雲仙市のホームページでは、過去の入札結果が公表されている。
土木工事入札での談合疑惑事件が報じられたので、そのような疑心で公表情報を見てしまう。
トップ画面→行政情報の中の入札・契約情報→入札結果の公表とたどっていくと、入札年月日一覧画面になる。
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入札結果の中から興味深いものをいくつか取り上げてみる。
平成19年3月23日入札執行
自治会掲示板設置工事
雲仙市吾妻町2箇所、愛野町1箇所
城工務店が第1回目の入札で720,000円で落札できず、第2回目の入札にて670,000円で落札している。
入札自体は問題ないと思うが、予定価格の欄が空欄になっている。
要するに予定価格が表示してない。
おかしい。
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今、年金問題でお馴染みの単純な入力ミスだろうが、もしこのブログを見てくれている雲仙市職員の方がおられたら、ホームページ管理の担当部署に早急に数値を表示するように伝えられた方が良いと思う。
平成19年4月6日入札執行
平成19年度雲仙市議会だより印刷製本委託業務
予定価格1,730,816円を、(株)昭和堂が1,632,000円にて1回目で落札。
年に4回程度各世帯に配布されている「雲仙市議会だより」は、今年度は171万円(消費税5%を含む)程度で作成される事が分かる。
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平成19年4月6日入札執行
雲仙市議会会議録調整委託業務
予定価格4,435,200円を、(株)ぎぎろくセンターが、第1回目に5,054,400円で落札できず、第2回目に4,435,200円で落札している。
この業務は、4社が指名されていて、その内の3社は第1回目のみ入札して、第2回目の入札を辞退している。
しかも、唯一第2回目も入札して落札した業者の落札金額は、雲仙市の予定価格と同額である。
どのようなからくりになっているのか、興味深い。
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平成19年4月6日入札執行
平成19年度議会会議録検索システム導入委託
予定価格1,291,600円を、(株)ぎじろくセンターが、1,054,880円で落札。
工事(業務)期間は、契約締結の翌日から平成20年3月31日までとなっている。
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この委託業務の内容が、雲仙市ホームページ上での市議会会議録検索システムの導入を意味するのであれば、非常に有意義な事だと私は思う。
隣の島原市においては、合併するずっと以前から、市議会会議録の公開が同市のホームページ上でなされており、雲仙市においても早急に見習うべきであると、私は以前から主張していた。
これが実現すれば、各市会議員の考え方や市側の考え方、取り組み姿勢などを、じっくりと繰り返し把握する事が出来るようになる。
要するに、市議会の傍聴をしなくても、また市議会中継のケーブルテレビを見なくとも、自分の空いた時間帯に、市議会の会議内容をパソコンの画面の中で知る事が出来るようになる。
平成19年4月26日入札執行
愛野地区汚水処理場維持管理業務委託
予定価格3,310,000円を、(有)西日本衛生舎が、第1回目の入札で、1,700,000円で落札している。
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指名された業者の中には、予定価格のおよそ3倍の11,358,000円で入札したところもある。
この業務の様に地元企業の企業努力による結果で、予定価格の半額近くで落札する事が可能な業務もあり、雲仙市の財政にとっては好ましい事だと思う。
平成19年4月12日入札執行
「広報うんぜん」印刷製本業務
予定価格5,722,784円を、(株)インテックスが3,801,200円で、第1回目の入札で落札している。
各指名業者の入札金額のばらつき具合を見ると、し烈な競争だったのだろうと推察できる。
毎月市内各世帯に配布されている「広報うんぜん」は、今年度は399万円程度(消費税5%を含む)で作成される事が分かる。
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平成19年4月26日入札執行
平成19年度農業委員会会議録調整委託業務
予定価格19,950円を、(株)ぎじろくセンターが、第1回目21,000円の入札で落札できず、第2回目の入札にて19,200円で落札している。
4社が指名され、その内の3社は、第2回目の入札を辞退している。
