勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

NO / NO

2014年08月31日 | 洋画(その他)
実話に基づく作品。

1988年、南米チリのアウグスト・ピノチェト将軍の大統領任期の8年延長の賛否を問う国民投票をめぐり、反対派が広告の手法を用いて賛成派に対決していった物語。

1988年なので、ちょうどベルリンの壁崩壊の頃。ベルリンの壁崩壊はすごくニュースになりましたが、チリの国民投票が行われたということは残念ですが記憶にありません。チリの事は、そのくらい日本には馴染みがないんですねぇ。でも、時期的に同じということで、2010年から2012年に起こったアラブの春もそうですが、こう言う民主化活動というものは、全世界当時多発的に起こるんですね。

この作品自体は、2012年の作品なんですが、1988年当時の雰囲気を出すためか、ビンテージカメラを用いて撮影されたそうで、最近のデジタル映像とは違う、柔らかい(別の言い方をすれば、少し輪郭がぼやけた)映像になっています。

内容は、思ったのとはちょっと違いました。もっと、広告で反対運動が盛り上がって行くことが描かれていくのかと思っていたんですが。確かに、広告手法で運動を進めていく描写はありましたが、むしろまじめに運動を追求している感じ。お祭り騒ぎを描くのかと思っていたんですがね。だからか、若干、リズムが単調。レネが運動に参加して、進めていくまでは冗長。賛成派の巻き返しが始まっても、デモ弾圧の場面はありましたが映像は抑制的。もっと、賛成派・反対派入り乱れての広告合戦を期待していました。もっとも、あんまり事実とかけ離れてもアレですけどね。

想像とは違ったとは言え、中々、興味深い内容の映画でした。これは、アラブの春巻き起こった2012年に作成されたことは、偶然の一致じゃないですよね?

タイトル NO / 原題 NO
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2012年/チリ・アメリカ・メキシコ
監督 パブロ・ラライン
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル(レネ・サアベドラ)、アルフレド・カストロ(ルチョ・グスマン/レネの上司)、ルイス・ニェッコ(ホセ・トマ・ウルティア/野党指導者)、アントニア・セヘルス(ベロニカ/レネの妻)、マルシアル・タグレ(アルベルト/野党運動家)、ネストル・カンティリャナ(フェルナンド/野党運動家)、ハイメ・バデル(フェルナンデス/大臣)

[2014/08/31]鑑賞・投稿