勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

海街diary

2015年06月14日 | 邦画
『そして父になる』の是枝裕和監督の最新作。第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出展作品。

綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すずと、これだけの美女が4姉妹を演じています。しかも、単に美女を揃えただけだとアイドル映画にもなりがちですが、そこは是枝裕和監督の腕が素晴らしく(原作も良いのだと思いますが、原作を読んだことはありません)、しっかりとした4姉妹それぞれの人となりと、生活を描いた作品になっています。

四人が四人とも演技に定評がある女優たち。皆さん、良い演技しています。ただ、時間の制約と物語のストーリー上仕方ないのかもしれませんが、三女の千佳を演じた夏帆がちょっと活きていなかったかなぁ。そこが残念。

すずは、中学生という設定で、サッカークラブに加わります。当然サッカーシーンがあるんですが、あれは、広瀬すず本人?画面にちょっと映っただけなので何とも言えませんが、それほど下手には見えませんでした。撮影技術が上手いということなんですかね?今回の撮影に際して、広瀬すずには台本を渡さず、都度都度セリフを口頭で伝えるという形式を取ったそうです。それが、すずの少し戸惑っているような、自然な感情を作り上げたんでしょうね。

綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すずの四姉妹も素晴らしいですが、脇を演じた風吹ジュン、そして、大竹しのぶもやっぱりいいです。きっちりと存在感を示し、且つ、作品内容も締めていました。ここふたり、やっぱり凄いな。

それに比べ(苦笑)、男性陣の影が薄い気がしました。まぁ、“お父さんが他所に女を作って出て行った”と言う話の背景もあるので、その影響なのかもしれませんが。演技自体は、皆さん定評のある方たちなので良い演技なんですけど、物語の構成に影響を与えるような重要なポジションでは無かったのかな。そんな男性陣の中で、前田旺志郎はいい味出していました。何か、青春って感じです(笑)。

一つ残念に感じたのは、映画という性質上仕方ないのかもしれませんが「えっ?その話、もっと掘らないの?」と思う所があり、話の深堀りが少し足りなく感じた所。でも今回は、四姉妹が一つになっていく世界観を描いたので、あれで良かったのかな。

タイトル 海街diary
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/日本
監督 是枝裕和
原作 吉田秋生
出演 綾瀬はるか(香田幸/長女)、長澤まさみ(香田佳乃/次女)、夏帆(香田千佳/三女)、広瀬すず(浅野すず)、加瀬亮(坂下美海/佳乃の勤務先の上司)、鈴木亮平(井上泰之/すずのサッカーチームコーチ)、池田貴史(浜田三蔵/千佳の勤務先の店長)、坂口健太郎(藤井朋章/佳乃の恋人)、前田旺志郎(尾崎風太/すずの同級生)、キムラ緑子(高野日出子/幸の勤務先の師長)、樹木希林(菊池史代/幸たちの大叔母)、リリー・フランキー(福田仙一/山猫亭店主)、風吹ジュン(二ノ宮さち子/海猫食堂店主)、堤真一(椎名和也/幸の勤務先の小児科医)、大竹しのぶ(佐々木都/幸たちの母)、浅野陽子(すずの義母)

バンクーバーの朝日

2014年12月20日 | 邦画
戦前、カナダ・バンクーバーに実在した日系人野球チーム『バンクーバー朝日』。人種差別の嵐吹き荒れる中、体格に恵まれない日系人達が知恵を駆使して西海岸リーグのチャンピオンまで登りつめる物語の映画化。

う~ん、ちょっと物語に厚みが足りないかなぁ。通り一遍の、普通の物語程度に感じてしまいました。残念。出演も、妻夫木聡始め、宮あおいや貫地谷しほり、佐藤浩市など、主役級の俳優陣を揃えているのに、それぞれがあまりクローズアップされることもなく、スーッと表面を通り過ぎた感じ。妻夫木聡は主演のはずなんですけどねぇ。『バンクーバー朝日』と言う実在のチームの活躍をベースに描いているので、こう言う雰囲気になってしまうのは仕方ないのかもしれませんが、もっと物語を盛って盛り上げても良かったのではないかと思いました。特に、宮あおいと貫地谷しほりは、もったいないなぁ。あれじゃぁ、端役の扱いだもんなぁ。

主演の妻夫木聡以外は、亀梨和也と上地雄輔はもちろんの事、勝地涼と池松壮亮と野球経験者を取り揃えての作品なんですが、あんまり野球の事も描かれなかった感じ。アニメと実写では違いますが、もっとタッチ見たいに野球を描くとかあっても良かったと思います。

作品で光ったのは、上地雄輔。彼は、バラエティ番組ではおバカキャラで知られていますが、こう言う映画作品などでは、キリッと引き締まったいい演技をするんですよねぇ。今回も、素晴らしい演技をしていました。

そしてもう一人光ったのは、高畑充希。物語後半、彼女がカフェで朝日のメンバーの前で歌うシーンが有るんですが、ジーンと感動してしまいました。ぶっちゃけ、何とも無いシーンなんですが、彼女の表情にヤラれてしまいましたね。

フジテレビ55周年記念作品らしいですが、出演俳優が無駄に豪華というところにそれが現れています。もっと物語を深堀りすれば、もっともっといい作品になったのにとも思います。

タイトル バンクーバーの朝日
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 石井裕也
出演 妻夫木聡(レジー笠原)、亀梨和也(ロイ永西)、勝地涼(ケイ北本)、上地雄輔(トム三宅)、池松壮亮(フランク野島)、高畑充希(エミー笠原/レジーの妹)、宮崎あおい(笹谷トヨ子/日本語学校教師)、貫地谷しほり(ベティ三宅/トムの妻)、ユースケ・サンタマリア(堀口虎夫)、本上まなみ(杉山せい)、光石研(井上安五郎)、大杉漣(江畑善吉)、田口トモロヲ(松田忠昭)、徳井優(前原勝男)、大鷹明良(河野義一)、岩松了(三宅忠蔵/トムの父)、鶴見辰吾(トニー宍戸)、石田えり(笠原和子/レジーの母)、佐藤浩市(笠原清二/レジーの父)

[2014/12/20]鑑賞・投稿

超高速!参勤交代

2014年06月22日 | 邦画
1735年(享保20年)の実在の湯長谷藩(現在の福島県いわき市)を舞台にした物語。参勤交代から戻ったばかりの石高1万5千石の小藩である湯長谷藩に、「5日以内に参勤せよ!」との幕府からの命令が。通常でも、参勤には8日が必要。しかし、逆らえば藩が取り潰されるという状況に、僅か7名で挑むというストーリー。

奇想天外な物語ですが、実在の藩を舞台にしている所が面白いです。こう言う出来事が実際にあったか否かは知りませんが、この物語の発端となる金山の話は実際にあるのかもしれませんね。この物語の主人公、内藤政醇より後の時代になって、石炭が産出され、その後の磐城炭田に繋がったという事はあるようです。

登場人物が、“無理に”訛っています。まぁ、東北のいわきを舞台にしているので、当然言葉は訛っているでしょうけど、スクリーン上で訛ったセリフを聞くと、ちょっと違和感(苦笑)。みんな、このあたりの人じゃないですからねぇ、無理に覚えたんでしょう。特に佐々木蔵之介なんて、京都出身ですしね。

上記に“奇想天外”と書きましたが、正に通り。あまりに奇想天外で、ある意味バカバカしいとも言えるのですが、それが嫌味にならなかったのが不思議なところ。話が面白いからでしょうか。それから、佐々木蔵之介が演じる湯長谷藩藩主の内藤政醇が、家臣や領民思いの、物凄く人のいい人物に描かれています。実際に、初代藩主の遠山政亮などは『うまれつき悠にして、行跡よし、家臣を助け育て奢ることしない。誉れの将なり』と評されているらしいですので、家臣や領民を思いやるのは遠山(内藤)家の伝統なのかもしれません。

貧乏で弱小と言う設定の湯長谷藩ですが、その藩士の面々は、武芸に秀でています。後半、物語中、所々チャンバラシーンが有るんですが、湯長谷藩のみんなは強い強い。バッタバッタと敵を切り捨てるんですよねぇ。往年の時代劇みたいでした(笑)

あ、それと、上地雄輔が出ているんですが、彼って、映画とかになると、賢くてかっこいい役が多い気がするんですが、気のでしょうか?この物語でも、冷静で賢いと言う設定。何が本当なのか走りませんが、テレビでよく見る彼のキャラクターとは余りにも違うような気がして、不思議な感じがしました。

