あしたも、さんかく 毎日が落語日和 安田夏菜・著 講談社

安田夏菜さま、第54回講談社児童文学新人賞佳作受賞作が出版されました。
立て続けにすばらしい。
宮尾和孝さまのイラストもすてき。

イベントやクラス対抗の大会盛り上げが趣味の圭介はもうすぐ六年生。
五年生終了記念のドッジボール大会応援で、女装チアガールなどの提案がクラスから総スカンを食らう。
友人全員からも、テンション高すぎ、おせっかい、ありがた迷惑、空気読めないと嫌われる。
そんなとき、五年間消息を絶っていた落語好きのじいちゃんに遭遇。

圭介が生まれる前、理髪屋をやめ５０歳で噺家になろうと落語家に弟子入りし「遊々亭さんかく」の名前をもらったじいちゃん。
酒好きの過ちで破門され、圭介が1年のとき自宅に帰って、町内で盛大な独演会を開くが評判は最低。
しかも独演会の費用を圭介のための積み立て80万を流用していたことがわかり、家を出ていた。

優勝賞金百万円のアマチュア落語コンクールで優勝し、圭介に金を返すのだと。
公園の桜の木の下で「さくらんぼ」という演目を演じるじいちゃんの落語はすばらしかった。
本番の大会も、皆をうならせる落語をしていたのに途中でフリーズして、入賞ならず。
気落ちしたじいちゃんは公園の池でぶっ倒れ、救急搬送される。

酒の呑みすぎで肝臓をやられ「養生しておとなしゅうに暮らすくらいなら死んだぼうが」と言うじいちゃんを元気づけようと、圭介はじいちゃんのマネージャーを買って出る。
ケンカしていた圭介の友だちも力になってくれて、紆余曲折の後、師匠の口入りで、さくら祭りで落語を演じることに…。

関西弁の語り口がなめらかで、圭介やじいちゃんの情けなさっぷりがすばらしく。
落語を演じている場面では、その場で聞いているような臨場感。
この作品でも、ぼろ泣きさせてもらいました。
夏菜さま、ますますのご活躍を！！

お仲間のすばらしい本、刺激されるなぁ。
今日は幼稚園の健診と、秋田県小児保健会の理事会。
今日もびよよよ～～ん　(*^　__　^*)