勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

チャイルド44 森に消えた子供たち / Child 44

2015年07月05日 | 洋画(アメリカ系)
第二次大戦集結間もない1950年代のスターリン体制下のソ連で、少年の事故死を疑い、その死の真相に迫ろうとした捜査官の姿を描く。

労働者の理想郷だから殺人はないってねぇ。そんな事がまかり通る世界だったということが怖いですね。劇中“MGB”と称されるのは、当時の国家保安省。その後国家保安委員会=KGBとして再編される組織です。そんな組織だから、みんな怖がるわけですね。

原作本は、ソ連を継承したロシアでは発禁処分となったらしです。劇なので多少の誇張はあるにせよ、国の恥部を暴いたから?人権を無視した反体制派に対する弾圧などが描かれていますが、発禁処分か。そんな事が可能な国なんだな、ロシアは。

チャイルド44と、子供連続殺人を描いた物語ですが、思ったよりも、殺害される子供のことに焦点はあたっていません。映画という特性上、時間に限りがあるので事細かに数々の事件を描くことは出来なかったのだと思いますが、ちょっと物足りない感じがしました。だってねぇ、連続殺人を負っているわけだから、事件の連続性を感じないとね。

連続殺人の描写が少なかった分、レオの捜査の描写に時間が割かれています。そう言う観点では、そこの部分は満足。それと、MGBにレオが追われているという雰囲気は有ったんですが、詰めがちょっと甘いかな。もう少し、スパイ映画的な切迫感があれば・・・。

長い作品を、苦労して一つの映画に作り上げたという事を感じる作品です。

タイトル チャイルド44 森に消えた子供たち / 原題 Child 44
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 ダニエル・エスピノーサ
原作 トム・ロブ・スミス
出演 トム・ハーディ(レオ・デミドフ)、ノオミ・ラパス(ライーザ・デミドワ/レオの妻)、ゲイリー・オールドマン(ミハイル・ネステロフ将軍)、ジョエル・キナマン(ワシーリー)、パディ・コンシダイン(ウラジミール・マレヴィッチ)、ジェイソン・クラーク(アナトリー・タラソビッチ・ブロツキー)、ヴァンサン・カッセル(クズミン少佐)


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