ハッキリ言って、バカバカしい話ではありますが、面白い映画です。いいと思います。

タイトル 超高速!参勤交代
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 本木克英
出演 佐々木蔵之介(内藤政醇)、深田恭子(お咲)、伊原剛志(雲隠段蔵)、寺脇康文(荒木源八郎)、上地雄輔(秋山平吾)、知念侑李(鈴木吉之丞)、柄本時生(増田弘忠)、六角精児(今村清右衛門)、市川猿之助(徳川吉宗)、石橋蓮司(松平輝貞)、陣内孝則(松平信祝)、西村雅彦(相馬兼嗣)、甲本雅裕(磐城平藩藩主/内藤政樹)

[2014/06/22]鑑賞・投稿

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳

2014年06月01日 | 邦画
松岡圭祐の人気小説『万能鑑定士Qの事件簿』シリーズの第9巻を映画化した作品。松岡圭祐と言えば、千里眼シリーズはよく読んでいたんですが、この万能鑑定士Qのシリーズは未読でした。こんど読んでみようかなぁ。

今回の作品のポイントは、何と言ってもモナ・リザです。そして、モナ・リザと言えば、リーブル美術館な訳ですが、何と!日本映画初のルーブル美術館でのロケを敢行。ルーブル美術館でのロケは、かの世界的大ヒット映画『ダ・ヴィンチ・コード』以来だそうです。凄い(笑)。

綾瀬はるかと言えば、昨年(2013年)の紅白歌合戦の司会で、日本中をはらはらドキドキさせ、嵐をてんてこ舞いさせる程の天然な人だと思うのですが、スクリーンを通して見える彼女は、そんな天然ぶりを少しも感じさせないほどの見事な演技。それでも、ルーブル美術館でのロケの際は、休憩時間にルーブル美術館の階段で寝ていたそうですが(笑)。そのギャップが彼女の魅力なんでしょうね。

綾瀬はるか演じる凜田莉子の相方(?)小笠原悠斗を演じるのは、松坂桃李。イケメンな彼ですが、今回の役どころはイケメンと言うよりも、おとぼけな若干落ちこぼれ気味の記者。何か、ちょっと頼りない所が、もしかしたら女性の母性本能をくすぐるかも(笑)。

いやぁ、それにしても、モナ・リザモノの作品は、何でこれほど盛り上がるんでしょう?モナ・リザ自身の魅力と、謎、そして、作者ダ・ヴィンチの天才的なその能力だからでしょうか?

この作品、フランス側はルーブル美術館でロケを行っていますが、日本側の、東京国立美術館は、東京国立博物館でのロケ。東京国立博物館は、時々、グラビアとかのロケにも使われているようですが、本館の中だけではなく、本館前の庭とか、表慶館でも撮影を行ったようです。

この手の作品は、物語が破綻して突っ込みどころ満載になることが多いのですが、この作品は、意外にそんなことは感じず、素直に楽しむことが出来ました。なかなか面白い劇映画だと思います。

タイトル 万能鑑定士Q モナ・リザの瞳
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 佐藤信介
原作 松岡圭祐
出演 綾瀬はるか(凜田莉子)、松坂桃李(小笠原悠斗)、初音映莉子(流泉寺美沙)、ピエール・ドゥラドンシャン(リシャール・ブレ)、村上弘明(朝比奈尚幸)、橋本じゅん(荻野甲陽/編集長)、村杉蝉之介(山田聡/レストランオーナー)、児嶋一哉)喜屋武友禅/莉子の高校時代の担任)、角替和枝(江来佳織/莉子のお得意様)

[2014/06/01]鑑賞・投稿

青天の霹靂

2014年05月25日 | 邦画
劇団ひとり、原作・脚本・監督・出演の作品。一人いったい何役なんだ(笑)。

「笑いと、たぶん一粒の涙の物語」がキャッチコピーのこの作品。涙は一粒じゃないですよ。いや、実際には泣きませんでしたが、少なくとも2回泣きそうになってしまいました。ちょっと冗長だと思うようなカット割りもありますが、初監督作品にしては、中々だと思います。ただ、映像の雰囲気、カット割りから感じるのは、基本的に、劇団ひとり監督は、あまり明るい性格じゃないんじゃ無いかと・・・。何となく、物悲しい映像なんですよね。

