蓮華草(マメ科)花言葉は、私の苦しみを和らげる。中国原産、かつては緑肥として刈り取りの終っ稲田で広く栽培されていた。葉は互生し、4~5月に葉腋から花柄を伸ばし、先端に多数の蝶片の花をつける。私がこの花を見たのは、小学6年生の修学旅行の際に、車窓から見た田園風景で、一面田圃に繰り広げられた蓮華草の美しい景色であった。輪状に咲くさまが蓮華に似ている有り様は、紫雲が低くたなびくようなので紫雲英(漢名)とも呼ばれる。今では化学肥料を使用するためにこの景色が見られないのは残念である。「余念なく紫雲英を摘むとひとは見む 大島民朗」「指ゆるめげんげの束を寛がす 橋本美代子」「童女摘むげんげに君が摘み足せり 塩川雄三」「どの道も家路とおもふげんげかな 田中裕明」「頭悪き日やげんげ田に牛暴れ 西東三鬼」「狡る休みせし吾をげんげ田に許す 津田清子」「げんげ田へ女がさきに座りけり 星野麦丘人」「げんげ野を来て馬市の馬となる 下村ひろし」「どぶ鮒を紫雲英の中に押へけり 水原秋桜子」「げんげ田や花咲く前の深みどり 五十崎古郷」「やわらかに萎えたる花やげんげ束 星野立子」「おほらかに山臥す紫雲英田の牛も 石田波郷」「吉野郷雲ふかく紫雲英いまだなり 黒木野雨」「げんげ田に睡気もよほす藁塚二つ 青柳志解樹」「げんげ野ゆく足の先まで明るくて 菖浦あや」。(窒素も バクテリアも 無にされて 蓮華草葉かなしけり ケイスケ)