日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

大は小を兼ねた

2007年07月30日 | インポート
6月12日のブログで、下記の表現をした。

社会保険庁のデタラメな年金問題や、憲法を変えてしまおうとあせっている現政権に対する厳しい世論が渦巻く渕の中で、果たして大は小を兼ねるという結果がでるものかどうか、興味深いところだ。

個人的には、「大は小を兼ねる」という結果の方を望んでいるが。


以下はその解説。

社会保険庁のデタラメな年金問題や、憲法を変えてしまおうとあせっている現政権に対する厳しい世論が渦巻く渕(渕瀬栄子氏)の中で、果たして大(大久保潔重氏)は小(小嶺忠敏氏)を兼ねるという結果がでるものかどうか、興味深いところだ。

個人的には、「大(大久保潔重氏)は小(小嶺忠敏氏)を兼ねる」という結果の方を望んでいるが。


選挙の結果は、望みどおりの結果となった。

昨日、2種類の投票をおこなったが、自分が投票した候補者は両方とも当選してもらえた。

試されていた私たちの良識が、きちんと反映された結果だと思う。

数の多さにもの言わせて、14回も強行採決をするような政権の先に待ち構えている、国の行方に対する危険さを、多くの国民が察知した結果だと思う。

また、口先だけでその場を言い逃れようとする政治家や現政権下の官僚に対する批判の結果でもあるのだろう。

ただスラスラと、空疎な言葉の羅列で話をしているような、「私の内閣では」が口癖の指導者の言葉は、聞いていてほとんど心に響かない。

責任を取って辞任するのかと思いきや、早々と続投を表明して、権力の座に居座ろうとする様は見苦しい。

庶民を経験した事の無い人に、庶民の目線で物事を考える事は、絶対に無理な事である。


今回、参議院で過半数を持つ事になった野党勢力と、その中でも特に大きな勢力となった民主党には、くれぐれもおかしなスキャンダルで足元をすくわれないように望みたい。

また、選挙で示した民主党のマニュフェストに関しては、必ず達成して頂きたい。

私たちの良識が、大は小を兼ねさせた。


豊田かずき



試されているのは私たち

2007年07月24日 | インポート
選挙があれば、私たち有権者は誰かを選んで投票する。

どのような考え方の人か、その人が所属している政党や組織などの基本方針はどうか、話し方や表情から推察される人柄はどうか、どのような活動をしてきた人かなど、人によって様々な評価基準があると思う。

それぞれの評価基準は色々であっても、その選挙結果において選ばれた人たちには大きな権限が与えられる事になる。

それが国政選挙であれば、国民の代表として、国家の方向性を左右する権限を与える事にもなる。

ある政党の党首が、その演説で

「現政権は、ブレーキの壊れた自動車を運転しているようなものだ。アクセルを吹かして猛スピードで走り、かろうじてハンドルは付いているが、右にしか切れないようになっている」

というような事を言っていた。

わかりやすいたとえだなと、その表現力に拍手をしてしまった。


このままの状態で前進する方が良いのか、一度停止して方向性をきちんと見直してから進む方が良いのかの判断を迫られている。

選ばれる側が品定めをされているのではなく、選ぶ方の私たちが試されている。

選んでしまってから、そんなはずではなかったのにと思っても後の祭りである。

たかが1票だが、29日には2種類の投票ができる。

試されているのは私たちだ。

豊田かずき


雲仙市入札結果の公表

2007年07月20日 | インポート
雲仙市のホームページでは、過去の入札結果が公表されている。

土木工事入札での談合疑惑事件が報じられたので、そのような疑心で公表情報を見てしまう。

トップ画面→行政情報の中の入札・契約情報→入札結果の公表とたどっていくと、入札年月日一覧画面になる。
(ここをクリックするとその画面になる)


入札結果の中から興味深いものをいくつか取り上げてみる。



平成19年3月23日入札執行
自治会掲示板設置工事
雲仙市吾妻町2箇所、愛野町1箇所
城工務店が第1回目の入札で720,000円で落札できず、第2回目の入札にて670,000円で落札している。

入札自体は問題ないと思うが、予定価格の欄が空欄になっている。
要するに予定価格が表示してない。
おかしい。
ここをクリックすると、その画面を見ることができる)

今、年金問題でお馴染みの単純な入力ミスだろうが、もしこのブログを見てくれている雲仙市職員の方がおられたら、ホームページ管理の担当部署に早急に数値を表示するように伝えられた方が良いと思う。



