると、この物語は、成立するなとおもいました。逆に、テレビは言うに及ばず、SNS社会の今、こう言うお忍びで出て行って・・・と言う物語は成立しないですよね。

中々、面白い物語でした。サラ・ガドン美人だし(^^)v

タイトル ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 / 原題 A Royal Night Out

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 ジュリアン・ジャロルド
出演 サラ・ガドン(エリザベス王女)、ベル・パウリー(マーガレット王女)、エミリー・ワトソン(エリザベス王妃)、ルパート・エヴェレット(国王ジョージ6世)、ジャック・レイナー(ジャック・ホッジス)

ノーマ、世界を変える料理 / noma: my perfect storm

2016年05月01日 | 洋画(イギリス系)
英レストラン誌が選出する「世界ベストレストラン50」で何度も1位に輝いた人気レストラン「noma(ノーマ)」のオーナーシェフ、レネ・レゼピの2011年からの4年間を描いたドキュメンタリー。第63回サン・セバスチャン国際映画祭キュリナリー・シネマ部門の最優秀作品賞「TOKYO GOHAN AWARD」を受賞。

映画のパンフレットを見ると、2013年nomaがノロウイルス騒ぎを引き起こしてから、翌2014年に復活する事が中心の作品と誤解しそうですが、そうではありません。その前からこの作品は撮られています。もちろん、ノロウイルス禍は、この作品の重要なポイントの一つではありますが、メインではありません。

この作品で描こうとしていたのは、レネそのもの。レネがマケドニア難民の子でだったとか、レネの父親がイスラム教徒であったことから、レネがここまでくるまでどのような差別や苦労をしてきたのかという事を語っているレネの表情は、何とも言えない硬い表情をしていた気がします。レネが北欧の素材に拘った料理を作り続けるのは、そう言う、差別を受けてきたこととは無関係ではないと思いますし、ノロウイルス禍がレネに与えた不安は、「これを原因で、再び虐げられたら・・」と言う一般のデンマーク人シェフとは違うものもあったのではないかと思います。逆に、そう言うこれまでの自分の受けてきた扱いをバネにして、nomaを作り上げてきたということも言えると思いますけどね。

面白いのが、「Umami」と言う言葉と、「Hondashi」と言う言葉が出てきたこと。作品中で料理人達が、自分のアイディアを料理に仕立てたシーンでの事ですが、旨味とか本だしは世界語になっているんですね?!日本人のような料理人も居たので、レネの所で修行している日本人もいるんですね。それと、エンドロールで、作品中で出てきた料理の一覧が出ていたことにも注目。文字が小さいし、数も多いので全くわかりませんでしたが(笑)。

そうそう。日本では今年(2016年)1月31日に公開になった『99分,世界美味めぐり(Foodies)』でも、nomaについて触れられていました。

タイトル ノーマ、世界を変える料理 / 原題 noma: my perfect storm

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 ピエール・デュシャン
出演 レネ・レゼピ

アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち / The Eichmann Show

2016年04月29日 | 洋画(イギリス系)
ナチス将校ルドルフ・アイヒマンを裁いた“アイヒマン裁判”。この裁判をテレビ中継することにより、ナチスの残虐非道な行為を白日の下に明らかにしようと働いたテレビマンたちの活躍を描く物語。

このアイヒマン裁判が白日の下に晒されるまでは、ナチスの強制収容所でのユダヤ人抹殺作戦は、『大げさ』『ありえない話』と言う扱いだったんですね。それが、SURVIVORと呼ばれる生存者達に寄る“証言”から、明らかになって行く・・・。歴史の一コマを見る感じです。

って言うか、この映画は、アイヒマン裁判自体ではなく、アイヒマン裁判を世界にしらしめるためのTV中継の為に尽力したテレビマンたちの活躍を描いているわけですが、それでも、上記の生存者達の証言への言及は避けられません。ほんの触り程度ですけど、それだけでも、その証言には戦慄しました。アイヒマン裁判は4ヶ月間続き、その間連日テレビ放映(もちろん録画)されたそうですが、この内容が放送されたのだとしたら、衝撃ですよね。

この映画自体には、映画のために撮影したシーンの他、当時の映像そのものが使われています。その当時の映像が「これは現実なんだ」と言う感をより強めています。

戦後70年を超えました。歴史は遠くなりにけり・・・とならないよう、こう言う作品が、未来への警鐘としてこれからの時折作られて行くことを祈念してやみません。

タイトル アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち / 原題 The Eichmann Show

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
出演 マーティン・フリーマン(ミルトン・フルックマン)、アンソニー・ラパリア(レオ・フルビッツ)、レベッカ・フロント(ミセス・ランドー)

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 / Mr. Holmes

2016年03月20日 | 洋画(イギリス系)
ネタバレあり。

今年は、シャーロック・ホームズの何か記念の年なんですかね?ベネディクト・カンバーバッチの出世作のテレビシリーズ“SHERLOCK シャーロック”の特別編『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁(Sherlock: The Abominable Bride)』が公開されますしね。シャーロック・ホームズが最初に登場した『緋色の研究』の出版は1887年なので、周年記念には中途半端ですしね。何なんでしょう?

