勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

トリック劇場版 ラストステージ

2014年01月11日 | 邦画
13年半にもわたったTRICKの最終作品。最終作品ということもあり、テーマ曲が初心に帰って、鬼束ちひろの『月光』が使われている。

・・・、こんな事は言いたくないんですが、ぶっちゃけ、イマイチ。トリックの良いところは、オチャラケた中にも、きちんと“トリック”が隠されていて、それを山田と上田の凸凹コンビが暴いていくところにあるんですが、この作品は、最終作品なのに、その大地な所がお座なりになっています。最後なのに・・・。海外ロケというところに、舞い上がってしまったんでしょうか?もっときちんとトリックがあって、それを暴いていくという王道を描いて欲しかった。

ネタの仕込みも、なんか、中途半端。バンサンケツマとか、今までの作品では、ちゃんとしていたのに・・・。ムシュム・ラー村は良いけど、仕込んでおきながら、落としていない・・・orz。

最後のエンドロールで帰ってはダメです。その後もあります。

タイトル トリック劇場版 ラストステージ
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 堤幸彦
出演 仲間由紀恵(山田奈緒子)、阿部寛(上田次郎)、東山紀之(加賀美慎一)、北村一輝(谷岡将史)、中村育二(川島治道)、石丸謙二郎(有田雄一)、水原希子(呪術師)、生瀬勝久(矢部謙三)、野際陽子(山田里見)、池田鉄洋(秋葉原人)、吉田鋼太郎(山本支社長)

[2014/01/11]鑑賞・投稿

永遠の0

2013年12月21日 | 邦画
130万部の同名の大ヒット小説の映画化。本日二本目。そして、今年(2013年)最後の作品です。

実は(と言うか、当然に)原作も読んでいて、今回の映画鑑賞のために再読してみました。泣きました(苦笑)。

その原作の感動がどこまで、映画で描かれていたtかというか、う~ん、70%かな?多くの場合、小説を映画化する場合、細かい描写は簡略化されたり、表現や舞台の一部が、時代に合うように書き換えられてしまったりするわけですが、この作品の場合も、その洗礼は避けては通れませんでした。600ページ近い小説を、そのまま映画化するわけには行かないわけで、省略したり、書き換えられたりしていました。ですが、多くは、原作のとおりで、原作を読んでいても、ギリギリ意味が通る程度の改変と私は思いました。

でもやっぱり、感動度合いは、原作のほうが大きいですね。あの長い話があってこその感動なわけで、それが簡略化されると、少なからず、話の辻褄が微妙に合わなくなったりします。今回は、ギリギリ辻褄は合わせていますが、それでもなお違和感は否めませんでした。

映像的には、やっぱり、CGはCGですよねぇ。アメリカの作品では、CGだとはわからない程の品質のCG作品(本日一本目の『ゼロ・グラビティ』もそう)が、数多く生み出されていますが、二本の場合は、まだ、CGはCGとしてハッキリと見て分かる程度の品質ですね。そこがちょっと残念。

私の場合、原作を何度も読んでいたので、原作との違いに少なからず違和感が有ったわけですが、原作を読まないで、この映画だけ見れば、それはそれで充分、感動的な内容になっていたと思います。

タイトル 永遠の0
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 山崎貴
原作 百田尚樹
出演 岡田准一(宮部久蔵)、三浦春馬(佐伯健太郎)、井上真央(松乃)、濱田岳(井崎(戦時中))、橋爪功(井崎(現代))、新井浩文(景浦(戦時中))、田中泯(景浦(現代))、夏八木勲(大石賢一郎/健太郎の“祖父”)、染谷将太(大石(戦時中))、三浦貴大(武田(戦時中))、山本學(武田(現代))、上田竜也(小山)、吹石一恵(佐伯慶子)、風吹ジュン(佐伯清子/宮部久蔵の娘、健太郎の母)、平幹二朗(長谷川)、佐々木一平(山田)、青木健(伊藤)、栩原楽人(寺西)、

