勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

アイアムアヒーロー

2016年04月29日 | 邦画
謎のウイルスに感染してZQNと呼ばれるゾンビ化した人々に襲われ逃げ惑う様子を描いたパニックムービー。世界三大ファンタスティック映画祭の第48回シッチェス・カタロニア国際映画祭では観客賞及び最優秀特殊効果賞、第36回ポルト国際映画祭では観客賞及びオリエンタルエキスプレス特別賞、第34回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭では最高賞であるゴールデン・レイヴン賞を受賞した他、サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW2016)でも観客賞を受賞しています。

いやぁ、日本映画もここまで来ましたか。R15指定なのもよくわかります。はっきり言って、グロい。って言うか、グロいのは前半に集中しているような気もするんですよね。後半でももちろんZQNとの闘いは描かれるのですが、前半でパンデミックになって行く件と比べて、後半の闘いはそうでも無いかなと。

この作品って、時期的には昨年話題になった『海街diary』よりも撮影が先立ったんですね。なので、長澤まさみは、この結構ハードな作品の後に、ああ言う家庭を描いた作品に出たと。いやぁ、女優って凄いですね。どのくらいのインターバルが有ったのか知りませんが、サバサバ系と言う共通点はあるものの、演じている人物像が全く異なるわけですから、その気持ちの切り替えは凄いですね。

それともう一人の女優、有村架純。彼女、あんまりセリフが無いですね・・・。可愛いんで良いんですけど(苦笑)。

あとは何と言っても主人公を演じた大泉洋。いやぁ、なんだかんだ言っても芸達者ですねぇ。これをもって今の大河ドラマ『真田丸』に繋がったとは言いませんが(笑)、懐の広さを感じさせられました。

ウイルスの潜伏期間が良くわからん(すぐZQNと化す人もいれば、時間を要している人もいるみたい)とか色々と突っ込みたくなる所はありますが、まぁ、そう言う所は目をつぶったとしてもなお、これは指摘せざるをえないです。まだ原作が終わっていないと言う理由はあるのかもしれませんが、あの危機を脱してもねぇ、外にはまだまだ危険が一杯なわけで・・・。色んな意見は有るかもしれませんが、原作は原作、映画は映画として、映画なりの結末を付けても良かったかもしれませんね。

まぁ、でもこの作品は勢いで見る作品かなぁ。あまり色んな余計なことは考えてはいけないかもしれません。

タイトル アイアムアヒーロー

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/日本
監督 佐藤信介
原作 花沢健吾『アイアムアヒーロー』(漫画)
出演 大泉洋(鈴木英雄)、有村架純(早狩比呂美)、長澤まさみ(藪/小田つぐみ)、吉沢悠(伊浦)、岡田義徳(サンゴ)、片瀬那奈(黒川徹子)、片桐仁(中田コロリ)、マキタスポーツ(松尾)、塚地武雅(三谷)、徳井優(アベサン)、風間トオル(千倉)

アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち / The Eichmann Show

2016年04月29日 | 洋画(イギリス系)
ナチス将校ルドルフ・アイヒマンを裁いた“アイヒマン裁判”。この裁判をテレビ中継することにより、ナチスの残虐非道な行為を白日の下に明らかにしようと働いたテレビマンたちの活躍を描く物語。

このアイヒマン裁判が白日の下に晒されるまでは、ナチスの強制収容所でのユダヤ人抹殺作戦は、『大げさ』『ありえない話』と言う扱いだったんですね。それが、SURVIVORと呼ばれる生存者達に寄る“証言”から、明らかになって行く・・・。歴史の一コマを見る感じです。

って言うか、この映画は、アイヒマン裁判自体ではなく、アイヒマン裁判を世界にしらしめるためのTV中継の為に尽力したテレビマンたちの活躍を描いているわけですが、それでも、上記の生存者達の証言への言及は避けられません。ほんの触り程度ですけど、それだけでも、その証言には戦慄しました。アイヒマン裁判は4ヶ月間続き、その間連日テレビ放映(もちろん録画)されたそうですが、この内容が放送されたのだとしたら、衝撃ですよね。

この映画自体には、映画のために撮影したシーンの他、当時の映像そのものが使われています。その当時の映像が「これは現実なんだ」と言う感をより強めています。

戦後70年を超えました。歴史は遠くなりにけり・・・とならないよう、こう言う作品が、未来への警鐘としてこれからの時折作られて行くことを祈念してやみません。

タイトル アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち / 原題 The Eichmann Show

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
出演 マーティン・フリーマン(ミルトン・フルックマン)、アンソニー・ラパリア(レオ・フルビッツ)、レベッカ・フロント(ミセス・ランドー)