でも、同じ時期に、同じようなテーマの作品が続くことって、良く有る気がします。ちょっと前だと『ディープ・インパクト』と『アルマゲドン』、最近では『エンド・オブ・ホワイトハウス(Olympus Has Fallen)』と『ホワイトハウス・ダウン(White House Down)』とかね。

コナン・ドイルの設定でシャーロック・ホームズは、探偵引退後、田舎に引きこもって養蜂業をしていることになっているのですが、この作品は、きちんとその設定を活かしています。1914年に60歳と言う事の様ですので、93歳ということは、この作品の舞台は1947年という事になるようです。

不思議なのが、やたらと日本が出てくる所。原作をあたっていないので、原作での設定が不明ですが、「敢えて、日本に触れる必要があるのか?」と言う感じもしました。一応、劇中では、日本での出来事にも絡んでくるんですけどね。それと、原爆投下後の広島も描いていたことにビックリ。う~ん、どう言う意図なんでしょう?ところで、この作品での日本の描き方は、一昔前の日本の描き方でしたね。ありゃ、中国だよ。そこがちょっと残念。

結構おとなしいトーンのまま物語が進んでいくんで、正直、意識を保つのが大変だったりします。タイトルから想像されるような、ホームズが大活躍するような内容では無いです。むしろ、晩年を迎えたホームズが、過去の後悔する出来事を振り返り、本人なりの心の整理をつけるという内容ですね。

タイトル Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 / 原題 Mr. Holmes

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス・アメリカ
監督 ビル・コンドン
原作 ミッチ・カリン『ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件』
出演 イアン・マッケラン(シャーロック・ホームズ)、ローラ・リニー(マンロー夫人)、マイロ・パーカー(ロジャー/マンロー夫人の息子)、真田広之(梅崎)、ハティ・モラハン(アン・ケルモット)、パトリック・ケネディ(トーマス・ケルモット/アンの夫)、ニコラス・ロウ(劇中の映画の中のシャーロック・ホームズ)

SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁 / Sherlock: The Abominable Bride

2016年02月21日 | 洋画(イギリス系)
イギリスBBCのTV番組で、ベネディクト・カンバーバッチの出世作SHERLOCKシリーズの特別編。いつもは現代が舞台ですが、この特別編では元々シャーロック・ホームズが活躍していた19世紀を舞台にしています。

19世紀が舞台とは言ってもTVシリーズとは“ちゃんと?”繋がっています。(どう繋がっているかは作品で確認を。)ただ、私的にはどっち付かずな印象を受けました。現代なのか、19世紀なのか。この場合、折角19世紀で始まったので、そのまま19世紀で突き進めばいいのにと思ったことは記しておきます。アメリカのTV番組『BONES』のシリーズ10で、10周年&通算200回記念の特別編として、舞台を1950年台に移し、且つ、出演者の役どころを一新した回が有ったんですが、あのくらい突き抜けたほうが良かったと思います。

シャーロック・ホームズと言えばジェレミー・ブレットだと思っていたんですが、ベネディクト・カンバーバッチの19世紀版シャーロック・ホームズも悪く無いですね。でもマーティン・フリーマンの19世紀版ワトソンはそれ以上に似合っていました。あの風貌に、口ひげが、ワトソンのイメージにピッタリでした。

本編上映前と、本編上映後に、「脚本家スティーブン・モファットと巡るベーカー街221Bの旅」と「シャーロック製作の裏側 主要キャスト・スタッフとともに」と言う特典映像があります。

タイトル SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁 / 原題 Sherlock: The Abominable Bride

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 ダグラス・マッキノン
出演 ベネディクト・カンバーバッチ(シャーロック・ホームズ)、マーティン・フリーマン(ジョン・ワトソン)、アマンダ・アビントン(メアリー・モースタン)、ルイーズ・ブリーリー(モリー・フーパー)、ユーナ・スタッブス(ハドソン夫人)、ルパート・グレイブス(レストレード警部)、マーク・ゲイティス(マイクロフト・ホームズ)、アンドリュー・スコット(ジェームズ・モリアーティ教授)