川天使空間

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『ぼくんちの震災日記』 佐々木ひとみ・作 本郷けい子・絵 新日本出版社

2023年02月18日 05時18分24秒 | 創作・本の紹介
佐々木ひとみさまは、仙台で東日本大震災に遇われました。
その時の体験をもとにした新刊です。

 四年生の友樹も中学生のおねえちゃん・絵美も、地元のお菓子「がんづき」が大好き。
 家族でじゃんけんをして、勝った人が大きいのを取るのがルールだ。
 そんな夢を見て起きたら、震災で崩れた部屋で寝ていたのに気づく。
 頭の上ではブロロロロロとヘリコプターが飛び交い、
 電気もガスも水道も止まり、食糧も底を突きそうな生活。 
 「布袋屋のかんづき、食べたいなぁ」と言っても食べられない。
 なんとか家族全員無事だったが、
 笹かまぼこ会社に勤めるお父さんは従業員の安否を確認するために本社と工場に行くという。
 ラジオから聞こえるニュースでは、津波で壊滅状態の地区もあり……。

震災での不便さ、不安さが、リアルに伝わってきた。
石油ストーブで煮炊きをしてご飯を作り、風呂の残り水をトイレに使う。
ラップをかけて食器を洗わなくていいようにする。
お父さんのメモもところどころにのっており、仕事人と震災のリアルも伝わってくる。

「それじゃあ、杜野家の『がんばろう週間』をはじめるぞ」とお父さん。
こんな危機的状態だからこそ見えてくる家族の力がすごかった。
お父さんが帰れず友樹が泣きそうになるところもぐっときた。
笑顔でいようとするお母さんも良かったし、元気が出るよう派手な色の服を着るとなりのおばあちゃんも良かったな。

そして、わずかに開いているコンビニやお店に殺到する人たち。
その中で、他の人への思いやりを持って行動できるって大切なこと。
そんなこともこの本で教えていただいた。

いちばん心に残ったのはお店からがんづきを買ってきたお父さんに、
「がんづきだけじゃなくもっといっぱい買ってくればよかったのに」と
友樹が泣き叫んで、お姉ちゃんまでつられて泣いちゃったところ。
何時間も並んでやっと物を買える辛さに耐えた感情が爆発したのだ。
「近所のお年寄りたちのために買わなかったのだ」というお父さん、すばらしい。

読んで震災に遭った時をシミュレーションして、避難グッズを揃えることもできる。
ウェディングキャンドルとか焼酎の大きなペットボトルが活躍するのも楽しい。
ダンボール箱にポリ袋をかぶせて水入れにするのも、
ソーラーのガーデンライトも、実際に役立ちそう。

書くことで悲しみがよみがえってくることもあったはず。
佐々木ひとみさま、よく書かれました! がんばりましたね!
って、ひとみさまを賞賛したいと思います。

佐々木ひとみさま、ますますのご活躍を!

昨日の小児科外来はまたインフルエンザだけだった。
しかしノロのような胃腸炎も多いなあ。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
コメント (2)
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