平成19年4月6日入札執行
平成19年度雲仙市議会だより印刷製本委託業務
予定価格1,730,816円を、(株)昭和堂が1,632,000円にて1回目で落札。

年に4回程度各世帯に配布されている「雲仙市議会だより」は、今年度は171万円(消費税5%を含む)程度で作成される事が分かる。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)



平成19年4月6日入札執行
雲仙市議会会議録調整委託業務
予定価格4,435,200円を、(株)ぎぎろくセンターが、第1回目に5,054,400円で落札できず、第2回目に4,435,200円で落札している。

この業務は、4社が指名されていて、その内の3社は第1回目のみ入札して、第2回目の入札を辞退している。
しかも、唯一第2回目も入札して落札した業者の落札金額は、雲仙市の予定価格と同額である。

どのようなからくりになっているのか、興味深い。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)



平成19年4月6日入札執行
平成19年度議会会議録検索システム導入委託
予定価格1,291,600円を、(株)ぎじろくセンターが、1,054,880円で落札。
工事(業務)期間は、契約締結の翌日から平成20年3月31日までとなっている。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)

この委託業務の内容が、雲仙市ホームページ上での市議会会議録検索システムの導入を意味するのであれば、非常に有意義な事だと私は思う。

隣の島原市においては、合併するずっと以前から、市議会会議録の公開が同市のホームページ上でなされており、雲仙市においても早急に見習うべきであると、私は以前から主張していた。

これが実現すれば、各市会議員の考え方や市側の考え方、取り組み姿勢などを、じっくりと繰り返し把握する事が出来るようになる。
要するに、市議会の傍聴をしなくても、また市議会中継のケーブルテレビを見なくとも、自分の空いた時間帯に、市議会の会議内容をパソコンの画面の中で知る事が出来るようになる。


平成19年4月26日入札執行
愛野地区汚水処理場維持管理業務委託
予定価格3,310,000円を、(有)西日本衛生舎が、第1回目の入札で、1,700,000円で落札している。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)

指名された業者の中には、予定価格のおよそ3倍の11,358,000円で入札したところもある。

この業務の様に地元企業の企業努力による結果で、予定価格の半額近くで落札する事が可能な業務もあり、雲仙市の財政にとっては好ましい事だと思う。



平成19年4月12日入札執行
「広報うんぜん」印刷製本業務
予定価格5,722,784円を、(株)インテックスが3,801,200円で、第1回目の入札で落札している。

各指名業者の入札金額のばらつき具合を見ると、し烈な競争だったのだろうと推察できる。
毎月市内各世帯に配布されている「広報うんぜん」は、今年度は399万円程度(消費税5%を含む)で作成される事が分かる。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)


平成19年4月26日入札執行
平成19年度農業委員会会議録調整委託業務
予定価格19,950円を、(株)ぎじろくセンターが、第1回目21,000円の入札で落札できず、第2回目の入札にて19,200円で落札している。

4社が指名され、その内の3社は、第2回目の入札を辞退している。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)

この記録を見て、本当にこのような金額の業務を入札にかけなければならないのだろうかと思うし、もしかしたら桁を間違えて表示しているのではなかろうかということも思う。

また、本当に20,000円程度で出来る仕事であるならば、あえて外部委託しなくとも、農業委員会の職員が処理すれば済むのではないかと思ってしまう。

録音テープに録音された会議の音声を聞き取って文字化し、製本するだけの事ではないのか。



平成19年4月26日入札執行
雲仙市男女共同参画計画策定業務
予定価格1,871,000円を、(株)ワイズマンコンサルティング九州支店が、1,240,000円で落札している。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)

この落札金額が妥当なものかどうかは私には判断できないが、そもそも計画策定業務を外部委託すること自体が理解できない。

雲仙市役所企画課の業務だが、計画策定業務の外部委託を企画するのが職員の仕事だというような認識しかもてない職員集団であるのならば、企画課という部署はいらないのではなかろうか。

せめて自分たちの自治体の各種計画策定業務は、その地域の実情を一番熟知していなければならない市役所職員の集団で行うべき性質のものだと私は思う。

関係資料を収集して、雲仙市の実情を加味して調整・編集すればよいだけの事ではないのか。

このような計画策定業務を外部委託に頼るようでは、市役所職員は計画策定の能力が無いのではと、私たち一般市民から誤解をされてしまうのではなかろうか。

公開されている入札結果を調べてみると、他にも◯◯計画策定業務委託というのがいくつか見られる。

情けない限りであり、税金の無駄使いだと私は思う。



平成19年5月1日入札執行
平成19年度雲仙市自治会活動保険
入札方式 指名競争入札
雲仙市役所市民生活部市民課の業務だが、東京海上日動火災保険(株) 長崎支店が、1社だけ指名されていて、予定価格2,814,000円を、第1回目2,891,400円で落札できず、第2回目の入札にて2,710,440円で落札している。

