川天使空間

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ふらここ第34号

2016年10月23日 05時57分39秒 | 創作・本の紹介
うつのみや童話の会の同人誌です。

せいのあつこさま「ものさし」。
団地の狭い部屋で父さんとものさしであちこちを測るぼく。
五人家族が四畳半2部屋と六畳1部屋で暮らす空間は、45平方メートル。
はじめて家に来た友だちのタクマは、緊張して帰っていった。
「おまえの家、すぐ近くに人がいるから」と。
狭いと言われてショックだったけれど、ぼくはこの家を狭いと思ったことがない。
赤ん坊の弟を踏みそうになるような狭い家で育つって、悪くないなと思わせられた。

須長和子「カエル砂」。
須長さまは、仙台の童話塾でお世話になった方。
飯豊の道の駅のお土産売り場にあった「カエル砂」。
おじいさんが「田んぼで仕事をするとケロケロ鳴く不思議な砂じゃ」という。
「今から500万年前、このあたりは日本海だった」と。
新潟の実家の裏の砂山を突然思いだしてしまった。
貝が時々出てきて、父からいつも「このあたりは日本海だった」と言われて育ったから。

はやみず陽子「すりきず」。
1年生の黄色いカバーを外した、ぴかぴかのピンクのランドセル。
まこちゃんの家でゲームをやって、帰るのが遅くなる。
星が出ている道を不審者におびえながら帰る途中、ののかは転んでしまう。
ひざと手のひらと、そしてランドセルにすりきず。
まこちゃんのせいじゃないと思っても、胸の奥が重くてつまった感じになってしまい。
傷を見るたびに胸が重くなる気持ち、ずんと伝わってきた。

高橋秀雄「馬の背を分ける」。
友だちがかつぐ神輿を見るため、遠くのバス停まで炎天下の道を歩くキョウタ。
どうせ自分なんか友だちの間でも存在感ないんだし、行くのをやめようかとも思う。
バスに乗ってもぶつぶつ考えるが、焼きそばのことを考えると、やっぱり行きたいし。
バスを降りて歩くとうす暗く、黒い雲からいきなり大雨が降ってきた。
ところが、向こうに見える歩行者道路の半分に雨は降っていない。
雨と晴れを分けたみたいに。
走って行って雨の線を越えたら、陽が射して別の世界に飛びこんだみたいだった。
「夕立は馬の背を分ける」。
去年亡くなったおじいちゃんが言っていたことを思いだした。
境目って、不思議だなと、しばし考えこんでしまった。

巻末に「日本児童文学者協会宇都宮支部 うつのみや童話の会」発行とある。
宇都宮支部は日光市「こもれびの会」と「うつのみや童話の会」からなり、
支部の代表は開隆人さまとのこと。
末永く会が続きますように!

「惚けたんじゃないか」と旦那様に言われて凹んだこともネタにしよう。
今週末札幌に持って行くMacのカスタマイズと、文化の日に来るお孫ちゃんの準備いろいろしなくちゃ。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
コメント (2)
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