そう言えば、今回の釣行前から老いた母の体調が余り芳しく無く釣行の前日に病院で点滴投与を
してもらってきましたら随分と回復し元気を少し取り戻してくれた事で飛騨入りする事が出来ました。
21日の就寝前に母に連絡を入れると頗る元気でしたので安心しての車中泊が可能でした。
グッスリと寝込んでいましたが未だ暗い内からモーターホームの天井は雨音が共鳴し
時折激しく降ったり止んだりを繰り返している内に外はゆっくりと白み始めましたので
起床し、先ずは腹ごしらえです。ここから22日の目的の某支流迄は30分位ですから
そんなに慌てる事はないのですが段々雨が酷くなってくる予報が出ていましたので
何時もの倍以上の咀嚼速度での朝食を済ませ、いざ出陣です。
現地に到着した頃には相当な降雨になって来ました。
当然こんな天候ですから釣り人は一人も居ません。
モーターホーム内で釣り支度を済ませ土砂降りに近い状況の中、橋下の大きなプールに到着し
先ずは少しの間プールを傍観していました。水勢はかなり強いながら未だ濁りはありません。
水面は雨粒で白だって気温も低く心は萎えてしまいそうな感じでしたが取りあえずは
こんな時の頼もしい毛鈎であるオリジナルレシピのシルバーマーチブラウン改良版の
ゴールドマーチブラウンをプールの護岸の上から4番ラインに乗せてキャスティング開始。
プールの中央部から上流側を探っていると遥か後方下流で拳骨位の石を投げ込んだ様な
「バッシャ~ン!」と言う大きな音と共にこれまた大きな波紋が一瞬広がりました。
橋の上から誰かが石でも投げ込んだかと思いましたが誰も居ません・・・
「まさか?こんな大雨の中でラ・イ・ズ?」
疑心を抱いたままプールの中央部から今度は水面を横切る様に下流側へ向けて何度か
毛鈎にアクションを入れ水面をスケーティングする様に操っていると
水面下に魚雷の様な塊が現れ一瞬で毛鈎に勢い良く襲い掛かってきました。
・・・が、空振り!
「何だ!今の大きいサカナは・・・」
毛鈎をひとサイズ落とし再度のトライ。
「バッシャ~ン!」
「出た~!」
「掛った~!」
首を振っては悶え、走っては悶えを繰り返した後、水面に魚体を曝して驚きです。
サツキマス?大型の銀毛アマゴ?・・・尺を遥かに超えている砲弾型の魚体じゃないですか・・・
でも・・・
掛けてしまいましたが自分は水面から3メートルは有る護岸の上。
捕り込む事が出来ません。落としダモか海釣り用の振り出しダモでも有れば・・・
魚体の重みと強い流れで浮かしている為、ティペットも限界です。
こうなったら護岸の上からズームで画像をと思いポケットをゴソゴソしていると・・・
「アッ!」
大型熟女が最後の力で暴れた瞬間・・・
「口切れ!」
毛鈎が宙を舞いました。
画像が無いので白昼夢ならぬ早朝の夢となってしまいました。
眺めが全てセピア色になってしまった感じです。
それでもその後、8寸と9寸のアマゴはプールが終わった下流の瀬から
引き摺り出しましたが何だか物足りなさを感じずにはいられません。
撮影後、漁協の監視員さんが巡回してきて笑い話で終わらせましたが
ちょっと悔しい気分を引き摺ったまま本当のクライマックスが待ち受ける
次なる某支流へ移動しました。
雨脚は更に強まって来ましたので濁流化するのは時間の問題です。
つづく・・・