それと、大泉洋も良いですね。芸達者です。手品のシーンも、吹き替えなしで大泉洋自身が演じたそうです。撮影の合間にも、だいぶ練習したらしいです。それだけに、見事でしたね。終盤の鳩を出すシーンは、カッコ良かったです。

柴咲コウも素晴らしい。美しく、強い女性を演じています。それと、劇団ひとり監督は、女優になんか必要以上のあこがれが有るんですか?花見の時、悦子が桜を見上げるシーンが、何か少女漫画チック・・・。そう言うところは、直して欲しいですね>劇団ひとり監督。

この作品は、監督がロケにこだわったという事で、全編オールロケ。浅草雷門ホールのシーンは、長野県上田市の劇場を急遽雷門ホールに見立てて(改造して)撮影したそうです。宣伝番組で上田市を訪れるシーンが有ったんですが、その劇場は、雷門ホールの姿のままでした。

いや、それにしても、期待以上の感動。一粒以上の涙。劇団ひとりって、多彩だな。

タイトル 青天の霹靂
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 劇団ひとり
原作 劇団ひとり
出演 大泉洋(轟晴夫)、柴咲コウ(花村悦子)、劇団ひとり(轟正太郎)、風間杜夫(雷門ホール支配人)、笹野高史(医師)

[2014/05/25]鑑賞・投稿

WOOD JOB! 神去なあなあ日常

2014年05月11日 | 邦画
スウィングガールズ』、『ハッピーフライト』、『ロボジー』などの、矢口史靖監督の最新作。

いやぁ、矢口監督、この手の作品うまいですね。上記のこれまでの作品も上手かったですが、この作品も良い!って言うか、これは私が経年変化して涙もろくなったのか、あるいは、この作品が良いのか、どちらかの切り分けが付いていませんが、途中、勇気がお地蔵さんにおにぎりを供える優しさや、友人たちにキレるところなど、ホロリとさせられるところがありました。また、ヨキの厳しい指導のありますが、この作品は“なあなあ”と言うのが、ある意味キーワードなんだと思います。ユックリと進む時間が良いです。

そんな“なあなあ”な山の生活を送るのが、不順な動機で林業研修に申し込んだ平野勇気。これを染谷将太が演じるのですが、ヘタレぶり(失礼)が上手いです。マムシ、そんなにダメですかね?

そんなヘタレの勇気を厳しく指導するのが、海から山に活躍の場を移した(?)伊藤英明が演じる飯田ヨキ。彼らが山でチェーンソーを操るシーンは、吹き替えなしで、本人達が演じているそう。ある程度、訓練を受けたそうです。

子供が行方不明になる件。子供のところまで導いたのは、やっぱりお地蔵さんですよね。良いことはしてみるもんです。

笑もあるし、神聖な雰囲気もあるし、いい映画です。

タイトル WOOD JOB! 神去なあなあ日常
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 矢口史靖
原作 三浦しをん
出演 染谷将太(平野勇気)、長澤まさみ(石井直紀)、伊藤英明(飯田ヨキ)、優香(飯田みき/ヨキの妻)、西田尚美(中村祐子/精一の妻)、マキタスポーツ(田辺巌)、有福正志(小山三郎)、近藤芳正(林業組合専務)、光石研(中村清一)、柄本明(山根利郎)

[2014/05/11]鑑賞・投稿

三谷幸喜 大空港2013

2014年05月10日 | 邦画
元々は、2013年12月29日に、WOWOWでテレビドラマとして放送。「もっと見たい!」との声が有ったことから、映画館での上映が実現しました。

何と言っても『完全ワンシーン・ワンカット』で撮影されているのが凄い!三谷幸喜監督、やりますね~。実は、見るまで、その事実は知らなかったのですが、見ていくうちに「あれ?カット割されていない。」と言うことに気が付きました。『完全ワンシーン・ワンカット』がウリだったんですねぇ。『完全ワンシーン・ワンカット』と言う事で、上映時間(放送時間)=撮影時間な訳ですが、撮影は信州まつもと空港の営業開始時間を前倒しして撮影したそう。いやぁ、でも、よく撮りましたよ。空港内上に下に、そして、中に外に。NGが出たら、最初から撮り直しですが、上手く撮れていました。

いやぁ、竹内結子良いです!こう言う、コミカルな作品は上手いですねぇ。この作品の主演は、彼女以外はあり得ないですね。ところで、劇中の「社内恋愛は、嫌なんです」と言うのは、やっぱり、アレですかね?彼女の実体験?

