もう30年以上前の和歌山県田辺在住時、たしか12月の初めだつたか、山奥の湯の峰温泉に車で移動する際、あざやかに色づいた山肌を目のあたりにして、目を疑った記憶がある。それまで長年住んでいた北国は12月ともなれば、すでに落葉樹はすっかり葉を落とし、小雪も舞いはじめる頃合なので、「さすが南紀、秋が遅いよな」と改めて南国に住んでいるという自覚を覚えた。
2024年、いまその北国にまた住んでいて、もうあと三日もすれば12月だというのに、今朝市内の公園を歩いたら、モミジ、カエデ、イチョウなど秋色の主役たちが色鮮やかに錦を織りなしているではないか!
北緯38度のこの地方も、とうとう南の国の一角を占めるようになったか。
秋が遅いの正しいことなのか。この地方も、いずれは南紀のような照葉樹林帯になってしまうのか、少し高いところに登ったり、内奥にたどり着かないと秋の彩りに巡り逢えないのか、そこまでは生きていたくないな。