川天使空間

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あの日とおなじ空 安田夏菜・作 藤本四郎・絵 文研出版

2014年06月10日 05時24分30秒 | 創作・本の紹介
安田夏菜さまが2冊をほぼ同時にご出版されました。
まずはこちらをご紹介。

夏休み、ダイキはおにいちゃんとふたり、ひいおばあちゃんのいる沖縄に行きます。
ひいおばあちゃんは戦争の話をすると、途中で言葉がつまり、おかしくなってしまいます。

ガジュマルの木の下で、ダイキは不思議な体験をします。
キジムナーという赤い小さな子どものようなマジムン(魔物)が出てきて、ガジュマルの太い幹の穴を覗けと教えます。

穴をのぞくとそこには戦争の頃のおばあちゃんの家族4人。
お父さんが出兵し3人になり、お母さんが防空壕を追い出され2人になり、
赤ちゃんも亡くなり、おばあちゃんひとりが残されます。

穴に落ちたダイキの前に、少年兵が現れ銃で撃とうとします。
マブイ(たましい)を亡くした兵隊はおばあちゃんの家族を奪った憎い敵。
ダイキが真っ赤なゴーヤ爆弾でやっつけようとすると、キジムナーが押しとどめ…。

家族が引き算で減っていき、また足し算で、ガジュマルが枝をのばすようにふえていく。
「戦争」の悲惨さを、戦いのむなしさを、こんな物語にした夏菜さま、すばらしい!

子どもの頃のひいおばあちゃんがキジムナーに言います。
「わかるよ。声も出ないくらい、心がいたいんだね。あたしだって、おんなじ」
キジムナーも悲しいもの辛いものを一人で背負っているのかも。
ぼろ泣きして、佐賀に行こうとお化粧していたのに、涙でくずれてしまいました。

「木の下に入ると、お日さまの光も、ギラギラからキラキラに変わります」
ガジュマルの木は遠くから見たことしかないけれど、なんだかその下にいるようで。

他にも、たくさんすばらしい言葉があって、また読みたくなるご本でした。

本は、すばらしい児童書はとくに、心の栄養だなあと、しんみり。
昨日アップしたはずなのに抜けていてすみません。
連日いろいろあって、ほんっと、抜けてるなぁ。
火曜夜は、法人の新人歓迎会(出席者380名の大宴会)だった。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)

コメント (2)
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