日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

竹の子切り

2014年04月27日 | インポート
今年の竹の子は豊作だった。

近隣の地域の竹山では、イノシシが食い荒らしてほとんど竹の子が収穫できなかったという話を多く聞いていた。

竹の子は、その収穫が間に合わないとどんどんと成長して、竹になってしまう。

竹になりきる前の、成長しすぎた竹の子を切り倒す作業をしておかないと、翌年は竹が密生することになってしまう。

そこで、竹の子掘りならぬ「竹の子切り」ということになる。

鉈鎌で、成長しすぎた竹の子を切り倒すのだが、直径が20cm近くあるのを切り倒すには一発で切断する事はできない。

切断する位置より上の方の長さが2m程度になると、その切り倒した部分の倒れる方向を見極めてから作業をしないと危険でもある。

体を逃がす場所を確保してから鉈鎌を打ち込む。

鉈鎌を数回打ち込むと、他の倒伏している枯れ竹に当たりながら音を立てて地面に落ちる。

長崎市内に住んでいる高校の時の同級生が、若い竹の子を掘っている間に「竹の子切り」の作業を行なった。

今の季節には、竹林の中に蚊が居ないので作業もやりやすい。

適度な運動にもなり、心地良い汗をかく事ができた。

来年の竹の子掘りの準備も出来たところで、今から芽吹きだしている若い竹の子を8本ほど掘って家に帰り、妻のお友達の「ジュンちゃん」のところに届けた。

孟宗竹の竹の子掘りは、3月下旬から5月上旬頃まではできる。

今年も毎週の様に竹の子掘りができて、旬の味を飽きるほどいただく事ができた。

自分の一生の中で、何十回訪れることになるのかは分からないが、桜と竹の子の季節が終わろうとしている。



豊田一喜




島原鉄道

2014年04月19日 | インポート
昨日は、自動車で諌早市内の職場まで出勤して、帰りは島原鉄道を利用した。

夕方に職場の飲み会があったので、島原鉄道での帰宅となった。

なので、今朝早くに島原鉄道の上り始発のディーゼルカーに乗って、諌早市内の駐車場まで車を取りに行った。

愛野駅を6時43分発で諫早駅に7時10分に着く、乗車時間が27分間で運賃が520円。

30分足らずの乗車時間で520円の運賃はかなり高く感じる。

土曜日の朝だというのに、島原鉄道にしては珍しく、高校生などで座席は満席になり、通路に立っている人も多く居た。

車窓に広がる諌早平野の田んぼには、一面に緑が広がっている。

麦の穂がそよ風に揺れていて美しい。

45年前から3年間、諌早農業高等学校の農業土木科に通学するために島原鉄道を利用したことがある。

当時はバスに酔う体質だったので、島原鉄道による通学しか選択肢が無かった。

その頃には、諌早東高校前駅も干拓の里駅も幸駅も無かった。

本諫早駅から諌早農業高校まで、徒歩で20分近くかかっていたように思う。

高校生の頃は、新しい事を学ぶ事が楽しかった。

あれからもう45年の時が流れ、60歳になり、昔で言えば「老人」の仲間入りをする歳になってしまった。

体重が一時期90kg近くまで増えたこともあったが、大きな病気もせずに今まで生かしてもらっている。

最近では島原鉄道に乗る事は稀ではあるが、島原鉄道に乗ると手提げカバンを持って通学していた高校生の頃を思い出す。

将来のことなど何も分からなかった自分が、右往左往しながら生きてきた足跡をたどる事はできる。

いろいろな仕事を体験する事を余儀なくされた、結構楽しい人生ではある。



豊田一喜