川天使空間

work, write, and fish! __ >゜)))彡  

『がっこうかっぱの生まれた日』 山本悦子・作 市居みか・絵 童心社

2023年02月14日 04時49分43秒 | 創作・本の紹介
山本悦子さまのがっこうかっぱシリーズ最新作です。
過去2冊に対して、エピソードゼロの立ち位置がこの本。
がっこうかっぱが生まれる物語になっています。

 おれはがっこうの池にすんでいるがっこうかっぱ。
 アマガエルくらいの大きさの小がっぱで、
 人間くらいの大がっぱは川でくらすけれど、小がっぱは池にいる。
 人間よりずっと長生きで、池で何百年もくらす。
 あるとき、とばされたくつを池から取ろうとして、女の子がバチャーン。
 池に落ちた女の子は、かっぱとおなじくらい小さくなって、こきゅうも会話もできる。
 女の子の名前はちよ。
 戦争がはげしくなって、田舎の村にそかいしてきて、
 村の子たちにいじめられていたのだった。
 ちよにコケマルとなづけられたかっぱは、ちよから学校の話をきく。 
 ところが雪がふるころから、ちよはぷっつり来なくなって……。

「あのね、みんな、もえたんだって」
ぞくっとして、背中がつめたくなった。
「しあわせになることをねがって見ることを、見まもるっていうのよ」
かっぱに託された言葉に、胸が熱くなった。



がっこうかっぱシリーズの第1作は『がっこうかっぱのイケノオイ』。
”がっこうでいちばんよく聞こえる音は……わらいごえ”

第2作が『がっこうかっぱのおひっこし』。
”気がつかないうちになってるのが、ともだちってもんさ”

1・2作は、子どもたちの目線で描かれていたが、
今回はかっぱ目線。
カタカナで書かれた「カッパ」が 、今回はひらがなの「かっぱ」になっていた。
これ、なにかやさしい感じがしていいな。
そして、子ども目線も良かったけれど、かっぱ目線最高。
池の中、かっぱと一緒にもぐってみたい。

かっぱと一緒の池の中は、みんなの気持ちが通じ合える場所。
そんな場所が必要な子って、今の学校にはとても多い気がするし。

山本悦子さま、ますますのご活躍を!

やさしい言葉でぐっとくる作品を書けるって、ほんとにすごい。
福島県こども未来局こども・青少年政策課から『ひまりのすてき時間割』を、
「青少年の健全育成に有益と認められる書籍」として推奨するとのお知らせをいただいた。
こうしてお勧めしていただけるのは、ありがたいなあ。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする