勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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幸せの教室 / Larry Crowne

2012年05月12日 | 洋画(アメリカ系)
共にアカデミー賞を受賞しているトム・ハンクスとジュリア・ロバーツの共演。リストラされた中年男性が再就職のために入学したコミュニティ・カレッジでの、教師や学友たちとの交流を描く。

プロダクションノートによれば、この作品は、トム・ハンクス自身が高校卒業後に進んだ“短期大学”での経験を踏まえた物語だそうです。当時は1970年代だったそうですが、そこでは、人種、年齢、経験(職歴)などが様々な人物がいて、非常に強烈な印象を受けたそうです。確かに、出演者の役名を見てみると、ラリー・クラウンはアイルランド系(?)の名前のようですし、テイノーはTainotと書くところからフランス系(?)。マツタニなんかはモロ日系ですし、アフリカ系、スペイン系など、様々な人種の人物が登場しています。その意味では、トム・ハンクスの描こうとした世界の一端は十分に表現されていたと思います。

それと、少しネタバレになってしまいますが、書かずにはいられないので書いちゃいます。物語の終盤、ラリーが家を退去する引越しパーティーのために頼んだピザを頼むんですが、その配達員が、ラリーにリストラを通告した人物の一人だったと言うシーンがあります。これは、アメリカの就業事情を炙り出す、中々、興味深いシーンだと思いました。こういう事は、結構あるんでしょうね。

さて、ラリーが通学する“コミュニティ・カレッジ”ですが、“短期大学”と訳されています。ですが、これを日本の短期大学と同じだと思うと少し誤解があるのでは無いかと思います。むしろ、専門学校と言うか、職業訓練校と言うか、そう言う要素が強いかなぁ。だから、年間のカリキュラムと言うより、もっと短期で、しかも授業単位での資格になっているんですよね。

いやぁ、それにしても、こう言っては失礼ですが、トム・ハンクスは冴えない中年男性を演じるのが上手い!生きるのが少し下手だけど、実直で良い人であるラリー・クラウンを、十二分に演じきっています。

しかし何と言っても、ジョージ・タケイじゃ無いですかね?「ふふふふふ・・・。」と言う、少し(かなり?)不気味な笑いで存在感を示していました。あ、それと、彼の出世作スター・トレックへのオマージュなのか、テイノーの授業でスター・トレックの良さを熱弁している生徒がいました。

アメリカの一般市民の生活を描いた作品です。ちょっとホッコリしたのは私だけでしょうか?原題が『Larry Crowne』何ですが、邦題の『幸せの教室』の方が良いような気がしました。

タイトル 幸せの教室 / 原題 Larry Crowne
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2011年/アメリカ
監督・脚本・制作 トム・ハンクス
出演 トム・ハンクス(ラリー・クラウン)、ジュリア・ロバーツ(メルセデス・テイノー)、セドリック・ジ・エンターテイナー(ラマー)、ブライアン・クランストン(ディーン・テイノー)、タラジ・P・ヘンソン(ベラ)、ググ・バサ=ロー(タリア・フランチェスコ)、ウィルマー・バルデラマ(デル・ゴード)、パム・グリア(フランシス)、ジョージ・タケイ(エド・マツタニ)

[2012/05/12]鑑賞・投稿