[2013/12/15]鑑賞・投稿

武士の献立

2013年12月15日 | 邦画
時代は加賀騒動の頃。加賀藩前田家に使えた料理人の船木家を舞台に、刀の代わりに包丁で殿様に使えた“包丁侍”の姿を描く。

正直最初は、「上戸彩と高良健吾かぁ。このキャストでの時代劇はなぁ・・・」と、若干否定的な視点で考えていたのですが、見終わったらその考えは一変させられていました。あ、いや、やっぱりその二人は時代劇には、中々厳しい感じがするのは否定できませんが、物語が意外に良かったです。感動とまでは言いませんが、かなり物語に引きこまれましたね。いい話だと思いました。

番宣と言うか、映画の告知で、「ご賞味あれ」とか言うキーワードで宣伝していましたが、まぁ、そのキーワードはちょっと言い過ぎかな。確かに、食べ物のシーンは多いですが、「そこまで言うほどかな?」と私は思いました。そういう意味ではむしろ、『大統領の料理人』の方が、食べ物を食べたくなりました。もうちょっと料理にフィーチャーしても良かったと思います。

この作品で描かれている重要なテーマは、夫婦愛ですかね。最初は、反発もしていた春と安信の夫婦ですが、最後には落ち着く所に落ち着きます。心が温かくなりました。

タイトル 武士の献立
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 朝原雄三
出演 上戸彩(春)、高良健吾(舟木安信)、西田敏行(舟木伝内)、余貴美子(舟木満)、夏川結衣(お貞の方(真如院))、緒形直人(大槻伝蔵)、成海璃子(今井佐代)、柄本佑(今井定之進)、鹿賀丈史(前田土佐守直躬)、中村雅俊(語り)

[2013/12/15]鑑賞・投稿

利休にたずねよ

2013年12月08日 | 邦画
山本兼一の同名の小説の映画化。市川海老蔵と市川團十郎が共演。市川團十郎は、撮影終了後、3ヶ月ほどして亡くなっている。

市川海老蔵は、利休を演じることのオファーを得た際、数度に渡り断っていたそうなんですが、原作者からの手紙等をもらう事で、次第にこころが傾き、出演を承諾したらしい。原作者がそこまでこだわったのは、この作品での千利休は、市川海老蔵のイメージであったかららしいです。そのイメージ通りと言うことか、それとも、やはり、市川海老蔵は一流の役者なのか、茶聖と言われる千利休を見事に演じています。物語終盤、若かりし頃の千利休が、結構な遊び人であったというのは、市川海老蔵へのオマージュ?(笑)

市川海老蔵と市川團十郎の共演が話題です。團十郎は、なんか顔色が悪く、今からして思うと、結構健康を害していたのではないかと思いますが、海老蔵との真剣勝負を見事に演じています。

大森南朋が演じる豊臣秀吉、悪いですねぇ。本当に、性悪です。確かに、策謀剣術に長けた人物であったのかもしれませんが、あそこまで悪として描かれた秀吉はあまり見たことがありません。まぁ、利休に死を命じた人物でもありますので、あのような描き方も仕方ないのかもしれませんが、新しい秀吉を見た気がします。

それと、この作品のもう一つのキーは、中谷美紀ですね。海老蔵の利休が生きるのも、中谷美紀が宗恩をしっとりと、しかし、しっかりと演じたからではないでしょうか。

しっとりとして静かな、大人の映画だと思います。

タイトル 利休にたずねよ
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 田中光敏
原作 山本兼一
出演 市川海老蔵(千利休)、中谷美紀(宗恩)、大森南朋(豊臣秀吉)、福士誠治(石田光成)、伊勢谷友介(織田信長)、成海璃子(おさん)、川野直輝(山上宗二)、袴田吉彦(細川忠興)、黒谷友香(細川ガラシャ)、檀れい(北政所)、大谷直子(たえ)、柄本明(長次郎)、伊武雅刀(千与兵衛)、中村嘉葎雄(古渓宗陳)、市川團十郎(武野紹鷗)、クララ(高麗の女)

[2013/12/08]鑑賞・投稿

清須会議

2013年11月10日 | 邦画
本能寺の変での織田信長亡き後の、織田家の跡目を決める“きよすかいぎ”の模様をコメディ仕立てで描いた作品。“きよすかいぎ”は、清州会議と言う表記もありますが、映画は清須会議になっています。