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この記録を見て、本当にこのような金額の業務を入札にかけなければならないのだろうかと思うし、もしかしたら桁を間違えて表示しているのではなかろうかということも思う。
また、本当に20,000円程度で出来る仕事であるならば、あえて外部委託しなくとも、農業委員会の職員が処理すれば済むのではないかと思ってしまう。
録音テープに録音された会議の音声を聞き取って文字化し、製本するだけの事ではないのか。
平成19年4月26日入札執行
雲仙市男女共同参画計画策定業務
予定価格1,871,000円を、(株)ワイズマンコンサルティング九州支店が、1,240,000円で落札している。
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この落札金額が妥当なものかどうかは私には判断できないが、そもそも計画策定業務を外部委託すること自体が理解できない。
雲仙市役所企画課の業務だが、計画策定業務の外部委託を企画するのが職員の仕事だというような認識しかもてない職員集団であるのならば、企画課という部署はいらないのではなかろうか。
せめて自分たちの自治体の各種計画策定業務は、その地域の実情を一番熟知していなければならない市役所職員の集団で行うべき性質のものだと私は思う。
関係資料を収集して、雲仙市の実情を加味して調整・編集すればよいだけの事ではないのか。
このような計画策定業務を外部委託に頼るようでは、市役所職員は計画策定の能力が無いのではと、私たち一般市民から誤解をされてしまうのではなかろうか。
公開されている入札結果を調べてみると、他にも◯◯計画策定業務委託というのがいくつか見られる。
情けない限りであり、税金の無駄使いだと私は思う。
平成19年5月1日入札執行
平成19年度雲仙市自治会活動保険
入札方式 指名競争入札
雲仙市役所市民生活部市民課の業務だが、東京海上日動火災保険(株) 長崎支店が、1社だけ指名されていて、予定価格2,814,000円を、第1回目2,891,400円で落札できず、第2回目の入札にて2,710,440円で落札している。
おそらく、「自治会活動保険」という種類の保険を扱っていて指名願いを出している業者が、その1社だけなのだろうという事は想像できるが、1社だけでの入札でも「指名競争入札」という事になるというのがおもしろい。
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平成19年6月28日入札執行
瑞穂下水道管渠詳細設計業務(2期地区-2)
予定価格39,252,000円を、(株)ヒデケン設計が、第1回目の入札にて13,800,000円で落札している。
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予定価格の1/3程度の価格で落札しており、他の指名業者の入札額を見ても、最高で25,000,000円であるという事からして、予定価格の39,252,000円という金額が妥当な金額なのかどうかと思ってしまう。
平成19年6月28日入札執行
吾妻下水道管渠詳細設計業務(3期地区-2)
予定価格20,647,000円を、(株)ヒデケン設計が、第1回目の入札にて6,800,000円で落札している。
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これも予定価格の1/3程度の価格で落札しており、他の指名業者の入札額を見ても、最高で14,000,000円であるという事からして、予定価格の20,647,000円という金額が妥当な金額なのかどうかと思ってしまう。
最低制限価格を設定しないでよい業務に関しては、このような落札もありで、雲仙市の財政にとっては、相当助かるのではなかろうか。
ただし、上記の瑞穂下水道管渠詳細設計業務(2期地区-2)と、吾妻下水道管渠詳細設計業務(3期地区-2)の指名業者は、いずれも12社ずつだが、両方とも全く同一メンバーになっている。
同じ日に、同じメンバーで2種類の入札があり、どちらも同じ会社(東京の会社)が予定価格の1/3程度の価格で落札している。
落札した会社の企業努力の結果という事になるのだろうが、素人の目からすれば興味深いことだ。
指名業者を選定する側(雲仙市)に、一考の余地があるのではないかという気がする。
他にも同程度の業務をこなすことができる能力の、雲仙市に指名願いを出している業者は、全国規模で検討すれば数多くいるだろうに。
この他にも、土木工事や測量設計業務委託の入札で、指名業者の顔ぶれがほとんど同じだったり、予定価格より少し低い価格帯での入札額が揃っていたりと、興味深い指名競争入札結果を多く閲覧する事が出来る。
豊田かずき