全国町村議会議長会編の「議員必携」第七次改訂新版によれば
全員協議会は、法的な根拠のない事実上の会議である。
町村議会においては、その必要性から議会が開かれている会期中はもちろんのこと、閉会中においても相当程度開かれている。
全国町村議会議長会の調査でも一町村議会当たり年8.5日を数えている(平成14年7月1日)。
(一) 全員協議会の性格
全員協議会は、法的な裏付けのある町村長の召集行為による会議ではなく、通常、次のような場合に議長の招集で開かれる会議である。
(1) 本会議関連の協議会
本会議の審議の過程で、必要に応じて、議長が休憩を宣して、話し合いをする場合である。
それには、議員相互の意見を調整する場合と、執行機関と議会側の意見の調整を図る場合、そして、この両者をあわせたような場合がある。
いずれにしても議事を円滑に進めるために開かれるものである。
したがって、この協議会で話し合いがついて、本会議が再開されると、議事はきわめて順調に進められる。
しかし、協議会開催中の質疑や意見は会議録に記載されないので、傍聴者や住民には知らされない欠点があるから、そのことを十分意識して、それなりの配慮が望まれる(一般的に協議会は非公開とされるのが実態である)。
(2) 自主的意見調整の協議会
議長の自主的な判断で(又は議会運営委員会に諮って)開かれる場合で、議会自体の行事や運営や活動について協議したり、近く開かれる議会に懸案になっている問題の提案が予想されるような場合、議会内部の意見調整をするため、通常議長の司会で行われる全員協議会である。
したがって、町村長には、何等関係のない議会独自の立場での会合である。
(3) 町村長が意見を聞くための協議会
町村長の依頼を受けて、議長が召集はするものの、その目的は町村長が行政上の重要問題等について議会の意見を聞くための協議会である。
協議の対象は、行財政運用上の重要問題とか、企業誘致や開発行政に関連した対外折衝関連事項等の場合もあれば、中には、議会に提案予定の案件について、説明をし質疑を受ける、いわゆる「事前審議」の類の全員協議会もある。
全員協議会の形式は、おおむね、右のような三つの型に分類できる。
最も多いのが(1)の型であって、会議規則にしばられる本会議に比べてお互いに忌憚のない意見が発表できるので、その後の本会議の運営がきわめて円滑に進められる長所がある。
もちろん、協議会は、非公開が原則であるから、その内容が記録として残らない短所もあるから、その乱用は慎むべきで、必要最小限度にとどめて運用の妙を発揮すべきである。
(2)の型の協議会は、議会が合議体の機関として開会中ばかりでなく閉会中もいろいろな形での事実上の活動を要求される以上、打合せや意見調整の場が必要なのは当然であるから、それを円滑に、しかも積極的にするため大いに活用されてよい協議会であるといえる。
(3)の型の協議会には、問題がある。特に、後段の「事前審議型」の協議会は、議会と町村長が一歩はなれて提案と審議そして議決と執行の権限を分かち合う「大統領制」の組織原理にももとり、議会の権威を失い、町村長の責任体制も否定されかねないものである。
このような協議会開催の町村長の要請には応じない気骨と心構えがあって然るべきである。
前段の型、すなわち、町村行政上の重要問題について議会の基本的考え方を聞いて参考にする協議会の開催は、議会運営委員会等で検討して必要最小限度にとどめることが肝要である。
要は、全員条議会が事実上の意見調整、話し合いの場であることを基本にして、あくまでも活発で円滑な議会運営と活動を目指して良識ある運用を図りたいものである。
なお、全員協議会は、法的根拠を持たない会議であるから、これに対する費用弁償は支給できないものである。
また、全員協議会中の災害については、本会議密着の協議会の場合を除いて、公務災害補償の対象にならないので、十分留意すべきである。
以上が、全国町村議会議長会編の「議員必携」第七次改訂新版による「全員協議会」に関する解説の全文です。
町村という表記の所を「市町村」に、町村長という表記の所を「市町村長」に、町村議会という表記の所を「市町村議会」に読み替えたら、私たちの雲仙市に当てはまるものと思います。
雲仙市議会では、その議会議員「全員協議会」が、今日(12月9日)開催されたようです。
その情報は、「市長へのメール」に対する返書で知りました。
議会情報の公開に関する事柄などが話し合われたようですが、基本的に全員協議会は非公開ですから、私たち住民はその内容を知る事は出来ないようです。
しかし、その全員協議会で、どのような事が話し合われたのか知りたいものですね。
特に、議会情報の公開に関する事は、どのような方針になったのか、是非とも早急に知らせて欲しいものですが、公開はしないという方針に決まったという可能性もあるでしょうね。
その様な場合には、一般市民が声をあげなければならないと思います。
「地方議会の用語集」というホームページがありますので、興味のある方は
ここをクリックして、開いてみてください。
豊田かずき