原作も読んだんですが、原作は、各章が、登場人物それぞのれモノローグで構成されていると言う珍しい形態の小説です。モノローグなので、自分の考えていることも、そのままセリフになったりもしている一方、その章の中には、基本的には他の人物は出てきません。なので、同じ場面を、ある人物の視点で描いた後、違う人物の視点で描くなどの手法で、その場の臨場感を作り出しています。

原作の段階では、まだ俳優はイメージしていなかったらしいのですが、脚本化に際しては俳優へのあて書きしたらしいです。その中で意外だったのが、佐藤浩市。いつもは、渋くてかっこいい演技を見せる佐藤浩市ですが、この作品では、日和見の頼りない池田恒興を演じています。まぁ、それでも、そう言う演技は上手いですが。

あと印象に残ったのは、小日向文世ですかねぇ。まぁ、この方は元々、冷静な男も演じる方ですが、この作品では、冷静で、頭脳明晰な軍師を見事に演じていました。

中村勘九郎が織田信忠を演じているわけですが、これってまさか、織田信忠が元服してはじめのうちは勘九郎信重と名乗っていたからですかね?だとしたら、かなりマニアックです。私はWikipediaを見て気づいたんですが、三谷幸喜は歴史少年だったみたいなので、知っていたのかな?

この作品の特徴としてもうひとつ有るのが、織田家の人物たちの特徴を通った鼻に込め、羽柴家の人物の特徴を大きな耳に込めたということ。なので、織田家一族を演じた俳優たちは、篠井英介と伊勢谷友介を除いて、付け鼻をして演じたそうです。篠井英介と伊勢谷友介の二人は、鼻筋が通っていたという事ですかね。

ところで、正直、「大泉洋の秀吉って、どうよ?!」と思っていたんですが、失礼しました。良かったです。人心を掴むのが上手かったと伝えられる秀吉ですが、それを見事に演じています。芸達者ですね。

最後に。三谷作品なので、基本的に“喜劇”と言って良いはずなんですが、中々どうして、結構いい作品になったと思います。衣装や清須城も見事でした。ただ、ちょっと長いですけどね。「信長の跡目を決める」と言い過ぎたような気がしますね。秀吉の天下統一の過程であった訳ですから、そう言う所にもう少し強調しても良かったと思います。そうすると、かなり物語の色彩が変わったと思いますが。

タイトル 清須会議
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 三谷幸喜
原作 三谷幸喜
出演 役所広司(柴田勝家)、大泉洋(羽柴秀吉)、小日向文世(丹波長秀)、佐藤浩市(池田恒興)、鈴木京香(お市様)、妻夫木聡(織田信雄)、伊勢谷友介(織田三十郎信包)、坂東巳之助(織田信孝)、剛力彩芽(松姫)、篠井英介(織田信長)、中村勘九郎(織田信忠)、津島美羽(三法師)、浅野忠信(前田利家)、寺島進(黒田官兵衛)、阿南健治(滝川一益)、松山ケンイチ(堀秀政)、でんでん(前田玄以)、市川しんぺー(佐々成政)、浅野和之(明智光秀)、染谷将太(森蘭丸)、瀬戸カトリーヌ(小袖)、中谷美紀(寧)、戸田恵子(なか)、梶原善(小一郎)、天海祐希(枝毛)、西田敏行(更科六兵衛)

[2013/11/10]鑑賞・投稿

人類資金

2013年10月19日 | 邦画
『M資金』。第二次大戦終戦時の混乱期に隠匿された大量の貴金属類と噂されるもの。その実在は不明。

平成の今、M資金と言って、一般に通用するんですかね?もはや、陰謀論、都市伝説の類になっていると思いますが・・・。しかし、リーマン・ショックで拝金至上主義の世界経済の限界が露わになり、第二の終戦と言われる東日本大震災や福島原発事故後の日本の状況を絡めて、うまくM資金の話を物語の俎上に持ってきています。

