勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

天空の蜂

2015年09月14日 | 邦画
元々は、20年前の1995年に東野圭吾が発表した同名の小説『天空の蜂』。その時でも、中々衝撃的内容ではありましたが、2011.3.11の東日本大震災を経て、原発事故のリアルさがより増した今、待望の映画化です。

原作を読んだ時も「これは凄い作品だな」と思いましが、東日本大震災での福島第一原発事故を経験した今、この映像化されたこの作品、狙ったところもあるのかもしれませんが、セリフの一つ一つがより強く突き刺さります。厳密の作品上のセリフではありませんが、「原発が一つも動いていないとなったら日本の原子炉政策は破綻する」とか、「必要だと思っているくせに、存在することを拒否している」とかね。これは、どう考えても、これまでの、そして今の日本の状況に当ててきているとしか思えませんでした。

原作を読んだ時も思ったんですが、今回映像を見て改めて思ったのが、高彦少年を救出した後、なんでビッグBの撃墜を検討しなかったんですかね?搭乗者がいなければ、撃墜を検討してもよいと思うのですが?破片が落ちてくる程度であれば、原子炉建屋は耐えうる設計ではないかと思うんですけどねぇ。

今回の撮影に、旧動燃(現原子力機構)はもちろん、自衛隊の協力もない模様。旧動燃は仕方ないにしても、自衛隊も協力なしとはね。犯人が元自衛官という設定だし、盗まれたビッグBが自衛隊の物という設定だから?でも、救ったのも自衛隊ですからねぇ。ちょっと微妙な感じでした。

佐藤二朗が福井県警警備部長の役なんですが、あんな軽い警備部長嫌だぁ。警察の警備って、機動隊も管掌しているし、外事も担当しているんですけどねぇ。あんな軽かったら、県警でも部長にはなれないと思うんだけど・・・。

脇役も脇役といっては失礼かもしれませんが、落合モトキさんが演じる福井県警の若手刑事関根が良いです。“最後に”根性を見せていました。

タイトル 天空の蜂
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/日本
監督 堤幸彦
原作 東野圭吾『天空の蜂』
出演 江口洋介(湯原一彰/ビッグB設計士)、本木雅弘(三島幸一/原発設計士)、仲間由紀恵(赤嶺淳子/三島の恋人)、綾野剛(雑賀勲/ビッグBを奪った男)、柄本明(室伏周吉/福井県警刑事)、國村隼(中塚一実/「新陽」所長)、石橋蓮司(筒井/「炉燃」理事長)、竹中直人(芦田/警察庁長官)、向井理(成人した湯原高彦)、佐藤二朗(今枝/福井県警警備部長)、光石研(佐久間/敦賀市消防本部特殊災害課長)、落合モトキ(関根/福井県警刑事)、やべきょうすけ(根上/救助ヘリ操縦士)、永瀬匡(上条孝正/子供の救出に向かう自衛隊員)、石橋けい(湯原篤子/湯原の妻)、手塚とおる(高坂/愛知県警刑事)、松島花(野村/愛知県警刑事)


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