勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

エベレスト 3D / Everest

2015年11月07日 | 洋画(アメリカ系)
1996年に発生した『エベレスト大量遭難事故』を描いた作品。

3Dでの作品です。この作品を3Dにする意味はちょっと良くわかりませんが、臨場感を増すということなんですかね。3Dで無くても、あの映像は十分に迫力はありました。

この事故の時、日本人が遭難していたと言うことは知りませんでした。しかも女性で、日本人として田部井淳子さんに次いで2人目の七大陸最高峰登頂者だったとはね。田部井淳子さんや今井通子さんは有名ですが、難波さんの事は寡聞にして知りませんでした。普通の会社員をしながら、登山費用は自分の給料で賄っていた方ということで、努力家であったんですね。

ところで、今回その難波靖子さんを演じた森尚子って、トーチウッドに出ていた人ですよね。久しぶりに活躍している姿を見ました。ほとんどセリフはありませんでしたが(苦笑)。

既に指摘されている事でもありますが、商業登山の難しさを垣間見ました。劇中、クレバスに架かる橋で渋滞した時のクラカワーのセリフに「65000ドルも払っているんだから、渋滞させるな」と言う趣旨のものが有るんですが、そう言われちゃったらねぇ。登山というものはそういう物ではないと思うんですが、“お金を払う者、お金を貰う者”と言う存在があると、そうなっちゃいますよね。それと、遭難の原因の一つとも考えられる、ダグ・ハンセンに対して、登頂断念を強制できなかったということ。これも、お金を貰っているという事があるんで、強くは出られなかったと言う事もありそうな気がします。それに、隊員たちの技量もバラバラに感じましたね。公募隊ではなく、山岳会などの登山パーティであっても遭難は避けられなかったかもしれませんが、少なくとも技量は平準化されるでしょうし、隊長の指揮権ももう少し強かったのではないかと思います。

基本的には、事実を描いているので、ドラマティックな出来事はありません。って言うか、不謹慎かもしれませんが、この遭難事故自体がドラマティックであると言えると思います。それにしても、終わりはちょっと唐突。カットアウトされた感じです。あれはもう少し、何とかならなかったですかね。

そういえばエベレストって、2014年には大雪崩、2015年にも地震に伴う雪崩で、大遭難が起きているんですよねぇ。こればかりは、時代が進んでいったからといって、安全になるものでは無いですね。自然は偉大で、怖い。

タイトル エベレスト 3D / 原題 Everest
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/アメリカ・イギリス
監督 バルタザール・コルマウクル
出演 ジェイソン・クラーク(ロブ・ホール/アドベンチャー・コンサルタンツ隊(以下AC隊)隊長)、ジョシュ・ブローリン(ベック・ウェザーズ/AC隊)、ジョン・ホークス(ダグ・ハンセン/AC隊)、森尚子(難波康子/AC隊)、マイケル・ケリー(ジョン・クラカワー/AC隊)、ティム・ダンティ(ジョン・タースケ/AC隊)、マーク・ダーウィン(ルー・カンシケ/AC隊)、ディミトリ・ゴリトサス(スチュアート・ハッチスン/AC隊)、アン・フーラ・シェルパ(アン・ドルジェ/AC隊シェルパ)、キーラ・ナイトレイ(ジャン・ホール/ロブの妻)、ロビン・ライト(ピーチ・ウェザーズ/ベックの妻)、マーティン・ヘンダーソン(ハロルド・ハリス/AC隊ガイド)、サム・ワーシントン(ガイ・コター/AC隊ガイド)、トーマス・M・ライト(マイク・グルーム/AC隊ガイド)、エミリー・ワトソン(ヘレン・ウィルソン/AC隊チームマネージャー)、エリザベス・デビッキ(キャロライン・マッケンジー/AC隊チームドクター)、ジェイク・ギレンホール(スコット・フィッシャー/マウンテン・マッドネス隊(以下MM隊)隊長)、イングバール・E・シーグルズソン(アナトリ・グフレーエフ/MM隊ガイド)、トム・ゴールドマン=ヒル(ニール・ベイルドマン/MM隊ガイド)、ペンバ・シェルパ(ロプサン・ジャンブ/MM隊シェルパ)、バネッサ・カービー(サンディ・ヒル・ピットマン/MM隊)、マイカー・A・ハウプトマン(デイビッド・ブルーシャーズ/IMAX隊)、クライブ・スタンデン(エド・ビエスチャーズ/IMAX隊)