原作小説と同時進行という、面白い形式です。映画版と小説版では、結末が異なるそうです。しかもその小説は、7巻構成で、毎月1冊ずつ刊行されるという。まぁ、その点については、オイオイと突っ込みたくなりますけどね。

日本の商業映画としては初めて、国連で撮影が行われています。しかも、場所は国連総会が行われる総会議場。ニュースでよく見る場所です。東日本大震災からの復興に日本が向かっていること、EU危機など不安定な世界経済環境の中、新興国の発展を祈念するような話であることなどが、総会議場での撮影が許可された要因なんですかね?エンドクレジットには、協力として国際連合日本政府代表部とクレジットされていました。

佐藤浩市や森山未來の演技と比較すると、慎吾ちゃん、苦しい・・・。下手なわけではないんですが、やっぱり一枚、その他の俳優陣と比べると・・・。佐藤浩市が良いのは自明なんですが、森山未來が、中々いい味出しています。彼の骨太な一面を見た気がしますね。

それにしても、出演俳優のほとんどが男性。紅一点が観月ありさ。小説ならば、あまり気にならないと思いますが、映画になるとちょっとつらい気もします。内容が非常に骨太なので、仕方が無いのかもしれませんが、どうにかならないかと思ったところです。

それと、テーマが壮大なんですが、最終的には、少し話が一点に集約されてしまっていること。元々のテーマだと、壮大過ぎて描ききれないという事なんだと思いますが、壮大なテーマだと思っただけに、落とし所が小さく感じてしまいました。有るべき話なんですけどね。

これは、映画よりも、小説のほうが面白いかもしれません。

タイトル 人類資金
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 阪本順治
原作 福井晴敏
出演 佐藤浩市(真舟雄一)、香取慎吾(“M”)、森山未來(石優樹)、観月ありさ(高遠美由紀)、岸部一徳(本庄一義)、オダギリジョー(鵠沼英司)、寺島進(酒田忠)、三浦誠己(辻井)、石橋蓮司(北村刑事/真舟を追う刑事)、豊川悦司(ハリー遠藤/嘗てM資金に関わったCIA構成員)、ユ・ジテ(遠藤治/ハリー遠藤の孫、暗殺者)、ビンセント・ギャロ(ハロルド・マーカス/NY大手投資銀行行員)、仲代達矢(笹倉暢彦)

[2013/10/19]鑑賞・投稿

そして父になる

2013年09月29日 | 邦画
第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞受賞。10分間にも渡るスタンディングオベーション。それは、是枝監督が退場しなかったらいつまでも鳴り止まなそうだったので退場したと言うくらい。また、審査員長のスティーブン・スピルバーグは初めて見た時から本作品が賞に値するという確信は揺るがなかったと語り、審査員のニコール・キッドマンは後半一時間は涙が止まらなかったと語っています。公開初日、スティーヴン・スピルバーグのドリームワークスによるハリウッドリメイク決定の報告も行われています。

「家族とは何か?」と言うテーマを描いています。子供の取り違えという悲劇的な出来事により、家族とは血縁なのか、あるいは、育った時間・環境なのか、それを問うた映画だと思います。しかしそう言う悲劇を描いた映画なのに、不思議と心が重くなったり、悲劇的な気持ちになるような気がしません。確かに悲しい話であり、実際にラストシーンには泣きそうになってしまいましたが、何もかも投げ出したくなるような悲しさではなかったんですよね。むしろ、思いっきり考えさせられました。この作品のタイトルにもなっている「父になる」と言う事も描かれています。それは取りも直さず、「家族とはなにか?」と言う事と不可避なのかもしれませんが。

福山雅治が演じる絵に描いたようなエリートの野々宮良多と、リリー・フランキーが演じる地方都市の自営業者の斎木雄大。対照的な二人ですが、幸せそうに見えるのが斎木なのは、気のせいではないのだと思います。物語の殆どを通じて野々宮良多は、全てに対して一枚ベールを被ったような感じで、妻とも子供とも真に心を通わせている雰囲気はありません。ラストでやっと、ベールを剥いで本当に心を通わせることが出来た時、「父になる」と言う野々宮良多の回答が出たのだと思います。

こう言うテーマの映画の場合、夫婦も崩壊してしまうと言う描き方も有るんだと思います。この作品中でも、子供の取り違えにみどりが不安定になったり、良多の態度・反応についてみどりが不満を漏らす場面は有るんですが、それ以上の事柄は敢えてなのか描かれていません。あんまりそれを描くと、ドロドロしすぎるからですかね。確かに、そんなシーンがあったら、こんな感動作品にはならなかったでしょうね。それにしても「何で判らなかったんだ。母親なのに。」と言う言葉は、残酷ですよね。判るわけが無いと思うんですが・・・。

福山雅治演じる野々宮良多の妻みどりは、尾野真千子が演じています。尾野真千子と言えば、明るく、チャキチャキな演技を見ることが多い気がするんですが、この作品では一転、貞淑なエリート妻を演じています。そこが印象的でした。

演技派真木よう子は、三人の兄弟を持ち、たくましく生きる母を上手く演じていますね。まだ若いですが、いいお母さんだと思います。

一番いい味出していると思ったのが、リリー・フランキー。彼の、少しいい加減には見えるが、きちんと子供の目線で子供と対応している姿は、一線引いた野々宮良多と好対照です。いいお父さんだと思います。

さて、発表されたハリウッドリメイク。どう言うキャストで描かれるのか、興味深いですねぇ。早く見てみたいです。

なんかしらんけど、頭のなかで『家族になろうよ』はヘビロテになりました。描いているテーマは違うと思うんですけどね。

タイトル そして父になる / 英語タイトル Like Father, Like Son
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 是枝裕和
出演 福山雅治(野々宮良多)、尾野真千子(野々宮みどり/良多の妻)、真木よう子(斎木ゆかり)、リリー・フランキー(斎木雄大/ゆかりの夫)、二宮慶多(野々宮慶多/良多の“息子”)、黄升げん(斎木琉晴/ゆかりの“息子”)、風吹ジュン(野々宮のぶ子/良多の義母)、國村隼(上山一至/良多の上司)、樹木希林(石関里子/野々宮みどりの母)、夏八木勲(野々宮良輔/良多の父)

[2013/09/29]鑑賞・投稿

謎解きはディナーのあとで

2013年08月03日 | 邦画
はい、アホでーす。(何がアホなのかは後段で)

今日から公開の劇場版『謎解きはディナーのあとで』に行って来ました。なんか物凄い混んでるし、劇場では嵐の『迷宮ラブソング』がリピートでかかっていて「何か、変だな?」と思っていたんですが、舞台挨拶の全国75箇所への中継があったんですねぇ。もちろん、中継で見る側です。司会はフジテレビの伊藤利尋アナウンサー。流石に立て板に水の司会です。舞台挨拶が有る時は、特別料金だったりする事が多いと思うんですが、通常料金でした。生舞台挨拶の劇場は、特別料金だったかもしれません。

舞台挨拶にいたのは、櫻井翔、北川景子、椎名桔平、中村雅俊、桜庭ななみ、生瀬勝久、そして土方政人監督。完成披露試写会の時とは、メンバーが違いますね。そういうもんなんですかね?実はこの舞台挨拶は、この日二回目。一回目の挨拶は映画鑑賞後だったので、色々とネタの解説があったみたいですが、二回目は映画鑑賞前ということで、ネタバレを防ぎつつの挨拶。だからなのか、何となくボヤーッとした内容の、って言うか、作品内容にはあまり触れない舞台挨拶になってしまいました。まぁ、それでも生瀬勝久は、しっかりと笑いを持って行きましたけどね。

さて、映画の話。TVシリーズでは結構原作に沿っていましたが、映画版はオリジナルストーリー。影山が主人公になってしまっているので仕方ないのかもしれませんが、執事なのに出しゃばり過ぎですよね。原作の影山とTVそして映画の影山は別人。さしづめ、櫻井版影山とでも言うべきなんでしょう。

