デラウェア色の季節風夏号。
投稿作品の創作でただ1編採用されたのは、原山ゆうこさま「柳の下の子ども達」。
宇宙人のメッセージをキャッチしたとかカルトっぽい言動の多い水菜は、千咲の幼稚園の時からの友だち。
柳の下にいる女の人から白いレースのハンカチをもらったと見せてくれるが、
そのパワーアップした怪しい言動に千咲は水菜を怒鳴ってしまう。
ところが水菜を気に入らないクラスメイトの間宮さんが「水菜を困らせよう」と。
はさみで切られたハンカチを見た水菜は、まっ青な顔で教室を飛びだし、行方不明に。
水菜をいじめたと母に怒られた千咲は、柳の下の女の人からハンカチをもらい、泥の中に沈み込んでいく。
原山さまの話、描写も構成もしっかりしているからこわすぎる。
こわい話、ほんとうに上手いなあ。
こわい話、ほんとうに上手いなあ。
ナンセンスファンタジー分科会の推薦作、加藤一美さまの「ぶっとびの夏」も掲載されている。
十歳の如月幸太は家訓によりひとり旅に出る。
神社で出会ったのが、十四歳の倉掛涼という中学女子。
境内で拾った子猫-ちび夏とともに、ふたりは湖水村にある涼のおじいちゃんの家へ向かう。
去年亡くなったおばあちゃんの初盆なのだ。
幸太が伝家の宝刀の大声をあげたとき、ちび夏におばあちゃんの霊が乗り移ってしまい……。
って書いても面白さは伝わらないんだなあ。
軽妙な会話、すばらしいテンポ、猫好きにはたまらない描写などなど、
加藤一美ワールドが拡がっている。
そしてこれ、大会に出た作品より凄みを増している感じがする。
本で読みたいです。加藤一美さま、ぜひぜひ。
そしてあだちわかなさまの「小学校図書館ルポ」。
図書館司書ならではのルポは、今回が最終回。
—社会的な評価とは関係なく、どの本が喜ばれ、どの本が読まれないか、
この激しい現実が、直接、わかってしまいます。
創作をする者としては、嬉しくも怖い、怖くも嬉しい場所であります。
—カレーで例えるなら、低学年は甘口、中学年は中辛、高学年は辛口だけど、
低学年でも辛口が食べられる子もいるし、高学年でも甘口でないと食べられない子がいる。
そこを忘れないように心がけて頑張ります。
先生にも本を貸し出すこともあるんですね。
このシリーズ、興味深かったです!
私の書評ふたつ、
『パステルショートストーリー 夕ぐれ時のふしぎ』堀米薫・著
『トモダチデスゲーム』もえぎ桃・著
も掲載されている。
時々へんてこなところに引っかかる読み手ですみません。
巻末の童心社の広告、いとうみくさまの『ちいさな宇宙の扉のまえで』の下に『ひまりのすてき時間割』。
童心社さま、ありがとうございます!
次の季節風大会、楽しみだなあ(Webだけど、当たるかわからないけど)。
昨日の発熱外来、やっぱりすごかった。陽性率高すぎ。
今日午後は療育センターのリハビリ前診察だが、本読みはお休み。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)