脇を固める俳優陣も超一流。香川照之は、シリアスから、コミカルまで、幅が広い。しかも歌舞伎までやりますからねぇ。素晴らしいです。

なかなか、面白かったです。脚本と、俳優がしっかりすれば、日本もまだまだおもしろいドラマが出来るんですね。

タイトル 三谷幸喜 大空港2013
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 三谷幸喜
出演 竹内結子(大河内千草)、香川照之(田野倉守男)、神野三鈴(田野倉美代子/守男の妻)、石橋杏奈(田野倉真弓/守男の娘)、池松壮亮(田野倉睦夫/守男の息子)、生瀬勝久(鶴橋蔵之介/美代子の兄)、綾田俊樹(鶴橋清正/蔵之介と美代子の父)、甲本雅裕(村木繁)、青木さやか(砂田かおる)、オダギリジョー(国木田修)、戸田恵梨香(倉科百合子)、梶原善(犬山寅男)

[2014/05/10]鑑賞・投稿

テルマエ・ロマエII

2014年05月01日 | 邦画
2012年に公開され、ヒットした作品『テルマエ・ロマエ』の第二作。

今回は、短編集と言う感じ。ルシウスと真実の絡みも、物語後半までは、すれ違い的な絡みばかり。ただ、前回の出会いを元とした今回の物語になっているので、真実以外の登場人物も、ルシウスの事は覚えると言う前提で話が進みます。

前作同様、《BILINGUAL》放送(笑)。まぁ、途中で日本語に切り替わりますけどね。でも、そう言う細かいところ好きです。

今回思ったのは、もちろんこの話自体はフィクションな訳ですが、ハドリアヌス帝の平和政策とか、ケイオニウスが失意のまま死ぬところとか、史実が所々に散りばめられています。ヤマザキマリ、勉強していますね。

今回は、日本相撲協会全面協力ということで、現役・元の力士が多数出演しています。その中でも、撮影当時まだ現役だった琴欧州関(現琴欧州親方)が出ていることが、非常に興味深いですね。ロケも、琴欧州関(現琴欧州親方)の出身地のブルガリアで行われています。もっとも、当の琴欧州関(現琴欧州親方)はブルガリアには行かず、千葉での撮影だったらしいですが。

劇中、ルシウスの最後も明らかにされます。今回の作品で、そこまでは描かれませんが、最後が見えたという感じですね。真実もメジャーデビュー出来たようですし、この辺りで打ち止めじゃないでしょうかね。

タイトル テルマエ・ロマエII
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 武内英樹
原作 ヤマザキマリ
出演 阿部寛(ルシウス)、上戸彩(山越真実)、北村一輝(ケイオニウス)、竹内力(舘野)、宍戸開(アントニヌス)、笹野高史(山越修造/真実の父)、市村正親(ハドリアヌス/第14代ローマ皇帝)、キムラ緑子(山越由美/真実の母)、勝矢(マルクス)、曙(アケボニウス)、琴欧洲(コトオウシュヌス)、菅登未男(浪越徳三郎)、いか八朗(三郎)、松島トモ子(峰子)、白木みのる(ラーメン屋店主)

[2014/05/01]鑑賞・投稿

相棒 劇場版III 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ

2014年04月29日 | 邦画
う~ん、どうでしょう~。期待したからなのか、ちょっと釈然としないものを感じます。

これまで、相棒の映画は、スピンオフを含めると本作含め5作品。その中で、一番完成度が低いと言わざるを得ません。何が悪いのか?脚本の作りこみが足りないのではないでしょうか?相棒といえば、時事問題と絡んだ話で有る事が、そのドラマの面白さに一層の魅力を与えているのですが、日本で民兵ですが・・・。まぁ、アメリカでは問題になっていますし、日本でも今度は出て来るでしょう。でもねぇ。【今】ですか?と言う感じです。

それでも、民兵達、そして、物語の行き掛かり上でてくる自衛隊員の所作が、それなりになっているのであれば、まだ無理矢理なテーマ設定に目を瞑ったんですが、ちょっと酷い。突っ込みどころ満載と言うか、日本は、ミリタリオペレーションを経験している人材が圧倒的に少ないので、抱腹絶倒の所作もOKなんですかねぇ。

それと、これも物語の行き掛かり上でて来るんですが、警視庁航空隊のヘリ、何ですか?あれは。車は、劇用車と言う事で、実際のパトカー同様のカラーリングが施されていますが、赤を基調としたカラーリングのヘリに無理やり“警視庁”とそして警察の星のマークを書いただけですか。あの、警察カラーのヘリは、認められないということなんですかね?