おそらく、「自治会活動保険」という種類の保険を扱っていて指名願いを出している業者が、その1社だけなのだろうという事は想像できるが、1社だけでの入札でも「指名競争入札」という事になるというのがおもしろい。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)


平成19年6月28日入札執行
瑞穂下水道管渠詳細設計業務(2期地区-2)
予定価格39,252,000円を、(株)ヒデケン設計が、第1回目の入札にて13,800,000円で落札している。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)

予定価格の1/3程度の価格で落札しており、他の指名業者の入札額を見ても、最高で25,000,000円であるという事からして、予定価格の39,252,000円という金額が妥当な金額なのかどうかと思ってしまう。


平成19年6月28日入札執行
吾妻下水道管渠詳細設計業務(3期地区-2)
予定価格20,647,000円を、(株)ヒデケン設計が、第1回目の入札にて6,800,000円で落札している。
ここをクリックすると、その画面をみることができる)

これも予定価格の1/3程度の価格で落札しており、他の指名業者の入札額を見ても、最高で14,000,000円であるという事からして、予定価格の20,647,000円という金額が妥当な金額なのかどうかと思ってしまう。


最低制限価格を設定しないでよい業務に関しては、このような落札もありで、雲仙市の財政にとっては、相当助かるのではなかろうか。

ただし、上記の瑞穂下水道管渠詳細設計業務(2期地区-2)と、吾妻下水道管渠詳細設計業務(3期地区-2)の指名業者は、いずれも12社ずつだが、両方とも全く同一メンバーになっている。

同じ日に、同じメンバーで2種類の入札があり、どちらも同じ会社(東京の会社)が予定価格の1/3程度の価格で落札している。

落札した会社の企業努力の結果という事になるのだろうが、素人の目からすれば興味深いことだ。

指名業者を選定する側(雲仙市)に、一考の余地があるのではないかという気がする。

他にも同程度の業務をこなすことができる能力の、雲仙市に指名願いを出している業者は、全国規模で検討すれば数多くいるだろうに。



この他にも、土木工事や測量設計業務委託の入札で、指名業者の顔ぶれがほとんど同じだったり、予定価格より少し低い価格帯での入札額が揃っていたりと、興味深い指名競争入札結果を多く閲覧する事が出来る。



豊田かずき



おじいさんと孫

2007年07月11日 | インポート
ウィキぺディアフリー百科事典で「赤城宗徳(あかぎむねのり)」を検索すると

1959年(昭和34年)に主務大臣である防衛庁長官に就任する。
安保をめぐり争乱が起こる中、岸首相に自衛隊の治安出動を打診されるが、「自衛隊が国民の敵になりかねない」と反対したことで知られる(「どうしてもやれと言うなら、国民に対し責任を取る意味で発令と共に辞表を出します」と答えたという)。

また、元防衛庁官房長の竹岡勝美氏は、

「自衛隊は左翼といえども国民を敵に回してはならない」。60年安保当時の赤城宗徳防衛庁長官が語った言葉だ。私はこの時、警察と防衛庁の連絡役。国会に突入しようとするデモ隊に手を焼いていた岸信介首相周辺からは、自衛隊の治安出動を望む意向が伝えられた。しかし、赤城氏は断固としてこれを拒絶した、と聞く。

と、毎日新聞の「自衛隊・情報収集問題」記事のインタビューの中で述べておられる。

今の赤城農林水産大臣のおじいさんのことだ。

骨のある筋の通った政治家だったのだろうと感じる。

その孫はといえば、事務所費問題で、親や後援会長まで巻き込んで、見苦しい言い訳をしているようにみえる。
そして、その任命権者である安倍首相(岸信介の孫)は、それを擁護するような発言をくり返している。

