川天使空間

work, write, and fish! __ >゜)))彡  

アサギをよぶ声 森川成美 作 スカイエマ 絵 偕成社

2015年11月22日 05時43分07秒 | 自然観察
森川成美さまの古代ファンタジー、アサギをよぶ声の完結編がついに出た。
第三巻は「そして時は来た」。

第一巻 アサギをよぶ声 
第二巻 アサギをよぶ声 新たな旅立ち

「神とり」にあったサコねえたちを探しにしも村を出てとが村に入ったアサギ。
そこで「生き口」として働かされているタケをみつける。

アサギに弓と「モノノミカタ」を教えてくれたハヤはどこにいる?
「ハヤもどこかでつかまっている」とアサギは確信し、
(なんとかなる、なんとかする)と、「生き口」が囚われている古かこいの中へ走った。

女たちの中で織物が得意なものたちだけが「織物」の家で働いていた。
中にサコねえをみつけ、なんとかアサギも入れてもらう。
彼らは「神とり」ではなく、ナータの手引きで塩とひきかえに囚われていたのだった。

夜、タケを探しに出て、門の近くで動く灯りを見たとき、
《ゆけ》
と声がきこえた。
声にしたがって行くと、仕置き小屋に囚われているハヤをみつけた。

助けようとするアサギにハヤは言う。
「とが村は柵ができしだい三つの村を攻めるだろう」
三つの村が一カ所に集まって一気に撃退しないと勝ち目はないと…。

多くの「生き口」の人々の前で、岩の上に立ったアサギは恐怖と不安を必死に押しとどめて声をはりあげる。
「どうか聞いて」

ハヤがやろうとしたことをアサギはやりとげようとする。
不安で押しつぶされそうになりながらも、人々にハヤの意志を伝える。
自分を突き動かす、その気持ちが言葉になる。
アサギの言葉が、声が、人を動かしていく。

ハヤに、アサギに、ほんとうの強さを見た気がした。
そして、二匹の猿の存在。
猿? 男の子? 父? ハヤ?
読者の想像はどこまでも続きそうで。

この世界をまだまだ見てみたい。
完結なんてもったいない。
そんな気にさせられるすばらしい物語でした。

森川さま、ぜひまたこの世界をまたどこかで読ませてください!

鞄の中の青緑の表紙がずっと愛おしかった。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする