日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

あっという間の25分

2011年11月23日 | インポート
生まれて初めて五島の福江と長崎の大村を飛行機で往復した。

おととい出発してきのう帰ってきたが、飛行機に乗っている時間は片道25分間という短さだった。

船では2回ほど五島まで往復したことはあるが、飛行機による往復は今回が初めてだった。

もちろん仕事での出張だが、いつか時間とお金に余裕があるような時がくることがあれば、のんびりと行ってみたい地域ではある。

座席は行きも帰りも飛行機のプロペラのすぐ脇で、帰りは17時55分発の便だったので、眼下に美しい町の夜景を見る事が出来た。

眼下の夜景を見ていると、道路を走っている車のヘッドライトの流れが、まるで人間の血管の中の血流の様だし、その周りの集落の明かりの集合が細胞の様にも見えた。

それぞれの家の明かりの中にいろいろな人たちの生活の営みがあり、動いている車に乗っている人それぞれにいろいろな思いがあろうしと思いながら自分も飛行機の中で家路を急いでいる。

そのような事などを思っていたら、あっという間に25分間が過ぎ、大村空港に着いてしまった。

それから車で1時間ほどで家に帰り着いたが、やっぱり我が家が一番落ち着く。

帰る家があり、家族がいてくれることはありがたい。





ヒノキの香り

2011年11月20日 | インポート
ひのき(檜)などの材木を製材する時に出る切りくずなどをオガ粉(大鋸粉)というそうだが、昨日はあるイベントの会場でそのオガ粉を無料で配布する係りを体験した。

コップに3杯ほどのオガ粉を、微細な隙間のある特殊な半透明の袋に詰めて、そのイベント会場に足を運んでくださった不特定多数の人達に配るというのんびりとした時間のなかで、いろいろな人たちと出会う事が出来た。

その隣りでは、オリジナルのしおりの作成を無料で体験できるコーナーが設けられていて、子供づれの家族で賑わっていた。

オガ粉を配っていて、印象に残った人とカップルがいた。

オガ粉を配布する前に、各人にその香りをかいでもらい、その香りを好むか好まないか尋ねてから、好む人にだけ配布するようにしていた。

3人連れの大学生らしき女性グループが来たので、ヒノキのオガ粉の香りをそれぞれにかいでもらったところ、最初の女性は「わー、このにおい大好きー。」と言って感激した様子だった。

他の2人はあまり好みの香りではなかったようで、どうですかと尋ねたところ首をよこに振った。

「わー、このにおい大好きー。」と言った女性は、「この香りをかいだらどうなるのですか」と問うたので、好きな香りに包まれて暮らしていれば幸せな気持ちになるでしょうねと答えておいた。

そしてさらに、この香りを好む彼氏ならば頻繁にあなたの部屋を訪れるようになるかもしれませんよと少し余計なことまで付け加えてオガ粉が入っている袋を手渡しておいた。

その3人組が隣りの無料オリジナルしおり作成の体験を終えての帰り際に、ヒノキの香りが大好きだと言った彼女は「すみません、もう1つ頂いてもよろしいですか」と言ってきたので躊躇無く差し上げた。

きっと彼女は、自分の部屋の中の2袋のヒノキの香りに包まれて、シアワセな気分に浸っているのだろうと思う。

もう一組は、見るからに仲の良さそうな学生風のカップルで、「この香りいかがですか。好きですか。」と聞いたら、二人とも「いい香りですね。好きです。」と答えたので、それぞれに1袋づつ差し上げた。

きっと仲のよさそうなこの二人は、人生の中で、周りの全てがばら色のような時期を生きているようで楽しそうに感じられたので、ヒノキの香りもそのような流れの中で好みの香りとして感じられたのではないかと勝手に想像してしまった。

科学的に作り出された芳香剤と違って、自然の中から発しているヒノキのオガ粉の香りは、好きな人にとっては精神を安定させるのに有効なのかもしれない。

オガ粉配りの体験で、色々な人の反応を興味深く見させてもらう事が出来た。

楽しい一日だった。








イノシシの能力からTPPまで

2011年11月12日 | インポート
今関わっている仕事の関係でイノシシの能力を認識する事が出来た。

荒廃した竹林の整備の仕事に関わらせてもらっているが、先日、2ヶ月ほど前に竹林整備が完了した区域を回ってみたが、あちこちに地面を掘りくりかえした跡があった。

そしてその堀りくりかえされた穴の中のいくつかには、10cmから15cm程度のタケノコの皮が1枚づつ残されていた。

明らかに、土の中に埋まっていたタケノコの新芽をイノシシが掘りくりかえして食べた痕跡である。

無料で出来る竹林整備のフィールドとして、あなた方の荒廃竹林を提供して頂けませんかという話を持ちかけると、そのうちの何人かは「自分がタケノコを掘る前にイノシシが全部掘って食べてしまうから、竹林を整備してもあまり意味がない」という返答がある。

そのように言われていた事を納得させられるような光景を見せられた。

イノシシの嗅覚はかなりの物で、人間のそれとは比較にならないほどすごいのだそうだが、まさにその事を実感できる現場を見せ付けられた。

厳しい自然界で生き抜くために備わっている能力のひとつではあろうが、果たしてイノシシは嗅覚だけで地面の中に埋まっているタケノコの新芽を見つけ出しているのだろうかという疑問を感じた。

もしかしたらエックス線のような、土を透過して認識できる能力がイノシシには備わっているのではないだろうかと思ってしまった。

誰かそのような仮定に基づいての研究をしている人はいないのだろうか。

いずれにしても、イノシシには土の中のミミズやタケノコの新芽などを見つけ出して食糧にしてしまう能力があることは分かっている。

日本中のあちこちで、民家の周辺までイノシシが進出してきて、農作物などを食い荒らす被害が続出している。

せっかく育てた農作物を、イノシシに食べられてしまっている農家の苦悩は相当な物ではあろうが、イノシシにしてみれば生存していくための生活そのものでもあろう。

渓流釣りの途中で、夫婦と思われる2頭のイノシシが、6匹の子イノシシ(ウリ坊)を引き連れて道路を横断している光景を目撃したことがある。

車で移動中の出来事だったが、その光景を見てイノシシも必死に生きているのだろうと思ってしまった。

農作物を食い荒らされる被害に遭っている人たちにとっては腹立たしい事ではあろうが、現況は自然界のバランスでそのようになっているのであろうから、私は別の発想で見るようにしている。

来るべき日本国の食糧危機に備え、国家を挙げて、繁殖能力の高い野生のイノシシを自然界の中で飼育しているのだと思えばよい。

今の我が国は輸入食材などに頼って、飽食の時代を謳歌しているが、ほんの60年前ぐらいの頃は食糧難の時代でもあった。

食糧自給率が40%以下という情けない、自称独立先進国家において、TPP交渉などに参加しようものなら、それによって利を得る某国家の意のままにあやつられ、更に日本国の食糧自給率は低くなり、生活の根幹である食の危機に陥ることは容易に想像できる。

日本の農業の国際競争力が云々と、日本の農業の実態を知らない馬鹿どもが言っている。

日本の国家の土地利用状況をきちんと把握していれば、広大な農地を保有し、飛行機をはじめとする大型の農業機械の導入などによって営農している効率化されたアメリカの農業などとは初めから競争にもならないことは容易に理解できるはずだ。

あれだけの食糧難の時代を経験し、その実体験を持つ年代の人も数多くいるはずなのに、のどもと過ぎればなんとやらで簡単に忘れてしまい、政治が国家の基本戦略として食糧自給率を向上させようとする努力を怠っている。

たとえコスト高になろうとも、国家が食糧の国内自給に対して手厚い保護をするような政策を展開しなければ、いつか来た道は繰り返される事になる。

その食の自国内による確保を軽視していれば、そのうちに表面上は友好的な近隣諸外国から足元を見透かされ、高価な食糧品を買わざるを得なくなり、庶民である私たちの生活は破綻する。

自動車などの工業製品の輸出と引き換えに、自国の農業をつぶしてしまうような選択は絶対にやめるべきだ。

生きていくことの基本は食べて命をつなぐことに帰結する。

いざとなれば、今は自然界で飼育していることにしている野生のイノシシを、捕獲して食べるという事も必要になってくるだろう。

そのときの捕獲方法の確立に備えて、イノシシの生態を今のうちに徹底的に研究しておく必要があろう。

今は害獣ではあろうが、そのような事態になれば大切なタンパク食糧源なのだから。

それにしても、民主党の党内でTPP交渉への参加に対して7~8割の国会議員が慎重であるべきだとの考え方であるそうなのに、野田首相は何を根拠にTPP交渉への参加を表明してしまったのだろうか。。

自信を持ってTPP交渉への不参加を表明すれば良かったのに、引き返すことの出来ない国難への第一歩を踏み入れてしまった愚かな首相として歴史に名を残すことになるだろう。








民主党の終焉

2011年11月05日 | インポート
国際会議の場で、不用意な発言をするような指導者はいらない。

国内では消費税率に関しては慎重に検討する旨の発言をつい最近しておいて、その舌の根も乾かないうちに国際会議の場で消費税率を上げる計画を期間を設定して表明している。

おろかな総理大臣が、国民の期待を裏切って、小沢氏の力量などによって奪取した政権の座から消えようとしている。

「民主党」という政党の終焉を自ら演出している様なものだ。

官僚から洗脳され、自在にコントロールされるような人には指導者は務めてほしくはない。

ドジョウならドジョウらしく、何もしないで泥の中にもぐってジッとしていれば害がないのに、なまじ何かをしようとするからおかしくなる。

マニフェストを現実的なものに見直すなどということは、国民を騙して政権を取りましたと表明しているようなものだ。

消費税率は当分は上げない、公務員の給料を2割カットする等々、あれは何だったのか。

それを信じた国民の1票づつの積み重ねによって、自民党政権から政権を奪取しておきながら、ことごとく国民の期待を裏切るような政治屋集団など消滅してしまって欲しい。

名古屋市長河村氏のような、本当に庶民を経験している目線で物事を捕える事が出来るような人たちの集団に日本の政治は委ねたいとつくづく思う。

原発の再稼動の容認なども含めて、今のような状況であれば民主党の終焉の日も近い。








予想外の一日

2011年11月03日 | インポート
自分の思い過ごしから11月3日も勤務日だと思っていたが、暦では文化の日という祝日だった。

昨日、勤務先で隣の人が客先との電話の会話の中で、「明日は祝日ですので発送はあさって以降になります」と言っているのを耳にして、今日が仕事を休める日だと気付いた。

仕事日だと思い込んでいたのに休みとなれば、なんだか得をしたような予想外の一日となった。

起床時間もゆっくりで良いし、新聞もじっくりと落ち着いて読める。

郵便受けを見ると、不在配達の書類が入っていた。

11月2日の昼頃に2通の現金書留を配達に来たが不在だったので、連絡をするようにとの文書だった。

その電話番号に電話をすると大村の郵便局が出て、事情を説明すると千々石郵便局であれば本日でも受け取ることは出来るが愛野郵便局は本日祝日のために休みなので、そこでは受け取ることは出来ないと言われた。

千々石郵便局も本日は休みだが、千々石郵便局の裏手にある集配センターは開いているのでそこでなら受け取る事が出来るとのことだった。

おろかな郵政民営化で、愛野郵便局は集配郵便局ではなくなっている。

大村市の郵便局で仕分けされた郵便物は、愛野郵便局を通り越して集配局である千々石郵便局に持ち込まれ、そこから逆戻りするような経路で愛野町方面への郵便物は配達されている。

非常に効率の悪いシステムになってしまっている。

郵政民営化によって露見した悪しき一例である。

配達を待つのであれば、本日の12時から14時の間なら千々石集配センターから配達できるとのことだったので、そのようにしてもらうように依頼した。

昼食を食べ、ゆっくりしていたら13時30分頃にその郵便物は届いた。

先日亡くなったおじちゃんの葬儀の折に立て替えていた香典を、関東地方にに住んでいる兄弟から送ってきたものだった。

その中に、脳梗塞で入院してリハビリ訓練中の妻の母あてのお見舞いも同封されていたので、休みでもあるしたまには顔も見てみたいので、妻とふたりで入院先まで届ける事にした。

入院先は私の長女が生まれた元産婦人科病院で、今はリハビリ専門の訓練所になっている。

入院先に着いた時には、リハビリの最中だったので、しばらくは自分たちも廊下の片隅で、同じように足の運動や指の運動をしてみた。

手の指の運動の中にはかなり難しいものもあった。

訓練が終わってから部屋に行き、お見舞いを渡し、同封されていた手紙を読んで、妻の母は涙を流して感謝していた。

予想外の良い一日だった。