仲良しごっこの「政治屋」という名の商売をしている人たちというふうに私は感じている。

隔世遺伝という言葉があるが、残念ながら赤城農林水産大臣は、そのようにはならなかったようだ。
地盤、看板付きで育ったのだから無理も無い事かもしれないが。

ふたりとも、おじいさんの代の「政治家」のありようを見習うべきではなかろうか。

豊田かずき



消費期限と賞味期限

2007年07月09日 | インポート
「消費期限」(おおむね5日以内)は、弁当や食肉など腐ったり劣化しやすい食品に表示される。

これに対し「賞味期限」(6日以上~年単位)は、日持ちする食品に表示される。

ということだそうだ。


「賞味期限」は、「最もおいしく味わえる期限」の事だそうだが、「消費期限」と混同されていると、東北公益文化大学大学院特任教授(公益学)の北沢栄氏が、毎日新聞の「発言席」という記事の中で述べておられる。


「賞味期限」イクオール「食べられなくなる期限」ではないということだ。


ミートホープという会社がおこした事件から考察してみる。

牛肉ミンチの中に豚肉などを混ぜて「牛肉ミンチ」と表示して販売した事は悪い。

しかし、その品物を調理して食べて、食中毒などの実害があったという消費者からの報告は無いようだ。

牛肉製品だと思って食べた物が、実はそうではなかったということで、消費者は騙されたという事に対して憤っている。

他社製の「賞味期限」の近付いた品物を安くで仕入れて包装をし直し、自社製品として販売した事は悪い。

しかし、「賞味期限」イクオール「食べられなくなる期限」ではないということから考えれば、通常であれば廃棄処分になったかもしれない食品を、廃棄せずに再生させて販売したという解釈もできる。


日本国の食糧生産事情は、その自給率40パーセント以下ということで、国民が消費する量の半分にも満たない。

自動車などの工業製品を生産する技術には優れていても、自国民が消費する食糧に関しては、先進独立国家としては情けないほどの量しか自給できていない。

最近「もったいない」という言葉が見直されてきている。

その「もったいない」の概念からすれば、ミートホープという会社がおこした事件を、私は全面的には批判できない。


私のような庶民である消費者が、「牛肉は高級品だ」という意識を変えれば良いだけの事で、混合挽肉入りのコロッケであっても、安い価格で市場に供給されるならば、私のような所得の低い生活者にとってはありがたい。

要するに、表示を正直に「牛肉・豚肉・鶏肉等」の混合である事を明示すればよいのではなかろうか。

また、「賞味期限」という表示に対して正しい認識を持ち、まだ食べても大丈夫な食品は、きちんと利用するべきではなかろうか。

なにせ食糧自給率40パーセント以下の国家であるから、食糧品は大切に国民の胃袋に収めるようにすべきだと思う。

営利を追求するあまりに、ミートホープという会社の経営者が主導して行った一連の事柄は悪事ではある。

しかし、そこには70名近くの従業員が働いている。
そして、その家族の日々の生活があり、その地域の人口の維持に貢献していた。

事件が発覚してから、従業員に解雇通告を出したそうだが、もう一度会社を再建して欲しいと思う。

経営者がその経営責任を問われるのは当然の事ではある。
が、そこで働いていた従業員には仕事の内容に対する決定権は与えられていなかったはずだ。

経営者の意のままに働かされていたのであろう。

ミートホープの社長は、中学校を卒業してから住み込みで肉屋さんで働き、食肉の処理技術ではかなり腕のいい職人だったという事を、昔の職場仲間が語っているのがテレビに映っていた。

一代で、何十人もの従業員の雇用の場を作り上げ、その地域にとっては相当に貢献した人であろう。

一族での富の蓄積もかなりのものであろう事は想像できるが、この際それらを放出してでも会社(工場)を存続させるべきだと私は思う。

景気が向上傾向にあるのは、一部の業種と都市域だけで、地方においての景気はどんどん落ち込んでいるというのが現状だ。

ご本人も、たたき上げの職人経験者であれば、働く場がなくなるという事の意味は痛切に感じているはずだ。

従順に働いてきた従業員とその家族のためにも、是非とも会社を再建して、今度は正当な商売を展開して欲しいと思う。


ところで、消費期限の過ぎたような閣僚を続々と排出(輩出?)している安倍内閣の賞味期限はいつ頃までなのだろうか。

そろそろ賞味期限切れが近付いているのかもしれない。

それは、良識ある選挙権保有者の1票1票の投票行為によって決まる。



豊田かずき



結婚記念日

2007年07月07日 | インポート
正確には、入籍してから26回目の記念日になる。
結婚式を挙げるつもりは無かった。

結婚式を挙げたのは、半年後の翌年1月5日・仏滅の日だった。

妻の親から「猫の子をもらうのとはちがうとけん。」という言葉をいただき、そう言われればそうだなと納得して結婚式を挙げた。

当時は東京の小金井市に住んでいたが、愛野町で結婚式を挙げる事になり、おそらく予約が入っていないであろうと思われる「仏滅」の日を選んだ。

結婚した当初は、まさに猫の子のように従順だった妻。

今では、ひとこと言えば三言も四言も返ってくる。

きっと、更年期障害の症状のひとつだろうと思うことにしている。


本田菓子屋のおいしいショートケーキで、26回目の記念日を祝おう。


豊田かずき



妖怪舌すべり

2007年07月07日 | インポート
「軽い舌で首すじをなめる。」
「ワキから甘いニオイがする。」

のだそうだ。

毎日新聞に「経世済民術(けいせいさいみんじゅつ)」というタイトルの風刺漫画がある。その中で、本日は「妖怪舌すべり」というのが紹介されていた。


防衛省という看板のかかった建物の窓から、埴輪に似た顔の「妖怪舌すべり」がヌッと顔を出している。

その口から出した大きくて長い舌で、読書をしている今の我が国の指導者とおぼしき顔の人の首筋をなめている。

その舌には、「禍」という丸囲み文字が貼り付いていて、首筋をなめられた今の我が国の指導者とおぼしき顔の人は、ヒヤッとしている。

そして、その人が読んでいる本のタイトルは「そして誰もいなくなった」となっている。


プロの作画家の表現力はすごい。



豊田かずき


埴輪(はにわ)は黙して語らず

2007年07月03日 | インポート
地元選出の国会議員で、今は国土防衛の責任者としての大臣になっている人がいる。

テレビに映ったその人の顔を最初に見た時に、私は、埴輪(はにわ)を連想した。

数年前に一度だけ直接お会いした事がある。
愛野町議会議員をさせていただいていた時に、議員研修の一環として国会を見学に行った時、国会施設の中の食堂での昼食時に挨拶をしに来られた。

私はその時が初めてだったが、先輩議員方は以前から面識があったようで、親しげに言葉を交わしておられた。

今、「しょうがなかった」発言で渦中の人となっているが、おおやけの場で一度口から発した言葉は、後で撤回しても、無かった事にする事は出来ない。
ご本人もその事は自覚しておられるようだ。

私が一番不快に感じたのは、釈明のインタビューの中で、その発言をスクープした記者をさして、権力を使って何等かの報復をするかのごとく受け取る事が出来るような発言をしている事だ。


長崎県の自民党は、今度の参議院議員選挙では、公募による候補者の擁立も選択肢としていて、十数名の応募があったと新聞記事にあった。

にもかかわらず、渦中の人が、知名度の高いサッカーの指導者を担ぎ出したという経緯がある。

昔の筋の通った政治家であるならば、このような重要な時期に不適切な発言をして、現政権や連立与党に迷惑をかける結果となっている状況においては、自ら身を引いてけじめをつけたのではないだろうかと思う。

安倍首相も、当初は渦中の人を擁護するような発言をしていたが、世論の批判を察知して、ここにきて厳重注意をしたという。

最初から厳重注意をすべきような問題なのに。


渦中の人が、自分を支持してくれている地元長崎県の人たちの心情を逆なでするような発言をするということは、郷土の問題に対して、日ごろから潜在的にそのような程度の認識しか持っておられなかったという事の証左であろうと私は思う。


柳沢厚生労働大臣の「女は生む機械」発言にしても、久間防衛大臣の今回の「しょうがなかった」発言にしても、上から見下したようなものの考え方で、庶民の目線に立ったものの考え方とは大きくかけ離れているように思える。

ハローコムスン問題、ノバウサギ問題、朝鮮総連問題、はたまた庶民に身近なミートホープ問題と、監督する側は従来から把握していたであろうと思われる問題を、立て続けに小出しにしているように感じる。

国民の関心をそちらに引き付けて、年金問題の沈静化をはかろうと画策しているのではなかろうかとも思えるが、年金問題は個々に関わる問題であるだけに、私たち庶民の心の中の不信感は簡単には薄まらないだろう。

ただ、過去の事はすぐに忘れてしまう傾向にある国民性のようだから、戦前回帰的な傾向にあるような強引な政治の流れを察知している人が、果たしてどれだけいるのかは、投票箱を開けてみなければ分からない。

埴輪に似ているイメージの政治家は、語りすぎて渦中の人となっているが、埴輪は黙して語らず、歴史の流れをじっと見つめている。


豊田かずき