川天使空間

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『聴導犬ふく 家族ができた!』 鈴木びんこ 新日本出版社

2023年02月16日 05時13分58秒 | 創作・本の紹介
鈴木びんこさまが絵と文章を担当された『聴導犬くんれん生ふく』の続編です。

東日本大震災の被災地で、子犬のふくは保護され、
殺処分を逃れ、聴導犬訓練生として育てられました。
そしてついに、認定試験に合格したふくは、聴導犬となります。
さて、どんな働きをしてくれるのか。

 みかさんの家族は、たかおさん、りゅういちくん、なほちゃん。
 みんな耳が聞こえません。耳がきこえるのはふくだけです。

四人家族全員、耳が聞こえないなんて。
でも、そんななか、ふくは、

 ピピッ ピピッ ピピッ! この音でふくは目覚め、
 ブーーッ ブーーッ ブーーッ! アラーム音でみかさんにタッチし、りゅういちくんもタッチして起こし、
 ピ〜〜〜〜〜ッ! やかんの音でお湯がわいたことをみかさんに知らせ、
 ブーッ ブーッ ブーッ! 洗濯が終わったブザーの音も知らせます。

家族四人の「耳」になっているふく。

 病院へ行くと、順番を知らせる呼び出し器のブーーッという音をみかさんに知らせます。
 お風呂が湧いたピロロローンの音も知らせ、
 だれかがやってきたピンポーンで、玄関に人が来たことを教えます。

聴導犬のケープをつけたふくが一緒にいることで、
聞こえないことを説明しなくても聞こえないことをわかってもらえます。
そうでないと、何でもできるみかさん一家は、聞こえないことをわかってもらえません。

りゅういちくんは、和太鼓の教室に通っています。
振動で音の強弱を感じ取ります。
りゅういちくんは人の口の動きを見て言っていることを理解し、
まるで聞こえているように声を出して話します。
「聴導犬」のケープをつけたふくを見て、友だちははじめて、
「りゅういちくん、耳が聞こえないの… ??」と。

歩道を歩くみかさんとりゅういちくんの後から、
チーン、チリリーンと自転車がベルを鳴らして走ってきたとき、
キーーーーーーーッ! あぶない!
ふくに教えられてはじめて気がつくのです。

気づかせる「音」や「振動」や「光」を出す電子機器が、支援用品として最後に書かれています。
聞こえる人にも役に立つ、特にそそっかしい自分にはうれしい道具ばかり。

たのもしい家族になったふくの絵本は、
子どもたちに「聞こえることの大切さ」「聞こえないことの大変さ」を教えてくれます。

絵はどれも、鈴木びんこさまらしくほっこりあたたかく。
とくにふくの表情が、きらきらした瞳がかっこいい!
ラストのパフェを食べたそうにしているふくもかわいい〜

鈴木びんこさま、動物を描かせたらピカイチと思います。
この本で、聴導犬のことを多くの人に知ってもらいたいと思います。

びんこさま、ますますのご活躍を!

絵も文もかけるってすごいなあ。
私は棒人間みたいな絵しか描けないものなあ。
また雪が積もったので昨夕は除雪機出動。
今夜は市立病院小児救急当番。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
コメント (2)
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