そういう意味では、風祭も原作とは印象が違います。原作では、推理能力がない、ただのキザな奴ですが、TVそして映画では、それに加えて、妙なハイテンションな人間になってしまっています。これも、椎名版風祭京一郎なんでしょうね。

麗子は・・・、別にないかな。まぁ、ぶっちゃけそれほど演技が必要な役どころではないですし、言ったら怒られますが、麗子を演じる北川景子の演技にもそれ程期待していません。失礼m(__)m

櫻井・北川のメインキャストよりも、今回は何と言っても、脇を固める俳優陣がしっかりしています。その中でもやっぱり、宮沢りえ。彼女は凄い。あの演技力。プリンセスレイコ号上での熊沢と、ラストの熊沢の演じ分け。って言うか、ラストの熊沢が良いです。「何か軽い役で使ってるなぁ。」と思っていたら・・・。そんなに出演シーンは多いわけではないですが、あれ以上出ていたら、他の女優を食っていたでしょう。

その食われそうな女優の一人、桜庭ななみ。何故か舞台挨拶では、生瀬などを例に「あんな大人になっちゃダメですよ」とか他のみんなから二回くらい、何故か言われていました。まだ二十歳か。そう言われるのも、仕方ないか?さてその演技ですが、プリンセスレイコ号専属歌手と言う位置づけで、歌っているシーンも有るんですが、歌は全部口パクですよね?英語曲だからと言うわけではないでしょうけど、若干のズレが・・・。

気になったのは、生瀬が演じた醤油メーカーの御曹司。ギャンブル大好きな老舗の御曹司って・・・、某製紙メーカーの御曹司しか思いつきませんでした。まさか、モデルにしていないですよね(苦笑)。

結末は・・・、言いません(書きません)が、もうちょっと伏線があったほうが納得感は増します。それなりに絡みはあって、それが伏線だと言われればそうかもしれませんが、そこまでは読み取れないです。

そしてやっと冒頭の言葉ですが、挨拶の最後に影山から「失礼ながら、お客様。この映画を一度しか見ないとは、アホでございますか?」と言われてしまったんで・・・(笑)。はい、一度しか見ないです。

タイトル 謎解きはディナーのあとで
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 土方政人
原作 東川篤哉
出演 櫻井翔(影山)、北川景子(宝生麗子)、椎名桔平(風祭京一郎)、中村雅俊(藤堂卓也/プリンセスレイコ号客室支配人)、桜庭ななみ(藤堂凛子/プリンセスレイコ号歌手、藤堂卓也の娘)、要潤(石川天明/藤堂凛子の恋人)、鹿賀丈史(海原真之介/プリンセスレイコ号船長)、黒谷友香(結城千佳/プリンセスレイコ号船医)、甲本雅裕(松茂準一/プリンセスレイコ号警備主任)、大倉孝二(高円寺雄太/コソ泥、高円寺健太の弟)、児嶋一哉(パラジ・イスワラン/プリンセスレイコ号ランドリーマネージャー)、村川絵梨(枕崎美月/プリンセスレイコ号船内新聞編集主任)、団時朗(レイモンド・ヨー)、六角精児(プリンセスレイコ号調理部員)、田中要次(プリンセスレイコ号機関員)、伊東四朗(唐沢)、生瀬勝久(京極天/プリンセスレイコ号乗客)、竹中直人(高円寺健太/コソ泥、高円寺雄太の兄)、宮沢りえ(熊沢美穂/プリンセスレイコ号乗客)、志賀廣太郎(京極天の秘書?)、中野美奈子(プリンセスレイコ号バー従業員)、ダイアモンド☆ユカイ?(プリンセスレイコ号カジノディーラー)

[2013/08/03]鑑賞・投稿

真夏の方程式

2013年06月30日 | 邦画
東野圭吾原作の人気小説、ガリレオシリーズが原作。

原作からは、それ程大きな改変はない・・・、って言うか、そもそも原作では“岸谷”なる刑事は出てきていないので、そう言う意味では、大きな改変があるとも言います。ただこれは、内海にも同じ事が言えていて、彼女も原作には居なかったのにテレビドラマ化される際に登場したと思うと、逆に原作に進出してきましたからね。この程度は、改変には入らないんでしょう。それ以外の所は、それほど大きく変わっては居ません。沢村と成実の絡みが無くなったくらい?