ヘリつながりで言うと、チヌークが出て来るんですよねぇ。でも、エンドロールを見ても、協力に自衛隊の文字は出てこないので、あのチヌークは何?CGですかね?あるいは、資料映像?

TVのレギュラー放送も、視聴率が落ちてきているらしいですが、ちょっと本腰を入れて立て直さないと、今後の相棒は大変なことになりそうです。

タイトル 相棒 劇場版III 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 和泉聖治
出演 水谷豊(杉下右京)、成宮寛貴(甲斐享)、伊原剛志(神室司)、釈由美子(高野志摩子)、風間トオル(綿貫孝雄/防衛省防衛政策局次長補)、吉田鋼太郎(栗山朔太郎/参議院議員、防衛大臣政務官)、渡辺大(多賀周治)、宅麻伸(若狭道彦)、川原和久(伊丹憲一)、大谷亮介(三浦信輔)、山中崇史(芹沢慶二)、山西惇(角田六郎)、六角精児(米沢守)、神保悟志(大河内春樹)、小野了(中園照生)、片桐竜次(内村完爾)、及川光博(神戸尊)、石坂浩二(甲斐峯秋)、鈴木杏樹(月本幸子)、真飛聖(笛吹悦子)

[2014/04/29]鑑賞・投稿

神様のカルテ2

2014年03月21日 | 邦画
70万部を超えるヒット小説小説『神様のカルテ2』を下にした作品。概ね原作に沿った作りとはなっていますが、一作目同様、一部設定が原作とは異なっています。

まずは、作品とは直接関係のないところから。公開初日に行ったわけですが、意図せずして、舞台挨拶の中継を見ることが出来ました。いや、映画のスケジュールを見た時、116分の作品なのに、上映スケジュールが150分も取ってあったので、「何でこんなに長いんだ?」と思ったのですが、疑問が氷解しました。

舞台挨拶に出てきたのは、主演の櫻井翔君の他、宮あおいさん、要潤さん、市毛良枝さんと、深川栄洋監督。二作目の重要人物の藤原竜也さんは?と思いましたが、居ませんでした。本日2回目の舞台挨拶で、1回目に取材に来ていたマスコミも居なかったので、力の抜けた、リラックスした感じの舞台挨拶でしたね。宮あおいさんが「初日のような気がしない」と言っていましたが、何故? まぁ、そこは、櫻井翔君にも突っ込まれていましたが(笑)。

原作とは異なる設定ではありますが、随所で泣かされそうになる所は、原作同様。ですが、最後に無理やりタイトルの“神様のカルテ”をセリフに入れるのはどうかなぁ。一作目の時も同様の演出でしたが、今回もそうでした。どちらかと言うと、そう言う演出は私は好きじゃないです。

原作は第三弾まで出ていますが、映画も第三弾があるんですかね?その際、今回で貫田医師は亡くなってしまっており、もし第三弾を映画化するのであれば、貫田医師の抜けた穴をどう埋め合わせるのかが気になります。

タイトル 神様のカルテ2
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2014年/日本
監督 深川栄洋
出演 櫻井翔(栗原一止)、宮あおい(栗原榛名)、藤原竜也(進藤辰也)、柄本明(貫田誠太郎)、市毛良枝(貫田千代/誠太郎の妻)、池脇千鶴(東西直美/本庄病院病棟主任看護師)、朝倉あき(水無陽子/本庄病院看護師)、吉瀬美智子(外村静枝/本庄病院救急外来看護師長)、吹石一恵(進藤千夏/辰也の妻、東京の大学病院医師)、原田泰造(男爵)、濱田岳(屋久杉)、要潤(砂山次郎)、西岡徳馬(高山秀一郎/信濃医大教授)

[2014/03/21]鑑賞・投稿