でもやっぱり、吉高の演技が・・・。何か、必要以上にキャンキャンしていると言うか、当たりがキツイというか、もっと抑えてくれるといいだけどなぁ・・・。これは、2013年4月~6月クールのテレビドラマでも、似たようなことは言われてますね。前回のテレビドラマガリレオは欠かさず見ていたんですが、今回のテレビドラマガリレオは見なかったんで、ドラマは直接見ていないんですが、ドラマで揶揄されていたことが何となく判った気がします。

それと、湯川もなぁ。いままでの湯川と違い、作り物の湯川な感じが・・・。

と、ここまでは厳しいコメントでしたが、いい所を。杏がいいですね~。昨年のぐるナイゴチでバラエティ属性も有ることを示していた杏ですが、定評のある演技も良いです。明るさと憂いを見せる演技は素晴らしかったです。

原作も読んでいて、結末も知っているんですが、映像化されるとまた違いますね。物語後半の、やっと見つけた千波に湯川と岸谷が面会するシーン、湯川が留置されている重治に“仮説”を語っているシーンは、心にグッと来るものがありました。

若干「なんだかなぁ~」と思う所はありますが、原作が良いだけに、中々締まったいい映画だと思います。

タイトル 真夏の方程式
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 西谷弘
原作 東野圭吾
出演 福山雅治(湯川学)、吉高由里子(岸谷美砂)、北村一輝(草薙俊平)、杏(川畑成実)、前田吟(川畑重治)、風吹ジュン(川畑節子)、白竜(仙波英俊)、塩見三省(塚原正次)、山崎光(柄崎恭平)、西田尚美(三宅伸子)、田中哲司(柄崎敬一)

[2013/06/30]鑑賞・投稿

二流小説家 シリアリスト

2013年06月16日 | 邦画
「このミステリーがすごい!2012年版(海外編)第一位」の映画化。“このミス一位”と言うキーワードだけ耳にしていたので、日本人作家の作品かと思っていたんですが、外国人作家の作品でした。

いやぁ、上川隆也いいですね~。真面目一辺倒の売れない二流小説家の雰囲気がよく出ています。

でも何と言っても、この作品は、武田真治に尽きますね。上川隆也が何かのインタビューの時に「(武田真治は)会った時には既に呉井になっていた。」と語っていましたが、キレ具合最高です。あそこまでおかしければ、現実の世界では、殺人捜査を通じて精神鑑定が行われるのは必定。その位のキレ具合です。キモい。

海外小説を日本を舞台に描き直した作品ですが、日本人作家の作品とは異なる雰囲気満載。それが故に、「終わりかな?」と思ったところから、更に話は続きます。小説では良いと思いますが、映画では描きにくいですね。その描きにくいところを、ギリギリ何とか纏めています。

とは言え、冗長な所が散見。ぶっちゃけ、中村嘉葎雄が出てくる意味は無いのでは?何かの伏線かと思いきや、その後は全く絡みなし。不要です。

いやぁ、原作小説を読みたくなってしまいました。

タイトル 二流小説家 シリアリスト
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
原作 デビッド・ゴードン
監督 猪崎宣昭
出演 上川隆也(赤羽一兵)、片瀬那奈(長谷川千夏/12年前の呉井事件の遺族)、武田真治(呉井大悟/死刑囚)、小池里奈(小林亜衣/一兵の姪)、伊武雅刀(町田邦夫)、賀来千香子(小林郁子/一兵の母)、平山あや(鳥谷恵美/前田礼子の助手)、でんでん(後藤猛/一兵の寄稿誌の編集者)、高橋惠子(前田礼子/呉井の弁護士)、戸田恵子(鏑木裕子)、中村嘉葎雄(太田聖道)、佐々木すみ江(工藤三重子/呉井の里親)、本田博太郎(三島忠志/12年前の呉井事件の遺族)、黒谷友香(今野純子/一兵の元恋人)、長嶋一茂(レポーター)

[2013/06/16]鑑賞・投稿